第174話 土下座
レアナー教の活動が楽になってきた
これまで悩まされてきた神殿の運営だけどみんなの力で形になってきた
スパイは竹村と陸斗と徳田による改心プログラムというのを任せたし信徒が増えて治療までの流れがスムーズだ
1日1回は一応確認に行って、城のコアを使って建物自体を制御する練習をしている
スパイたちの活用法も考えないといけないけど今は結婚式場や調理場についてを城の中を変えることができるのでいろいろ試している
「キャアアアアァァァァァ!!!??機材が壁に飲まれたぁ!!!!」
叫ぶ三上をどうにかするのが大変だったがむしろ部屋自体を動かすことが出来るのは三上が喜びまくって色んな案を出してくる
出来たらはやく結婚式をしたかったのだけどレアナー様も<この城の把握は必要ですぅ>と珍しく真剣な顔を見せたので頑張ることにした
あとおそらく神殿スペースの神々の像の前にある貢物用の台、お菓子を置いて魔力を注ぐと使えた
レアナー様がおいてるお菓子食べていたのでうっかり向こうに送ってしまうところだった
とーさんとかーさんもなにやら畑以外の仕事がしたかったようで毎日帰るたびに様々な案を出してきた
「ここにトロッコを設置できないか?」
「いやプールよ!山の上のプールなんて他にないんじゃない?」
「ナイトプールもある式場・・良いかもしれませんね」
遊園地を目指してるのかもしれない・・一応神殿でもあるんだけどなこの城・・・
ビルでは相変わらず信徒が増えたり治癒をしたりしているのだが魔力と魔法についても色々聞かれることも増えた
海外からも大使というのがよく来るようになって無茶も言うのだがビルの前で土下座を続けているマスコミ関係者を見るとだいたい帰っていく
マスコミの人達は出入り禁止にしてもテレビや雑誌でずっと悪口を言っているのになぜかビルの前では土下座している人達がいる
一番偉い人か聞くと「そうです」とは言っても天罰でしびれさせられてるから本当に偉い人ではないんだろう
「不平等だー」と大声を上げる連中もいるがだいたい乱闘騒ぎになってすぐに居なくなる
手紙も来るが1日に10キロは軽く来るので読みきれない、偉い人の手紙とかも区別できずに読みきれない
向こうみたいに紙の品質で手紙の良し悪しがあるわけでもないし見分けることも難しい、使者が来ることもあるが1日に何十組も対応できない
いい加減に出禁にしようかなと言ったら手紙だけおいていくようになった
黒葉がすごく助かる
僕のサシル様の加護は対人で喋れるし、ある程度魔法によって他人にも意味が分かる程度に話せるようになるという加護だ
過去の勇者が使ったりした言語ならある程度話せるようになるがあくまで基本の言語は向こうのものだ
僕も同じサシル様の加護を授かったけど黒葉のは違う、更に上位の加護だ
黒葉でも加護の範囲外をいきなり喋ることは出来ない
だけど黒葉が聞いたり言語に触れることで勝手に理解していけるらしい、サシル様にかき氷と引き換えで教えてもらった
これまで全く分かんなかった言語を僕もわかってきているのでとても助かる
黒葉は治癒魔法もうまくなってきている
「黒葉、なにか欲しい物ある?」
「ちょっと休みがほしいです」
「んー、分かった」
はるねーちゃんも黒葉も魔力の扱いがうまくなってきてる
ふたりとも向こうのそんなに美味しくもない料理をがっついてる
「魔力が違うのよ魔力が」
「へー」
レアナービルの屋上でやたらと煙の出る干し肉を焼いている
給湯室はあってもやはりこういうのは外でやるべきだ
「そういえば魔力って食べ物にも何かしらの影響を与えるのよね?」
「そうだね」
プランターの野菜に水をやっていると言われた
神田兄妹の小さい2人は小学校に通っている
宿題で朝顔という花を育てていたの、なので僕も試しに色んな種を買って来て植えてみている、あじさいとか
でも花を植えるよりも食べれる物の方がいい、野菜は嫌いだけど花を植えても使い道がなくてもったいない気がした
この観察になにか意味があるのかは分からないがこういうのは「普通」らしい
魔力の影響がこっちの植物にどう影響するのかも知りたい
僕がやるのは水と魔力を上げるだけで阿部が撮影している
でも多分一つも生えないだろうな
武器でも魔力に耐えられずに何個も壊してきたし
「そういえば魔力があるとゾンビやアンデッドってのは生まれるのよね」
ちょっと違う気もする、魔力ではアンデッドは発生しない
魔力ではせいぜい霊が見える程度だ、それも害のない
アンデッドと言っても全てが悪いものではない、たださまようだけのものも多くいるし魔力を与えても見えるようになるだけだ
瘴気に触れてさまよう霊が悪霊になるものはいるが基本的に無害である
「そうだね」
だけど僕もそう詳しくはない、だいたい【清浄化】を撃ち込めば霊でも悪霊でもどっちが相手でも輪廻に還る
「あの旅館って洋介が事故で向こうに行った崖にすごく近いわよね?」
「そうだね」
なんだろうか?ねーちゃんの声に嫌な予感がした
一旦距離をとろうと思ったが一瞬で頭を掴まれた
「マッチポンプじゃない!!?」
「いひゃいいひゃい!?」
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