魔族編

Another7 邂逅

レビア「どういう事だ…どうしてこうなった!?」



魔族の中でも知将と言われていた彼であったが今は自分が仕込んでいた全ての計画が狂い、エルフの里から必死になって逃げながらつぶやいていた。

計画では、エルフ族の奴らを餌に魔人たちをこの世に解き放ち混沌に誘うという作戦を建て、それを遂行するよう命じられていた。

もう少しでそれが成就するところであったが、突如乱入した人間のガキによってエルフたちにかけていた呪詛召喚の魔法が解除された。

それだけでなく、完全ではないとはいえ現れた多数の魔人達を全部葬り去り、ともに来ていた仲間も全員やられた。

ドワーフとエルフがあのガキに加勢していたとはいえまだ自分が断然優位な状況…。だが、あのガキはあろうことに俺の多重魔法に対応しただけでなくもしもの時にしか使用しないと決めていた奥の手すら全て無に帰した。

だが、魔人達を消滅させた後にそのガキは倒れたのだが、圧倒的に分が悪すぎただけでなく計画を潰されたことを…今後の障害になりかねない者が再び現れたことを仲間に報告するために俺は一瞬のスキを狙って逃げ出した。


少し離れた沖合に念のために仲間の1人を待機させていて正解だったとこの時は思った。

合流した仲間に事の詳細を告げると初めは信じられないような感じではあったようだが、自分の必死さと結界が解かれたのに魔人たちがでてきていないことから話を信じたようだった。


レビア「このままでは済まさんぞ…信条錬!」

「で、どうするんだ?前魔王の息子の捜索は?」

レビア「人手は少なくなったが、そちらは継続して行う…。これだけは失敗できん!それとアスモスへ連絡しろ…ヤツは確か¨日本皇国¨に居たな?例の計画を急いだほうがいいと伝えろ…」



不敵な笑みを浮かべる彼には、日本人である錬へのちょっとした仕返しになるという思いも秘められていた。



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