第648話
※今回ちょっと短いです。
バチンッ!
「ぬおっ!?」
目の前が真っ暗になったと思ったら良く分からない映像を見せられ。なんでか一緒に居た師匠がなんやかんやして解放された。そう言えば師匠はこいつの一部を取り込んでるって言ってたな。ファイルデータが重複して入り込めなかった感じか?
「さぁルドきゅん!やってしまいなさい!」
「はい?やるって何を?」
「巨神鎧を使って良いって話よ。」
「もう使って良いんだな?大丈夫なんだな?」
「えぇ、大丈夫よ。それにプレゼントもあるみたいね。」
「プレゼント?」
「使ってみれば解るわよ。」
「そう言えば巨神鎧はスキルコンボだよな?使えるのか?」
「唯のスキルコンボじゃなくてオリジンのスキルコンボよ。大丈夫、使えるわ。」
「やっと思いっきり暴れられるな!<巨神鎧>!!」
身に着けている鎧から光が溢れる。その光が全身を包み込み、光りの粒子がキラキラと天に昇って行く。
やっと使えた巨神鎧で、俺は使いたかった能力を発動した。
「数多を救え!<巨神鎧>!!」
ザードザスに倒された旅人達が総勢何人かは解らない。だが1000人を超える事は無い筈だ。だから俺は死んだ者を対象にHPを1分け与えて復活させる事を選んだ。
俺の体から光の玉がいくつも飛び、アードザスと森の各地に飛んでいく。俺の周辺にも光りの玉が落ちて行く。
光りが、人の形を取って行く。アードザスに入り込んだ光が、人の体を包み込んで飛び出してくる。すでに体が消えてしまった旅人達が、この地に帰って来た。
「回復は任せたぞ!」
「任されましたわ!」
「ルドさんそろそろ抑えきれません!」
俺から弾かれたアードザスを抑えてくれていたクリン達がそろそろ持たないと伝えて来る。
「だったら俺も殴りに参加するだけだ!」
「その前に力を発動させなさい。合言葉は『我が道に続け。』『行く道は極地!』よ。」
「何でそんな事言うのか解らんが、無敵の内に使っとかないとな。『我が道に続け!』『行く道は極地』!“導け巨神鎧”!!」
最後のワードは勝手に口から飛び出した。なぜ導け何て言ったのかは分からない。だけど、体の奥から勝手に出て来た言葉だった。
パンッ!
巨神鎧から再び光りの玉が飛び上がる。その光は、旅人達全員に降り注いだ。その光は、巨神鎧の光りと連動して明暗を繰り返している。
「何これ?力が溢れて来る?」
「一体何をしたんですかルドさん!?」
「これは、温かい・・・・。」
「なんかホッとしますぅ。」
「ホッとしてる場合じゃないんですけどね。」
「ボスが来ますわよ!?」
「サセヌゥ!!」
ガキンッ!
俺達の変化が終る前に元凶となる俺を倒そうとアードザスが飛び掛かって来る。奴の刀が俺を切り裂こうとするが、無敵状態の俺にはその攻撃は通用しなかった。
「残念だったなぁ!5分間の無敵状態中だよ!」
「ソノチカラヲヨコセェ!」
「誰がやるかバァーカ!」
がむしゃらに刀を振るって来るが。その攻撃は全て巨神鎧の光りに弾かれる。そして、最後に強い光りを放った時に、その衝撃を受けてアードザスが吹き飛んで行った。
「グゥ!!」
島中が光りに包まれている。その光が収まると、旅人達の姿が変わっていた。
「えっと、これなんですか?」
道着の様服に羽衣を纏ったリダが居た。
「えっと、何でこんな豪華な鎧に?」
背中に後光の様な光を表現した輪を背負った、全身が黄金の鎧を身に纏ったクリンが居た。
「私は地味な方ですわね。」
頭に天使の輪を持ち、手には慎重よりも大きな錫杖を持った。金糸で神秘的な模様が書かれたローブを着たルゼダが居た。
「これ完全にロボやん!?」
黒鉄の巨人を身に纏い、背中に金槌や鋸、ミノやヤットコを背負ったルリが居た。
「私なんで兎なの?」
黒いうさ耳を生やし、モフモフの鎧に身を包んで人参の形に変化した武器を持ったベニが居た。
「あら、私はこうなったのね。」
大きなヤギの角を生やし、背中には大きな筆を背負って画家の様なエプロンを身に着けたイルセアが居た。
「おぉっ!私もメインキャストになれたのですね!最後の魔王に立ち向かう勇者一行の仲間になれたのですね!」
迷彩色の軍服に身を包み、大きなリュックとライフルを身に着けたタンケが居た。
「私殆ど変化が無いですよ?」
モッフル動物園と書かれた帽子を被り、ポケットの沢山付いたツナギを来て赤いバケツを持ったモッフルが居た。
「私大きくなったよパパ!これからパパの事一杯お手伝いするね!」
高校生くらいに成長し、大きな翼を4枚持つシアが居た。
「お父さん!私も手伝いするからね!」
同じく高校生くらいに成長し、喋れるようになったアイギスが居た。
「私もまだまだ現役で行けるわね。」
妖艶さが増し、背中から翼ではなく無数の蔓を生やしたシーラが居た。
「あら、私も強化されたのね。まぁ種は帰したから当たり前なのかしら?」
両手に小型の盾が付いた籠手を装備し、要塞の様な鎧を身に着けたシチート師匠が居た。
光りを受け取った旅人達も、姿が変化しどこか神々しい姿に変わっていた。その光景をみて、黒い巨人になっているアードザスが狼狽える。
「なぁ師匠?これってどうなってるんだ?」
「そんなの決まってるじゃない。皆で神様になったのよ。それぞれが得意な事を象徴する神様にね。それがあなたの鎧の力なのよ。あなた自身も変わってるわよ?」
師匠のそう言われて自分の姿を確認すると、身に着けていた鎧が懐かしい物に変わっていた。白熊の兜に、ファーの付いた皮鎧。そして、白熊の顔が描かれた巨大な盾。
「お帰りなさい、巨双盾神様。今度は皆で世界を守りましょう?」
師匠はそう言ってほほ笑んだ。
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