第432話 結婚相談所見学


<興味深いですぅ>


「確かに」



僕達が来ているのは結婚相談所だ


クリスマスのときに独身のお客さんに「結婚相談所とかっぽいっすね」と言われた



これにレアナー様が食いつかないわけがない・・・!



ここは運営している人がレアナー教徒なので・・・レアナー様が気になって見に来たのだ、予約はしていたが年末年始はやっていなかったしちゃんとこちらに帰ってこれてよかった


今日はこの会場に大体25~35歳までが会場内に来るそうだ



「体験してみますか?」


「よろしくお願いします」



会場ではまず書類を書く


会場自体は清潔感はあるけど特に特別な感じはない


ホテルの広い会場だけど儀式や寝具があるわけではない


もちろん催淫効果のある香りがするわけでも、軽食に毒が入っているわけでもない


むこうと違ってとても興味深い



<おぉー>



レアナー様は興味深そうだ


結婚や儀式というものは地域や民族で変わる


異世界には異世界の結婚があるのなら日本には日本で受け入れられる結婚スタイルがあるはずだ


何気ないカーペット、何気ない壁紙の一つをとっても意味があるかもしれない



書類には名前などに加えて、結婚相手にどんなことを求めるかなどを詳しく書いていくらしい



「どう書いていいかちょっとわからないんだけど」


「お試しなんでお好きに書いてみてください」


「わかった」



名前 元杉洋介

年齢 16

性別 男

職業 レアナー教大神官

年収

出身 あおきちきゅー 

最終学歴 小学校

資格 なし

特技

趣味

結婚歴

子供

特筆事項



「年収はわかんないんですけど」


「えぇっと、職業で入ってきたお給料・・・聖下、聖下のお給料ってどうなってるのですか?」


「え、領地の話?」


「領・・地・・・?」


「うん、僕向こうの世界で領地もってるよ、いっぱい」


「・・・・・・・・・・・・・・いえ、こちらの世界でのお給料です」


「レアナー様、どうなってるのでしょうか?」


<ちきゅーのレアナー教に入ったお金はよーすけが好きに使えばいいですぅ>



・・・・・・ボクのスマートフォーンに入っているレアナー教徒の人数や資産データ、土地の場所を出してくれるアプリを見る


うん




名前 元杉洋介

年齢 16

性別 男

職業 レアナー教大神官

年収 円ではおよそ7896憶円

出身 あおきちきゅー

最終学歴 小学校

資格 なし

特技 なし

趣味 布教

結婚歴 いっぱい

子供 たくさん

特筆事項 りょう地持ち くん章もいっぱい 加獲



うむ、これでいいだろう


あとは結婚相手に何を求めるかとか

結婚するなら自分と同じタイプ?全く別のタイプ?

休日は何をするとか

いつもやってる習慣

運動は得意?

インドアかアウトドアか

結婚はすぐにしたいか

アレルギー

飼いたい動物

好きな食べ物に嫌いな食べ物

両親との関係

兄弟との関係

借金

親との同居

・・・・・・・



いろんなことを聞かれる


答えなくてもいいそうだけどこういうのを答えることで結婚をどうするか。相性を考えるスタッフが色々考えることができるそうだ



ふむ


ここの結婚相談所では会場でも色々する


女性が椅子に座って男性が時間ごとに順番に回って挨拶する


お互いに「いいな」と思う人をスタッフで調べて知らせる


結婚がうまく言ったらこのイベントの管理者にお金を支払う


それと男女一緒にレクリエーションをしたりもする


胸にでっかく「体験」「未成年」とテープに書いた上で僕も参加する



「こんにちは!」


「こ、こんにちは」



一応大人の姿で回っているのだけど戸惑っているようだ



「僕は結婚相談所の体験できたんですけど色々聞かせてもらってもいいですか!」


「えぇ、まぁ」


「結婚相手にはどんなものを求めますか?」


「そうね、安定・・・かしら」


「安定」


「そうよ、生活のためにお給料は多い方がいい、一緒に暮らしていくのに貧乏なのは嫌よ」


「なるほど」


「あとお兄ちゃんみたいに身体を鍛えてる方が好みよ、だってお腹が出てたりしてたら格好悪いし・・」


<この人よーすけに気があるですぅ!>


「なるほどー、参考になります!」



他にも「愛だけあればいい」とか「趣味が同じじゃないと嫌」、「隣りにいて安心できる人がいい」「絶対浮気しない人」「年収1000万以上」などなど様々だ


前半と後半があったので今度は女性側に座って男性の意見を聞く



「こんにちは!」


「こんにちは・・三浦 歳三です・・・職場体験?珍しいね」



としぞーさんはあごひげが立派なおじさんだ


ガッチリした体つきで、なんというか男らしい



「色々聞かせてもらってもいいですか?」


「どうぞどうぞ、何が聞きたい?」



女性の列に混じっているがちゃんと相手をしてくれて助かる


嫌な態度一つとらずに柔らかな笑顔の・・・いいおじさんだな


隣の女性相手にはカチカチに固まってたのに



「結婚相手に何を求めますか?」


「んー、いろいろかな、若い方がいい、優しい方がいい、一緒に笑って、気が合う方がいい」


「わかります!一緒に笑える人のほうがいいですよね!」


「お、わかるかい?・・・それにしても君本当に未成年なの?歳上じゃなくて?」


「16です」


「ほー・・・・お、君の情報もあるのか・・・・・・・・・魔法少女!!!!???」



なぜかよく言われる魔法少女


杖で飛び回っていたからそう言われるようになった


箒でもないし女の子でもないのにね



「あ、魔法は使えるけど少女ではないですね、今日は見学できています」


「7896億円・・・字、間違ってるよこれ・・・・いやそこじゃないけど・・・」


「日本円だとそれぐらいあるみたいです、まだドルやユーロは換金してないのもあるので多分チョー円はこえるらしいです」


「兆・・・・・・?兆・・・・・・・・・?国家予算???」



セレブの人たちが結構な寄付をしてくれるので多分お金持ちである



日本式のお見合いの一種である結婚相談所


僕も興味深かったけどレアナー様が満足そうで何よりだ、うむ


次はどんなふうに相手を確かめるんだろうか?

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