ホラー映画が怖くなった理由(実話)(おススメ度★)

これは、小説ではなく実話。


俺はとにかく子供の頃から怖い話が好きだった。

小学生の頃は恐怖漫画にはまってて、本屋でよく立ち読みしていた。

昔は漫画本にビニールがかかっていなくて、読み放題だったと思う。

だから、漫画はほとんど買ったことがないくらいだった。

それでも、お店の人は追い出したりしなかった。


その他は、夏休みに放送される「あなたの知らない世界」という心霊特集がとにかく楽しみで仕方なかった。

視聴者から寄せられたお便りを再現VTRにしたもので、夏休みになるとお昼のワイドナショーの枠で二週間、毎日放送していた。

今よりオカルト番組が人気で、みんなが見ていた時代だ。


その頃、俺は本気で霊の存在を信じていた。


中学生の頃は幻想文学などの小説を読んでいた気がする。


高校の頃からは、レンタルビデオ屋でホラー映画を借りて、メジャーなものはほとんど見た。

大学の時も社会人になってからも色々見た。

ホラー映画は千本どころじゃなく、もっとたくさん見ていたと思う。


霊能者の冝保愛子さんも大好きで、今でもあの人の霊に対する接し方は参考にしている。


霊が一番喜ぶのは、その人のことを思い出して話してあげること。

好きだった食べ物なんかをちょっと置いてあげるとか。

そういうささやかなことでもいいらしい。

当たり前のような感じがするけど、冝保さんの言葉には亡くなった人への愛を感じた。


でも、15年くらい前からホラー映画を見なくなった。


きっかけは全身麻酔の手術をしてから。

その時、手術前に「もう目が覚めないかもしれない」という恐怖を感じていた。

目が覚めなかったら医療事故でまずいんだけど・・・。


麻酔で寝る時って不思議なくらいすぐ意識が飛んで、肩を触られて目が覚めた時にはもう手術が終わっててた。


一瞬くらいの、ごく短い間のような感覚で夢なんか見てなかった。


手術の後から以前に増して暗闇が怖くなってしまった。

一人で家にいても怖い。


夢には白い霧がかかった林の映像が出てきて、あ、これって死後の世界なのかなと思った。

全然、お花畑じゃなかった。

死後の世界はたぶん荒涼とした音のない世界だ。


ホラー映画は作りごとの世界なのに、死の恐怖を感じてからはもう怖くて見れなくなった。


ホラーを娯楽として楽しめるのは、本当の死の恐怖を味わうまで、と思う。

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