第145話 神殿の問題


アメリカ人にならないか?


ちょっと意味分かんなかったのだけど話を聞いて意味がわかった


僕や父さん母さんは日本における人として当たり前の権利が法的にない


なのでアメリカに住めば貰えるよってことらしい



「勿論活動も支援させていただきます」



それと本来なら正面から来たかったけど公園で転がってる人達とは別の国の諜報員であるが前回の公務員騒動のときと同じく来れなくなる可能性もあった


以前からメールや手紙、人が来ていたが受付の窓口がパンクしているのはわかっていた


だから今回やむを得ず来たそうだ


ちょっとそれはよくわかんないな



「話はわかったから帰って、これから治療や信徒と話しに行かなきゃだし・・・あ、レアナー教どうですか?」


「勿論、喜んでならせていただきます」



ドサ・・ドサドサ



信徒獲得!と思ったがレアナー様に邪念を見抜かれたのか不敬な念でも抱いたのかみんな固まって倒れた、残念だなぁ


公園に捨てた



何日か治療に専念すると同じような人が増えた


死者の蘇生はできるのかとかあなたは聖人かとか、異世界へのゲートはどこにあるんだ?うちの国に来てくださいとうるさい


信徒たちも公園に捨てられて山になっていく邪魔者にうんざりし始めてる、こらこら蹴りいれちゃいけません


警察の人も苦い顔をしてみないふりをする



熱心なレアナー教徒も増えてきた



特に最近来た神田兄妹は熱心だ


高校生の姉に小学生の妹と弟の3人を六太がどこからか抱えて駆け込んできたのだ


六太結構役に立つな


うん、小さい子が六太をアニキアニキと言ってついて回ってるのが微笑ましい


住み込みで働いてくれてとても助かるがレアナー様や僕に悪口を言った人の足を蹴ったりするのは良くないな



ちゃんと敵と認定するならメイスを使って改心させるなり牢屋にいれたほうが良いだろう



それよりも「国籍がー」とか「蘇生がー」のめんどくさい人が増えたのが厄介だ


「ついてきてもらおう」ってスーツの人達に腕を引っ張られたこともあった


レアナー教徒用の防御魔法も完璧ではないのに


こういうときは何でも相談してくれるおじさんに電話をしよう、今度謎肉でもおみやげに持っていこうかな



「もしもし吾郷?ちょっといい?」


「今、国会なんだが・・私からもお願いがあるんだが良いかな?」


「かけなおそっか?」



電話の向こうから怒号が聞こえる、不謹慎だぞーとかだまれーとか聞こえる、結構忙しそうだ



「いや、ちょうど君のこと話してたし大丈夫だ」



海外からの問い合わせなども含めて参考人招致というものをしたいそうだ


よくわからないけど国会というところでレアナー教についていろんなことを知りたいから話してほしい


勿論、治療を優先してで内容も先に文章で打ち合わせてそれにそって話せばいいらしいが・・


治療優先ならそんな暇ないんだけど、LIVE配信ではダメらしい


ふむ、めんどくさい、そういうのは神殿の偉い人に言ってくれ







・・・・・・・・・・あれ?僕だ!!?







神官長辺り連れてくるかな・・でもいくら賢くてもこっちの常識ないしなぁ


王にかち会うのもめんどくさいし



<こっちのことはよーすけの好きにすれば良いんですぅ>


「・・そうですね、神様」



今日も治癒した新信徒たちの奇行を止めながら話す


最近調整もうまくなってきたと思ったんだけど疲れてるのかな?制御が甘くなってるかも


問題は山積みだけどほんと神殿の運営って大変だなぁ・・え?なに?部屋がまた一つお金で埋まった?レアナー城に持っていって!え?そんな大金持ち運びたくない?


・・・・・収納に入れていくのも大変なんだけどなぁ


銀行口座ってやつがほしい、だめだって言われたけど、黒葉に渡すかな、うーん



「あ、神様これ食べましょう!」


<なんですこれ?>


「カステラです」



黄色くて甘くて美味しい、はしの方に変な紙がついてて・・あれって食べれたっけ?


寄付の中には毒感知や対邪悪感知魔道具にひっかかってそのまま捨てているものも多いが信徒たちは「地元のお土産です」と色んな物を送ってくれている


天井から電源のコードが垂れ下がってる部屋はもうこういう荷物だけで埋まっている


お金もお菓子も収納するのもぼく1人だし大変だ


あと手紙とか


えげつない量がくる、これも収納していつかは処理しないといけないんだけど間に合ってない



緊急の手紙が入ってるかもしれないけど無理、目の前の治療のほうが大事


向こうだと孤児院があったし食料もないからありがたかったんだけどこっちにはそのへんで寝てる子どもたちもいない


子供の難病とかでお金も全然なかった家族にどんどん持って行ってもらってるんだけど限度がある



<これもおいしーですぅ>


「もう一個食べますか?」


<いただきますぅ>



ふかふかした歯ごたえに優しい甘さがじんわりと嬉しい


喉はぱさつくんだけど飲み物も美味しく感じるんだよね



石よりも硬い1ヶ月はそのまま食べれる酸っぱ苦いパンモドキとは違うね、大きめのやつならそれで魔物倒せてたし



お菓子は信徒たちにもあげるんだけど糖尿病になるとか言われる



カステラを美味しそうに食べるレアナー様に癒やされる



今度のはなんか緑色、毒?いや抹茶?美味しいけどさ、たまにぎょっとする色のお菓子あるよね



余ってる食べ物は今度城に行くときに神様たちの貢物のところに持っていくかな


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