第273話 遊園地視察


「大人5枚、猫一匹おねがいします」


「はーい、にゃんちゃんはアトラクションに乗せずに、でちゃったものは飼い主の責任で清掃をお願いします、なにか御用があればスタッフまでおねがいします」


「はい」



治癒した信徒にチケットは貰っていたのでそれを数枚渡して中に入る


地方の遊園地、ペットも一緒に連れてくることが可能だ



「ようこ・・・そ、え、あ、熊??」


「ちょ、お客様・・・」


「あの方は良いから、オーナーからの招待だ」


「「「・・・・ようこそー!」」」



少し遠いが遊園地に来た


城を結婚式にも使えるように改造するのに遊園地を見に来たのだ


どうせなので信徒皆で貸し切りだ


流石にレアナー教の名前ではテロリストが来るかもだしこっそりしておいたからスタッフさんたちは驚いている


貸し切りにしてもらうのにお金は払ったがせっかくなのでオーナーさんからのチケットも使う


先に入った三上はなにやら真剣に観覧車を見ている


あんなに大きいのを城につけるのは派手すぎる気がするのだけど・・・



「はるねーちゃん、何から乗る?」


「ジャットコースター!・・・はまだ早いか、ゴーカートで!」



なんだろう、スタッフさん達はルールとレアナー様を見て顔がひきつっている


日本だとなかなかいないもんね



「これは・・・なんですの?」


「ゴーカートっていう一人乗りで安全な車だから楽しんでね」


「免許というものが必要なのでは?」


「これは子供でも乗っていいのよ、ほらほらレースしよ!」



「え?これどうやって動かしますの!!?あ、うごきましたわわわ?!」


<きゃー♪>



ゴーカートやパターゴルフ



「つまり、この玉をあの棒の下の穴に入れれば良いのですわね?」


「そうよ」



ヨーコが手で投げて、いれた



「これで良いですの?」


「違う、そうじゃない」



ダーツに



「わー!すごーい!!」


「へへへ」


「奈美やるじゃない!」


「弓矢でも良いですの?」


「だめー」



射的に



「「「おー」」」


「へへ、どんなもんよ!」


「射的うまいと​かいがーい!」


「これは、元杉が言っていた銃というやつですの?」


「これは子供のお遊び用だね」



大きなくまのぬいぐるみを貰ったりして



「これはルールのおもちゃ用ね」


「ルルルルァ!」



一緒にサンドイッチを食べて



「元杉神官、これ皆で作ったんです、一緒に食べましょう?」


「美味しいね!」



父さんと母さんも腕なんか組んで一緒に歩いててラブラブだ



「もー、あなたったらー」


「へへへ」



ジェットコースターについて来ようとしたルールを止めて



「「「きゃー!!?」」」



ルール大丈夫だから!?戻って!


ちょっとスタッフさんに怒られてコーヒーカップみたいなのに乗って



「目が回りますわぁ」


<くるくるするですぅ>


大体のアトラクションには乗り尽くして最後に観覧車に乗った



<この世界は、とても平和でいいのですぅ>


「ねー」


「これはなんの目的の乗り物ですの!また落ちますの!!?」


「景色を眺めるためよ」


「なるほど・・・偵察用ですの?」


「違うから」


「夕日が綺麗でしょ?」


「なるほど」



最後に併設されているプールを少しだけ見てきた


ビーチの座る椅子のようなものもあるし、こう、ごーじゃすだ


ヤシの木とかもあったりして雰囲気としては良いね


僕には全くわからなかったが三上は施設の運用に何が必要かメリットやデメリットを聞いて回っていた



入り口と違って出口のゲートはルールが通れなかったので別の出口から出たりして・・・楽しかったなぁ







あぁ、これは夢だ



何度も同じ夢か幻を見ているのだけど多分何百回かに一回は夢を見ることが出来ている


よく覚えていないがピンクの人が出てこなかった



忘れたくない



これは忘れたくない



はるねーちゃん考案の鯵の缶詰マヨネーズ大葉サンドイッチや黒葉のダーツのスーパープレイ、特別だからと乗せてもらったフリーフォールで落ちそうになったヨーコ


幸せそうな父さんと母さん


日陰でスマホを触っていた田辺


楽しそうに遊ぶ信徒たち



忘れたくない



きっとこれは夢だとはわかってる


僕は誰かになにかされている、誰の攻撃にしても今は力をためるんだ



・・・・――――どんな事態にだって対処できる、消防団員みたいに

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