第148話 南極大戦 ⑨罠への誘導
暫くの攻防でようやくサタニアの魔法装甲を倒す寸前まで来ていた。
サタニアもそれを悟り、武器を地面に置く。
サタニア「ふ…フハハハハ!流石だ!私をここまで追い詰めるとは…。若、本当にお強くなられた…」
ウル「ギリギリだったがな…」
サタニア「だとしてもです。ですが、残念です若。若達の努力は無駄だった…。リコンはここには居ない!」
ウル「何だと!だが、城はここにある!」
サタニア「アレは一部だ!リコンは今頃、日本皇国で暴れているだろう…。若達はまんまとこちらへ誘導されたと言う事ですよ!!ガハッ!」
膝をつくサタニアの魔法装甲に背後から現れた魔法装甲から剣のようなものを突き刺られていた。
サタニア「シ、シファー?き、貴様!グフッ…」
シファー「喋りすぎだ…もう少し後でわかった方が絶望もするというのにな…」
爆散するサタニアの魔法装甲。その後からゆっくり歩いてくるシファーの魔法装甲に全員武装を構える。
シファー「私はサタニアのように全員を相手にする程馬鹿ではないよ?起動しろ!」
琳「何を!この!」
琳の魔法装甲が放った魔力の弾はシファーに当たる寸前で霧散した。
綺「防いだの?何か特殊な結界?」
ウル「いや…奴に当たる前に消えたような感じだった…。皆、迂闊に近づかないように気をつけろ!」
シファー「フッ!そんな悠長なことを言っている暇はあるのですかね?」
そうシファーが挑発した時、全員に異常を知らせる警報が鳴る。
梁「装甲の魔力切れが近イ!?」
ミウダ「どう言う事だ!今まで貯蔵魔力の量も半分位残っていたのに!」
ウル「それ…だけじゃないようだ…。身体が…重い!」
マキシム「力が…だんだん入らなく…なってくる?」
その場にいるシファー以外の魔法装甲は全て地面に膝を付くか、地面に倒れてしまう。
それだけではなかった。
『ニエド…し、姿勢を維持…出来ません!』
瑠衣『ニエドが…落ちる?此方にも…影響が…?』
そう通信が入ると、大きな音が聞こえニエドが不時着したのが見えた。
ウル「な、何故…お前は…動ける!」
シファー「私達の装甲には魔力集積をモノともしないよう特殊な装置が積まれているからな…。最初からやっていればここまで戦力を消耗しなかったものを…。まぁ、サタニアが時間を稼いでくれたおかげで範囲を広く出来たのは褒めておくべきか。あとは…」
倒れているウル達の魔法装甲へゆっくりと歩みを進めるシファーの装甲。
ウル「…シファー……最後に…確認したい…」
シファー「おや?まだ、意識があるとは流石ですね。その根性に免じて1つ答えましょうか?」
ウル「…感謝する…。この…状況を…作りだしてるのは…何だ?」
シファー「それはあの城の一部に残っている過去の遺産の力だよ…。魔力集積炉といってな、強制的に指定した範囲から魔力等を奪い取るという代物だ。だからいくら魔法を打ち込もうと魔力を帯びた攻撃は無効化される。そして、魔力を持つものは強制的に魔力を抜かれる分動くこともままならないのだよ…私の装甲にはそれを阻害するものがあるからこうして無事だと言う事だ。わかったかね?」
ウル「………だ、そうだ………」
シファー「何を言って…」
「それだけ情報があれば十分だ!」
ニエドの方面からシファーの魔法装甲へ高速で接近し攻撃を加えた一体の魔法装甲がいた。
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