第314話 ヨーコとダークエルフ


落下した春日井を探していると絶対に会いたくない3人のうちの1人とあってしまった


思わぬ人との急な出会いに声を上げてしまったわたくし



「ん?ヨーコルノリアか?」


「げぇっ!?痛い!!?」



痛い、肩を殴られた


避けたつもりだったのに



いたのは元杉の旅の仲間でも厄介者のダークエルフ


春日井遥や春日井直子と被ることがある、主に胸と性格が


この女はとにかくなんでも殴る狂犬だ


あまりにも暴力的で英雄としての力を持っていて、魔族と積極的に戦うというのにすぐに揉め事を起こして牢屋にいれられていた女だ


魔王との全面戦争で釈放されたが反省することなく貴族をよくボコボコにしていた


仲間と認めたものは守るし、こいつを守って貴族の拷問を引き受けた元杉に心酔している


わたくしが元杉を刺してからわたくしは会う度に殴られている


他の姉がいないということはこいつをどうにか止めないといけない



「当てたつもりだったんだがな、で?ヨーコルノリア・・・・お前はどっち側だ?」


「わたくしは元杉の味方で「まぁいい、殴ればわかる」嘘でしょ!!!??」



ギャリィッ!!!



剣を取り出して拳を受ける


体ごと飛ばされる



「まってくださいまし!?」


「待たん!!」



ドカンっ!!



避けた先の木が弾け飛んだ


全力で影に潜る


影の中に手を突っ込んできた



「嘘 で し ょ!??うぐっ?!」


「おがっ!?やるじゃねえか!!」



影から引き上げられてすぐに私は腹を殴られた


お返しに影を纏めてモーニングスターのように引き付けて横っ面に当ててやった


普通の兵士なら盾に当てていようとも殺せる威力だったのに対して効いていない



「待ってくださいまし、わたくしを攻撃するとっ!」


「オラァッ!!」


「元杉が困ることになります!」



わたくしの剣が首の前に来ているがそのまま殴りかかってきていた


しかし私に当たる寸前で拳は止まった



「さっさと話せ!」



シーダリアは見た目だけでいえば美人だ


だけど魔族に間違えられたり、魔族側にも多いダークエルフだ


とにかく殴って物事を解決するのが彼女の悪いところだがそれは加護の影響かもしれません


とにかくわたくしは元杉の味方であり、元杉の婚約者を探していたと伝える



「ったく、早く言えよ」


「この女は・・・!?」


「あん!なんか文句あるのか!!」


「無いですわ」


「飯持ってるだろ、良いの寄越せ」



やれやれと座ったシーダリア


これだからこいつは嫌なのですわ



「これは?」


「テリヤキバーガーです」


「・・・・・」



紙包みを開けて渡した


いつもならバリバリ食べるのに見慣れないからだろう、すごく匂いを嗅いでいる



「毒は入ってないのか」


「し、失礼な!?それは元杉の好物ですわ!?」


「あぁん!?ウメェな!!!」



腹が減って気が立っていたのか?


かぶりついて食べるシーダリア、頬にソースがつくが腕で拭っている


手を差し出してきた



「ん」


「なんですの?」


「あん?まだ持ってるだろ、さっさと出せ」


「・・・・・」


「おぉ!お前にしてはやるじゃねーか!!」



一瞬毒ナイフを投げそうになりましたが抑えてバーガーを差し出す


温めればもっと美味しいのですがこれは日持ちするらしいし一個一個包装されてるから持って来たのですけど渡した分を全部食べていくシーダリア



「あぁ食った食った!」


「お粗末様ですわ」


「次はもっと持ってこいよ!」


「はいはい」


「はいは一回だ!」


「・・・・・・・・・・・・はい」



頬がひきつる


笑顔だ、笑顔を絶やしてはなりませんよ



「人探ししてたんだったな?ならここで待つと良い」


「なにかいい案がありますの?」


「俺はここで合図を待ってる、聖王殴るよりもこっちのほうがヨウスケを助けられるらしい」



何言ってるんだろう、この脳筋は


胸に理性や知性が吸われてるんでなくて?


春日井もそういうところがあるし、まさか・・本当にあり得る?



「だからこのあたりはヨウスケの子がよく回ってる、俺も助けてやりてーがここから動けねぇ、人探しなら人を使った方がいい、ちったぁ頭を使え、馬鹿が」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・スー・ハァー・・・・・はい」



息を吐くように貶してくる


なんで私こんなにも下に見られているのでしょうか?


元杉の背中を刺して崖から飛び降りたって前科があるから受け入れましょう


怒りを抑えて話を聞いて元杉救出の打ち合わせをする


仲良くはなれそうにないが元杉のためだ



「それなら私、いい案がありましてよ?」


「さっさと話せよ愚図が」


「・・・・・・・やっぱりその前に一発いれますわっ!!」


「やんのかオラァっ!!!」



やっぱりこの方とは合いませんわ


まずは上下関係を叩き込んだ方がうまくいくはずです!!!

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