馴染みの不思議




 馴染みの家の前で声を上げれば騒々しい音を立てながら飛びついてきた。全国各地に足を運び発掘した土へと。脂を下げ頬ずりしながら土を運ぶ馴染みを尻目に土蔵へ向かい、茶碗を梱包して土を運んで来た荷台に載せた。じゃあ。意識は土を運んだ家の中。荷台には目もくれず実にあっさりと別れるのである。






(2022.4.19)


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る