第147話 南極大戦 ⑧決死の救助
時は少し戻り、ニエド内。梁が自分の兄弟を救う為錬の指示で艦内に魔法装甲の胴体事持ち込んだ。
錬は格納庫へエリゼと共に向かっていた。
格納庫へと行くと、戻って来ていた梁が出迎える。
梁「すまなイ…」
錬「こっちは任せて、一度補給して…」
梁「いヤ…俺はこのまま戻ル。あまり戦線は開けられなイ。それに、お前に改良してもらったからナ!元々火器はそんなに積んでいない分補給も必要なイ!晃を…弟を頼ム!」
エリゼ「わかったわ!こちらも全力で助ける!」
梁は頷くと、自分の魔法装甲に乗り再び戦線へ戻って行った。
レビック「これは俺もお手上げだ!錬、お前さんなら何とかできるか?」
錬「やってみせます!…これは…この管…接続している人の魔力を吸い上げて炉の出力増強をしているのか?」
エリゼ「そんな事可能なの?」
錬「出来なくはないです…。ですが非人道的過ぎてどの国もやっていないんですよ!下手をすれば搭乗者の命だって奪いかねないですからね…。だけど、この管…おそらく人の生命力ですら魔力に変換している!」
レビック「おい!錬!炉を確認したが、おかしな所がある!」
晃の魔法装甲の動力部を確認したレビックからそう叫ばれる。
錬「この人の管を分解します!それからそちらに行くので少し待ってて下さい!」
そう言うと錬は晃に刺さっている管を一本一本分解していく。
全てを分解し終え、ようやく晃をコックピットから引き剥がす事に成功した。
エリゼ「…大丈夫?」
錬「大丈夫、まだ命はあります!」
エリゼ「違うわ…貴方よ…。無理してない?」
錬「この程度なら全然問題ないです。それよりもこの人を医務室へ!」
エリゼ「えぇ、軽く処置は済ませたから。後はこっちに任せて!」
晃を医務室へと連れていくエリゼを見届けて錬はレビックの元へと急ぐ。
レビック「おぅ…来たか。お前さん…これをどう思う?」
動力部を指差し錬に問いかける。
錬「これは…!魔鉱炉!?それに…もう一つ何かの装置がある…」
レビック「と言う事はだ…。コイツは魔法装甲じななく、魔導装甲だと言う事か…。しかし、さっきの戦いを見るに梁のやつバーストモードを使用していたが、魔法装甲と魔導装甲じゃ出力に差があるはずだ。梁の魔法装甲はお前さんの改造が施されてるだけじゃなく新たな炉も追加された状態なはずだ。並の魔導装甲じゃ歯が立たないはずだが、押される勢いを見せていたのはさっきの管みたいなやつのせいか?」
錬「多分そうだと思います…。そして、もう一つこの自分でもわからない装置のようなもの…。レビックさん!これを急いで解析を!俺も手伝いますので!何か嫌な予感がする…」
解析を始めて数十分、瑠衣より通信が入る。
瑠衣『錬さん…貴方と話したいという人物からです…繋ぎますか?』
錬「……分かりました…繋いで下さい」
『信条錬だな?』
錬「レビア…!何か用か…?俺は忙しいんだ!」
レビア『お前に渡したいモノがある!手遅れになる前にな…。信じるも、信じないもお前の勝手だが、今は信じて欲しいと思っている…』
通信から聞こえるレビアの声は落ち着き今までとは何か違うように感じ取れた。
錬「わかった。座標は?」
レビア『今送る』
錬「瑠衣様。今の通信聞いてましたね?レビアを急いで回収したい」
瑠衣『わかりました。座標が送られてき次第向かいます!』
そして、ニエドはレビアを回収するため座標が送られてきた場所へ向かった。
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