第29話 常識皆無の平凡な日常


ボケっとした内田さんだったがすごくお礼を言われて別れた


そのままビルでスマートフォーンの充電をして寝た



・・・いやあんまり寝られなかった



向こうでは深夜でも魔物の声が聞こえることはあったのだがこちらのように車やバイク、ブレーキに電車の音はしなかった



ブロロロロ、キーーン、ゴドッゴドッ



向こうにない音がすごくうるさくて眠れずに何度も寝返りしてしまった


明るくなってきたところで僕は一日掃除をした


片付いてるとはいってもほこりは積もってるしどこに何があるのか把握したい


1階右側はダンボールとかばっかりでいまいちわかんない、1階の左側は改築中っぽくてなんかコードとか吊り下がってる

2階と3階は仕事用スペースって感じで机とかある

4階はどの部屋も何もない

1~4階はエレベーターがありその上の屋上へは階段で上がれる


廊下とトイレと4階の自分の寝てたスペースだけ掃除して1階のダンボールを端に寄せていく


暗くなってきてスマートフォーンでニュースを見ると光がどうとか宇宙人だとかガンマ線だとか病院の奇跡だとか色々話題になってた


へー、どこの話だろ?あ、子猫の動画更新されてる!



メッセージが来てた


康介伯父さんからは


-大丈夫か?ちゃんと食ってるか?あまり騒ぎを起こすなよ?-

-検査検査でなかなか退院できん-


はるねーちゃんからは


-心配だから行きたいんだけどどこにいるの?-



返事を書いて仕事に戻る


外の窓の掃除だ、収納から金属製の桶とモップを取り出して外で窓を拭いていく


杖の上に立って壁や窓をゴシゴシこする


きれいになるの気持ちいーなーって掃除してたら周りが騒がしくなってきた



・・・・・!!!

・・・・!!・・・・・・・!!

・・・   ・・・・・・・   ・・・・・・・・!



みんな僕を見てなにかいってた


【飛翔】の魔法を使うとあんまり周りの音聞こえないからなぁ


あまり騒ぎにするとまた康介伯父さんにげんこつされるかもだし屋上まで飛んで戻って別の作業をしておく



ビルの外がガヤガヤうるさいがそのうち静かになった



今日は屋台で買っていた魔物の肉の串と魚のスープを食べる


肉は微妙に美味しいが筋が硬い、はちみつみたいなソースが肉と良く合ってる


ソースと肉汁は美味しいのだけど噛めば噛むほどに苦味が出てくるし噛み切れない


魚は・・なんだろ?歯に粘りついて身がほどよく・・・まずいかな?うん美味しくはない


神様には個包装のお菓子をお供えした



「ごちそうさまでした」


<ごちそうさまですぅ>



今日はもう、そのまま寝た


朝になって昨日作った張り紙をビルに貼っていく


メッセージを見ると金道さんからすごいお礼が来てたのと伯父さんからも顔を出せと来ていたので病院に行くことにする、今日は急いでもないしゆっくり行こう



杖を取り出して【飛翔】を使う



ここに来たときも思ったが電線が結構邪魔で引っかかりそうになる


ふわふわ飛んでると下から人が見上げてくる、少し手を振っておいた



・・・・はっ!今看板持ってたら目立たないか!?

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