第149話 南極大戦 ⑩決着

ウル「申し訳ないが…あとは…頼む…」

錬「任せろ!皆んなは少し休んでいろ!」

シファー「クゥゥゥゥ!何故貴様は動ける!」



シファーの魔法装甲は立ち上がり、臨戦体制をとる。

間髪を入れず錬の飛燕はシファーの装甲へ攻撃を畳み掛ける。



シファー(おかしい!何故コイツは普通に動けるのだ!こちらの技術は奴らにはないはず…)

錬「おかしいか?俺の魔法装甲が動けることが?」

シファー「!?」

錬「教えてやるよ!」




ガキン!

飛燕の刀がシファーの魔法装甲の剣を弾き落とす。

そして、掴みかかるとそのまま城へ向けて加速する。



シファー「離せ!クソッ!」



そんな事をしているうちに、シファーの魔法装甲は城の壁に叩きつけられる。



シファー「ガハッ!」

錬「さっきだよ。対策したのは」

シファー「グゥ…さっき…だと?」

錬「さっき、晃さんの魔法装甲…いや、魔導装甲が運ばれた時にその装置があるのがわかった!」

シファー「ば、バカな!奴の部隊が撃破されたのは1時間前くらいなのだぞ!その間で装甲に組み込むまで至ったのか!」

錬「俺だけじゃ無理だったさ!だけど、他にも協力してくれる奴がいたからな!」

シファー「誰か裏切り者がいたのか!?」

錬「まさか、レビアも協力してくれるとは思わなかったけどな…」

シファー「おのれぇぇぇぇ!奴め!」

錬「悪いな、お前に構ってる暇はない…さっさと倒して装置を止めさせてもらう!」




ザン!

飛燕の刀はシファーの装甲を真っ二つにする。爆散したシファーの魔法装甲を横目に、錬は城の中へと侵入した。

レビアからもらったデータ通り、奥へ行くと大きな装置が鎮座していた。




錬「これが魔力集積炉…。これを破壊すれば良いんだな!」




装置に刀を突き入れると光っていた炉がその輝きを失った。



飛燕:魔力の集積、収まったようです。

錬「よし!急いで皆んなの所へ戻ろう!」



倒れていた装甲の元へと向かうと数体起き上がっていたようだった。




錬「大丈夫か?」

琳「すまない…あんな大見栄きったと言うのに…」

錬「仕方ないさ、あんな装置あるとは思わなかったからな…」

ウル「色々言いたい事はあるが…今は…」

錬「あぁ、急いで日本へ戻らないと!」

瑠衣『ニエドは…魔力が回復するまで時間がかかります…。すぐには行けません…』

錬「だったら、飛燕だけでも!」

瑠衣『なりません!できる限り出撃までは貯蔵魔力を温存しなさい!』

錬「そう言っても、どうやって日本まで!」

瑠衣『問題ありません。そろそろ来るはずです…』

『お待たせしました!』



そう通信が聞こえると、上空の雲の上からニエドに似た戦艦が降りてくる。



錬「まさか!2番艦!完成してたのか!」

瑠衣『何とか間に合うように頑張っていただきました。貴方は2番艦蒼穹に乗り日本皇国へ急行して下さい。残りの皆さんは一度ニエドに戻り補給と整備を…ニエドの動力が戻り次第此方も日本皇国へ向かいます!』

「「了解!」」




そして、錬は2番艦、蒼穹に乗り日本皇国へと急いだ。



瑠衣「頼みましたよ、錬さん…」



2番艦が行った方向を見つめ瑠衣はそう呟いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る