第237話 とある戦神
神は多くいる
人にとっての善なるもの、中立なもの、悪なるもの
戦神に知識神、美神、技神、酒神、獣神、土地神、亜神、異界神、海神などなど様々だ
魔王を討伐するのには多くの神が働きかけた
普段働かない人間寄りの神からだ
神は人に単純に加護を与えて応援しただけではない
瘴気を減らす樹木を増やそうとした樹神、神の友である竜への協力要請した神もいれば、嵐の神を魔物の領域に追いやる、果ては魔族が少し不幸になれとする神など様々であった
その中でとある神がやらかした
オークに加護を与えることで魔王軍の中でも強いオークの族長を討ち取ろうとして失敗してしまった
しかも失敗した後が悪い
そのオークは魔王にまでなろうとしていた
チーテックは中立の神であるにも関わらず魔王を誕生させてしまうところであった
それも先代勇者を殺しかねない形で・・・
結果、戦神チーテックは武神、軍神、戦神達によって封印された
戦神の加護を求める春日井遥が現れた
泡に映し出された未来の数々を観たところ最も適合する神であり、指や腕が無くなるわけではない
春日井の誰かを護って未来を切り開きたいと言った望みとチーテックともあっている
春日井も地球のレアナーの加護を得ている
分神とは言えレアナーは大神の一柱だ
大神の加護を授かった者の中で他の加護の加護を得られるのはごく少数
大神レアナーの加護をすでに授かった春日井の器の限界を考えても中級神の加護が良いところだ
大神や他の戦神のように代償や代価が大きいわけでもない
天然なところもある神だしやらかしてしまった罰として奴への貢物は没収できるだろう
神々としても理解も納得もできる選択肢だ
美の神や我儘な、いや神はみんな我が強いが全体的に納得できるはずだ
チーテックは戦神の中でも朴訥な神だしレアナーとの相性もいい
春日井の体が弾け飛んでしまうことはない
「貴方の加護を授かれば洋介を取り戻せるの?」
<どういうことだ?俺は封印されていたかた状況がわからん>
「私のあ、愛するひとが拐われたの」
<すまん、ちょっと覗くぞ>
春日井の頭に触れたチーテック
チーテックは人の心を覗くのが苦手なのだろう
<なるほど、事情はわかった・・・俺の加護をやるよ>
「本当に?」
<オークのことで迷惑をかけた、それにお前の気概が気に入った!>
「洋介は助けられる?」
<それはお前次第だ、ただ俺は加護をやる>
人に多くある間違いよね
神によって結果を得られるものもいるけどこれはそういうお願いではない
加護を授かるという、ただそれだけだ
助言もするし助力もするし先導をする神もいる
だけど人こそがどうするか決めて、望みの結果を得るべく行動するものなのだ
神がその結果を無条件に与えるものではない
<結果はお前が掴み取るものだ・・誰かを護る覚悟はあるか?>
「ある、私はどうなっても良い、でも私を助けてくれた洋介のことは絶対に助けたい」
<いいな!いいな!!なら俺も気合い入れないとな!!!>
春日井に入っていったチーテック・・・あ、まさか!!?
<これからよろしくな!春日井!>
やられた
チーテックは春日井の守護神としてついていった!?
封印がそんなに嫌だったの!?
封印前にはチーテックの加護を持ったものは少なかったとは言えいた
誰か専属の守護神になってしまえばそのものが死ぬまでチーテックは離れられない
こちらには小さいながらチーテックの神殿はあるだろうし・・いえ、チーテックも分神がいるから大丈夫なのか?
それにしたって元の神が守護神になるなんて・・・
私の言語をあげてしまえばよかったか?
隣で捕まってるレアナーも少し不服そうだ
まぁこういう未来も見えていた
結果、彼女が幸せになるのなら良いのかもしれない・・・私も黒葉奈美についていこうかな?
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