第225話 本心の発露
ヨーコと奈美、そしてルールは竜とやらのもとに行った?行けたのかな?
城の謎ギミック、どう見ても大砲の中に入って飛んでいった
なんでも高い位置に陣取る神さまの製作らしく、地球上の好きな場所を天体望遠鏡のようなもので観測して好きに飛んでいけるらしい
なんでこんなものが城にあるんだろうか?
いやこういうのは結構多いらしい、何この城、怖いんだけど
竜の位置を特定して、飛んで・・・じゃないな、発射されていった
「安全なの?これ、帰りは?安全なの??」
「おそらく知己の竜ですので蹴飛ばしてでもここまで飛んで帰ってきますわ・・・それよりも」
ルールも体を縮めて怖がっていたが神様製の大砲だし間違いはないだろう
だけど見た目が天体観測用の望遠鏡つきピストルである
大きさは家よりも大きい
ヨーコは安全には触れてくれなかった
「帰ってくるまでに神に認められなければ、お留守番をすることになりますわ、くれぐれも頑張ってくださいまし」
「は?なにそれ・・・」
「とにかく、レアナー様に頼らず、他の神様の加護を得られるように尽力してください」
ガギンっパギィギギギギギギッ!!!
「なななななんか壊れてる音が!!?ちょっといちどおりまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・-------------------------」
発射、まさにそう、発射
なにか金属の破断するような音がした
光る玉包まれ、飛んていくと同時に翼の生えてあっという間に空の彼方まで行ってしまった
大丈夫なのか奈美は?
緊急時用に入れたGPSを見てみる
駄目だな更新されない・・・・死んでない・・よね?頼むわよヨーコ
祈りの間に戻る
何をどうしたら良いのだろうか?
とにかく神というのは思っていたほど手が届かない相手ではない
多くの神像が立ち並ぶこの部屋
「すぅー・・はぁ・・・・」
加護を得るのに絶好の場所だろう
「私!春日井遥は!!力が!!欲しい!!!」
僅かに感じる気配が揺れた
ここに来るといつも感じていた
「洋介を!家族を!レアナー教を護れるような力が欲しい!!!!」
正直に、ありのままに、包み隠さずに吠える
「今!加護があれば!洋介を助けられるかもしれない!!!」
無理かもしれない、意味のないことかもしれない
「だから!!」
でもやってみる
「おねがいします!!!」
それが私に出来ることだから
真っ白い、人型が現れた
<あの子どうする?>
<私なら加護を上げてもいいけど>
<今回は武神志望じゃろ?どう見ても>
調停の神としていつものように取りまとめる
<私でいいじゃない!美しいわぁ♪>
この頭のおかしい連中ではまとまることはそうそうないが
春日井遥は7日に一度は何かしらの貢物を置いていってくれる
花であったり、菓子であったり、酒であったり、食事であったり
アオキチキューにおいて初の神殿じゃし邪教認定されて攻撃されないだけ素晴らしいのに熱心な祈りはさらに喜ばしい
武神達の操る依り代によって木剣を渡させ、打ち合わせる
関係のない神も<いけっ、そこだー!>と楽しんでいる
試練っぽくはできているだろうか?
いや、本来試練や対価は必要なのだがここで加護を与えるわけではない
彼女の場合は誰が加護を与えるか、ただそれだけである
依代と打ち合わせているのは試練っぽく見えるからというのとただの娯楽だ、なにせこの神殿はまだ人がぜんぜん来ないし
加護は人の身には大きな負担をかけることもある
既にレアナーの加護、とはいかないまでも恩寵程度なら与えているようだ
今回の問題を解決するのには、そして本人の適性なども考えると武神や闘神、守護神たちの中から上位神から順に選んでも良いことにする
最上位の武神はいかがか?
<俺は好みじゃないな>
<というと?>
<貢物の酒は気に入ったが資質だ、護ることを願って諸悪を打倒しに行こうという気概を感じられん>
<私も駄目だな、鱗のないものはどうも好かん>
<じゃあ私が!わーたーしーがー!>
<引っ込んでろ!>
あーだこーだといつものように喧騒となる
それは無視して加護を与えてもいいという神の中から彼女に印をつける
この神殿の神はあくまでもこの砦が作られたときの力の一端にすぎない、彼女が向こうに行った時に本体か分体が印を見て加護を与えるだろう
すべての神の加護を得ることが出来るものではないだろうが多くても3神・・いやレアナーの恩寵を先に授かってるから4神はいけるか?何年かかるかは知らんが
ここにいる神達の傾向から本体たちも武神や戦神希望であると読み取ってくれるだろう
レアナーがどう思うかな・・・
白くて人型の動きの悪い依り代を打ち負かした彼女に皆で印をつけ、最後に私が注釈を書いておく
彼女の未来が彼女の思うよりも幸福となることを祈ろう
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