第59話 BBQ!
ビルに着いたら徳田と六太がすぐに上がってきた
「ど、どうかしたんで?」
「いやーいろいろあってさー、ちゃんと働いてた?」
「へい!ゴミ拾いしてやした!」
聞いてみると半分はビルの清掃と改装、半分はこの辺り一帯の落ちてるゴミを拾ってたらしい
うん、黒葉さんいい仕事するね
「みんな呼んで、お腹すいたしバーベキューしよう」
すぐに黒葉たちが集まってきた
もう晩ごはん前の時間だがまだ食べてない、良かった
なにかの肉の塊と野菜、それと大きなピンク色のカニをだす
屋上の4分の1はカニで場所を取った、こいつが美味しいんだ
おっと、ビルから爪がはみ出した
「うぉっ!!!??」「でけぇ!!」
「捌くの手伝ってねー」
「こんなのどうやれば良いんだ?」「食えるのか?」「いやうまいのかこれ?」
「さっさとやれ!ボンクラ共が!!!」
「「「へいっ!!!」」」
黒葉は、もうおどおどした雰囲気は一切ない
渡した鞭をぴしっと屋上に響かせてこのチンピラ共の言うことを聞かせている
ちょっとブローチの精神向上の効果が効き過ぎかもしれない
渡した鞭は持ち主の意思のとおり動くので手足を延長したように便利に使える
脚の一本を引き寄せるのにもうまく使っていて、使い慣れてるのにビックリだ
「こんなもんでどうでしょうかい?」
「うん、どんどん切っていってね」
イライラした時はやはり毛をむしったりして無心になり、ちょっと疲れてお腹が空いた時に肉を思い切り食べるものだ
鳥も出そうかな?いやもうおなかすいてるし今日はいい
薪を出していく
「ボス!ここで直に火をつけたらビルが痛みますぜ」
「そうなの?」
「開かなかった部屋にバーベキューコンロや釣り竿があったんでとってきます!」
「まかせたー」
六太はずいぶんと大人しくなった
・・・・・あれ?鍵全部試しても開かなかったドアはどうやって開けたんだろう?まぁいっか
目をやると反抗的だった人もちゃんとカニの脚の分解作業をしてるな、あ、潰されてる
背の高い六太が入り口で頭をうちながらコンロを持ってきた、網も4枚ビニールに包まれたままの新品があった
薪をガラガラ突っ込んで火の魔道具で一気に燃やす、六太よりも大きな火の玉だったのでちょっと火力が強すぎたかも知れないがすぐに火がついてよかった
「徳田、1枚」
「へいっ」
試しに焼いて食べる、肉汁が口から溢れんばかりにうまい、ちょっと癖はあるが、持ってる塩を少し削ってつけて食べる
「どうですかい?」
「焼肉のタレがあればなぁ」
「買ってきましょうか?」
・・買ってきましょうか?・・・・買ってきましょうか?・・・・・買ってきましょうか!!!??
そうだここ日本だ!焼肉のタレ!売ってる!塩で食べなくてもいい!!!!!
上等な肉を出したがタレさえあれば美味しいと思う肉はいっぱいある!!!
「買ってきて!急ぎで!」
「はいっ!」
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