第39話 そんなの無理さ
コーデリアがエリーに、提案への二ホン側の反応を問う。
しかし、エリーはそれに対して苦々しい顔になりながら返す。
「どうも、二ホンは簡単に講和をするつもりはないようです。二ホンの新聞である、『ヨミカイ』新聞をクラート王国経由で手に入れたのましたので、こちらをご覧になっていただければ」
そう言って、エリーはコーデリアへと新聞を差し出す。それをコーデリアはホクホク顔で受け取った。
「お、二ホンにも新聞があるんだ。異国の書物や新聞って新しい発見だらけで面白いから、これは期待大だね♪」
そう言うと、コーデリアは受け取った新聞を広げて一面を読み始める。
(ヨミカイ新聞………ね。今回の会談をどう受け取ったのやら)
そんなことを考えながら、新聞を読み進めていくが………
『自友党内部からも性急だとの批判が出ている』
『連合自体が帝国とかなり関係が深いのではないかという懸念もあり………』
「………あまり乗り気ではない、みたいだね」
「はい。流石にクラート王国を間にして紹介してもらっただけですから。向こうからすれば突然首を突っ込んできた良く分からない第三国、と言ったところでしょう」
「まあ、そんな印象しか持たないよねえ………ボクとしては戦争は嫌なんだけどなあ」
どうしたものか、と考え込む二人。
「ヤーロピアル大陸周辺の平和のためにも何とかして二ホン側を乗り気にしないと………」
「まあ、攻撃された側みたいだからそう簡単にはいかないだろうさ。とりあえず、今は会談に向けて準備をしておいてよ」
「は、はい。分かりました!」
一旦話をそうまとめると、二人は話題を変え、とりとめない雑談をしながら歩いていく。
(帝国はやりすぎだね………こんなことになるなら、先代がカンヴァのうちに潰しておいてくれれば良かったのになあ)
「私、大統領の就任演説にあった『強者も弱者も幸せに生きれる世界にする』って言葉が、凄い好きなんです。いつか、帝国も連合も、列強も小国もみーんな仲良くできる世界になればいいですね♪」
そんな風に、笑顔で話すエリー。
「………ははは、
どこか陰のある笑みで、コーデリアはそう返した。。
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