第354話

さて、お隣のモフモフ倶楽部を攻める方法は色々と考えてある。その前にシアにウィンドルに潜入して貰わなければならない。と言ってもその方法は簡単で、マロに送って貰ってとある所から船内に潜入するという単純明快な物だけど。


シアに持たせる魔道具の案はすでにジョーゴに伝えてある。ジョーゴからもひな型は出来てるから、後は調整するだけだと聞いている。さすがジョゴえモン、便利だなぁ~。


「人の事を道具箱を見る目で見るの止めてくれない?はいこれ、出来たよ。」

「おっサンキューな。という事で先にシアを送って来る。頼むぞマロ。」

「きゅーっ!!」

「いってきま~す!」

「気を付けて行って来るんですよ~。」

「ケガする前に帰って来るんですわよ。」

「危なくなったらすぐに逃げておいで。」

「(`・ω・´)ゞ」

「気を付けるんやで~。」

「シアちゃん頑張って!!」

「彼の道具は迷わず使うんですよ~。」


ドルルンッ!!


皆に見送られながら俺達は上空をずっと飛んでいるウィンドルに向かって上昇していく。さてと、接近したら確実に攻撃が飛んでくるだろう。そこは前もって守護者の鎧と陽動を発動してダメージを軽減、一瞬でも船体の影に入れればこっちの物だ。そううまくは行かないだろうが、札を回収する為、ましてやシアの安全の為にバレない様にやらないとな。


なぁ~んて考えてたが、どうやらアイン達は上空に上がって来る奴なんて居ないと高を括って休憩中みたいだな。全然攻撃飛んでこねぇわ。レーダー監視してる奴は何やってるんだ?せっかくシアが強化したのにこれじゃ意味ないだろ!!まぁおかげで簡単に近づけて、シアを送りこめたんだけどな?


ってか前にマロの事を見ているはずなのに忘れたのか?それとも監視役が1人しかいなくて居眠りでもしてるのかね?


「んごっ!!むにゃむにゃ・・・。たいひょうらめでふぜ・・・。そいつからはろうほうしぼりつくはないと・・・・。」


ウィンドルのブリッジではまさに今、居眠りをぶっこいているレーダー係りの姿が在るのだった。


まっ、そんな事無いよな。運が良かっただけだろう。さてと、シアにはジョーゴから貰った道具を渡してるし。後は無事に帰って来る事を祈るだけだな。頑張れシア!!


ウィンドルに潜入したシアサイド


こちらシア!今飛行船の中に居るの!!さっきパパに送って貰ったんだぁ。シアの任務はね?この飛行船の中からお札を探す事なんだよ?だからジョーロさん?だっけ?に探し物が出来る時計を貰ったの!!魔力で針を作ってるんだって、不思議だねぇ?


今は隠れながらお船の中を移動してまーす!!どうやってか気になるでしょー?それはね!じゃじゃーん!<擬態>スキルを使って綿毛になって飛んでまーす!!タンポポって知ってる?その種って空を飛ぶためにフワフワの綿毛をくっつけて飛ぶんだよ?だから真似したの!!


パパがとっても小さいから見られても気にされないし、種になったら魔力反応が消えてるから大丈夫って言ってたよ!


だからマロに乗せて貰って吸気口って所から中に入ってフワフワ飛んでまーす。今は入って来た場所から船の中に来た所だよ!目的地はー・・・あっちだ!!


「あー、宝探し疲れるなぁ。」

「嘘つけ、お前ずっと船に居るだろうが。」


わっわっわっ!!だれか来ちゃった!?早く逃げないと見つかっちゃう!!でもこの状態だと早く動けないぃ~・・・。


「おん?あー、又ゴミが入って来てるな。」

「換気用のダクト、そろそろフィルター付けないと駄目なんじゃないか?この前何ていつの間にか鳥が巣を作ってたぞ?その鳥を追い出すのに3人死に戻りしたってさ。」

「まじかよ。どこのボスが入り込んでたんだか・・・・。整備班もきちんと仕事しろよなぁ。」

「しょうがねぇよ。飛行船の規格に在ったパーツ何て今の所自作するしか無いんだから。」

「はぁ・・・。それじゃあ開発班にフィルター作るように言っとくか。しっかしこの種子も可哀そうだよなぁ。地面じゃなくてこんな場所に入り込んじまってよ。」

「案外鉄板の隙間とかに入り込んで発芽するかもな。その時は鉢植えにでも移してやろうぜ。」

「外に出してやろうって気持ちはねぇのかよ。優しくねぇなぁ。」

「そりゃお前もだろうがよ。」

「まぁな、それじゃ頑張れよー。芽が出たら部屋に飾ってやるからな。」

「植物に言っても解らねぇよ。」

「ちげぇねぇ。」


ふぅ。パパの言ってた通りバレなかった!!見つかっちゃったらジョーロさんの道具を使いなさいって言われてたけど、そうしたらお札が手に入らなくなっちゃう。パパのお使いは絶対成功させたいから頑張らなくちゃ!!


