第11話 親心

「ただいま~」

「おかえり。祐希ちゃんどうだった?」

「まぁいつも通り? 手かかるね」

「あんた、親みたいなこと言って」

「そんなことより、晩飯はカレー?」

外で嗅いだカレーの匂いがキッチンの方から流れてきて、核心を持って聞くと、

「嫌だった?」

母は少し不安そうに聞く。

「そんなわけ」

これは完全な持論だが、カレーが嫌いな男子高校生はいないだろう。

「よかった」

安心した母の声を聞きながら、僕は手を洗ってダイニングチェアでご飯が出来上がるのを待った。

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