Anothe6 白羽の歌姫
ライブ会場への魔物の襲来から暫くたったある日。
ライブ会場の騒動、それは私の転換期でもあったのかもしれない。
私の帰還は次の日の大きな見出しとなった、彼の記事と共に。
あの日ハクと共に会場へ戻ったことで注目を浴び、その日を境に私は白羽の歌姫と称されることとなった。
それだけじゃなく、同年代の歌手とも仲良くなれる機会もあった。
それから何度か彼女とデュエットすることとなった。
だけど、その時の一番の収穫は…。
瀬那「最年少の黒き魔法装甲乗りの誕生と帰還した白羽の歌姫か…ふふふっ」
ずっとその日の記事を保管おり、出しては見て私はニヤついていた。
マネージャー「ちょっと!スキャンダルなんてやめて頂戴ね?大事な時なんだから…」
瀬那「ち、違いますよ!そんなんじゃありません!彼はただ、私の恩人なだけで…」
マネージャー「ふぅ…。ま、今のは見なかった事にしておくわ?私も彼には感謝したいし…」
瀬那「えっ?」
マネージャー「今の貴方は前と違って生き生きしてるし、どこか自信なさそうにしてた頃とはステージ上での魅力が違うもの」
瀬那「そう…ですね。彼からのアドバイスの1つでしたから…。マネージャーさん…ううん、詩織さん。私の歌の事彼から聞いたんですよね?」
詩織「そうね…。初めは驚いたけど、確かに調べたら昔の文献にも載ってたし、そういう魔法もあるのではないかっていう論文も近年だされているみたいだからね」
瀬那「だから、私はもう皆に迷惑をかける訳にはいかない!それに今世界情勢も悪くなってくるかもっていう皆の暗い気持ちを少しでも明るくしたいから!」
私がそう笑顔で答えると詩織さんは優しく抱きしめて来る。
私はそれに応えるように抱きしめ返す。
詩織「感謝しなきゃね!そうだ!そういえば今度海外での活動も打診されてるんだけど…」
瀬那「やります!」
詩織「そう言ってくれると思った!」
世界で活躍するその選択をしたことで、私は世界を巻き込む大きなうねりの中に飛び込んで行くことになるとは、この時にはまだ理解できていなかった。
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