でもこのままだと見つかっちゃうかもだから、方向も解ったし入って来た時の穴に隠れちゃお。それー!!


おー!やっぱり風が凄いよここ!細い管の中を風がビュービュー動いてる!体がどんどん運ばれて行ってちょっと楽しい!!わぁーい!!


30分後・・・・。


・・・はっ!!ぐるぐる回るのが楽しくてずっと遊んじゃった!!早くお札探さないとパパたちが待ってる!!えっと、えっと、お札の場所は・・・・。ありゃ?針が下を指してる。やった!いつの間にかお札の場所まで来てたよ!!


まずは<擬態>を解除して・・・、音を立てない様にそーっとそーっと・・・。穴があるからそこから下を覗いちゃおう。う~ん、白い靄でちゃんと見えない・・・。えいっ<精霊の目>!!


「ふんふんふーん♪」


あっ!下に居るのはアインさんだ!!うーん?なんでアインさん裸なの?あっ解った!!あの人水分補給してるんだ!!シアもたまにパパにお水掛けて貰うんだぁ。とっても気持ち良いんだよ?


でもあの人アイギスと一緒で機械じゃなかったかなぁ?パパは機械にお水はあんまり良くないって言ってたけど・・・・。もしかして?裸だしシチートお姉さんと一緒で変態さんなの?変態さんは捕まえるか遠ざけないといけないんだよ?


「ふんふふ~ん♪」


アインさんが変態さんだった事にはビックリだけど、先にパパから言われた事をしちゃわないと!!えっとお札、お札はどこ~・・・。在った!!服の所にお札が置いてある!!あれを持って帰ったらパパに褒めて貰えるね!!


本当は泥棒はいけない事だけど・・・・。お札の代わりに置いて来てねって言われた物と交換だから許してね?大丈夫!お札より価値が在るってパパが言ってたから!


バレない様に慎重に・・・、ゆっくりゆっくり蔓を伸ばして・・・・・。もうちょっと・・・。あとちょっと・・・・取れた!!


「ん?誰か居るのか?」

「んにゅっ!?」ガンッ!!

「覗きか!!」


見つかっちゃった!!急いで脱出しないと!!お札の代わりの物を置いてから・・・ジョーロさんから貰った脱出装置のスイッチをポチっとな!逃~げろ~♪


「誰か!!誰か居ないか!!緊急事態だ!!」


換気ダクトの中からシアの姿が消えた後、アインは体にバスタオルを巻きながら人を呼んでいた。


「どうされました御主人様?・・・・・。ご主人様、差し出がましい事を言いますが、このような物は人の目に着かない所に保管して、1人きりの時に使用して下さい。確かに私が警護をしていますが、突然襲撃された時人に見られたらどうするおつもりですか?」

「何を言っているキニス?今そこにその襲撃者が・・・・。待て、お前は何を持っている?その手に持っている物は一体なんだ?」

「ご主人様の着替えと一緒に置かれていた、ピンクの卵の形をした物体デスガ?まったく、緊急だと思って急いで中に入ってみればこのような物を・・・・。で何ですか?電池でも切れましたか?体が疼く緊急事態ですか?後始末はちゃんとして下さいね?あっ私は手を貸しませんので。」

「断じてそれは私の物では無い!!だから違う、違うんだ。だからそんな目で見ないでくれぇ・・・・・。」


ウィンドルに潜入したシアはお札を回収。交換用の品として見た目が完全にピンク〇―ターな物を残し、アインに風評被害を齎しながらジョーゴが作った短距離転移装置(使い捨て)を使って船を脱出した。


「マッサージ機って言ってたから喜んでくれたかな?」


船を脱出して、又たんぽぽの綿毛に変化したシアはフワフワと地上に降りながら置いて来た物を喜んでくれたかを考える。その物体がまさかアインに精神的にダメージを与えているとは知らずに・・・・。


なおジョーゴが開発した携帯マッサージ機(肩こり用)は、知識の在る人から見れば完全に如何わしい品だったのは偶然であり。キニスがそれらに関する知識を知っているのは単純に主人の居る世界の情報を少しでも集めようとした結果、男性の旅人からそういう物が在ると聞いた直後だった為である。これはまさに運命のいたずらと言えよう。


「はいはい、ご主人の趣味にはもう口を挟みません。ですが早く結婚してそのような物に頼らなくても良いようにしてください。」

「だから違うんだキニス~!」


この誤解はイベントが終り、再度ルド達と会うまで続いたという・・・・・。


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

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