第310話

はい、今日も今日とて修行に明け暮れているルド君ですよー。えっ何?お前修行しかしてないじゃないかって?仰る通りです・・・・。


でもね?修行を止めて皆で遊ぼうとするとね?こんな表記が出るんだよ。


『流派の修行が途中です。修行が一定以上終了していない場合、流派スキルは習得できなくなりますがよろしいですか?』YES/NO


はい、と言う事でね。修行を途中で止めると流派スキルは覚えられないみたいなんですわぁ~。いやぁ参ったね。アインの手伝いした時はどうなんだって?あれは師匠の命令で参加した修行の一環と見なされてるからセーフ。イベントも特別扱いだったからセーフ!!


まぁ他の皆も似たような状態だったからずっと修行してたわけよ。まぁそれもやっと一段落したんですけどね!!


「よくやったわルドきゅん!!これで修行の“1段階目”は終了よ!!」

「これで1段階目とか・・・・。きつー。」


絵本イベントの後も修行に明け暮れ早リアル2日、やっと師匠の行っていたスキルを覚えたのだ!!


<身体硬化>消費HP10~100

生命力を使い体を強化する。受けるダメージを消費HP分無効化する。効果時間3分


<盾強化>消費MP10

盾を強化してダメージカット能力を高める。ダメージ-10ポイント


ぬっはっはっは!!3分間無敵とも呼べる力を手に入れたぞ!!ついでにリダから教えて貰った盾強化も覚えた!!これで俺の硬さはかなり上がるぞ!!


・・・・うん、3分間だけなんだ。体力の分配をちゃんと考えないと3分後にすぐ死ぬ事になるんだ。テンション上げてたらこってりと師匠に怒られた・・・・。


「あとは被ダメージ減少スキルが欲しいなぁ。」

「ふんっ!!」

「あいたーっ!?突然何するんだよ師匠!!」


欲しいスキルを呟いてたら突然シチート師匠が手に持っていた100tって書いてあるハンマーで俺の後頭部をぶん殴って来た!!普通だったら死んでるよねそれ!?身体硬化を使って遊んでたから無事だったけどさ!!


「はい、これで覚えたでしょ?」

「へっ?」


<被ダメージ減少>スキルを覚えた。


<被ダメージ減少>

受けるダメージの量を減らす。ダメージ-15ポイント。


「マジか。」

「あとちょっとだったから覚えさせて上げたのよ。私が理由も無くルドきゅんを殴るはずが無いでしょう?だからお礼くらい欲しいわねぇ~。」

「ありがとう師匠!!」

「言葉だけじゃなくてここに物理的に贈り物を「はーいそこまでー、シチートお姉ちゃん駄目だよー。」「(((uдu*)ゥンゥン」ちぃっ!」


下腹部を撫でながら俺に詰め寄ろうとした師匠がシアとアイギスに止められた。うん、いつもありがとな2人共。この人攻撃力が無いと止まらないんだもん・・・。


「それで?この次の修行は何をするんだ?」

「しばらくは覚えたスキルの熟練度を上げてスキルを1回進化させるのよ。身体硬化が進化したら、次の修行に移るわね。」

「熟練度上げか。元徳スキルは可視化されたけど、他のはされてないんだよなぁ。」

「人や種族、使う装備によって熟練度の上限が変わるもの。神様も見えるようにするの面倒臭いんじゃないかしら?」


若干メタ発現っぽいがALO2ではリアルタイムでちょこちょこ変更が在ったり、アップデートされたりしてるもんなぁ。内部数値なんかも細かく変動してるんだろうし、見えるようにするのも一苦労か。


「じゃしばらくは自由行動だな。」

「そうね、しばらくはここで2人の新婚生活が「させませんっ!!」泥棒猫!!いつの間に入って来たのよ!!すぐに出て行きなさい!!」

「嫌です!!」

「おうリダ、久しぶり。」

「お久しぶりですルドさん!!今日はお誘いに来ました!!」


道場の中に飛び込んで来たリダが師匠と掴み合いをしながら俺に笑顔を向けて来る。うん、額に血管が浮いてなかったら可愛い笑顔だと思うぞ?


「それでお誘いって何かあったか?」

「今度のイベントに参加する為にクランを作りましょう!!」


あー、そう言えば在ったなぁ。この前の魔物暴走イベントの後、すぐに次のイベント告知が在った。それはクラン対抗戦の案内。現状あまりクランを作る事にメリットの無いALO2、そこにクランを作らないと参加出来ないイベントをぶち込む事で旅人達に徒党を組めと言ってるんだよなぁ。もしかしてこの後の事にも何か在るのかね?


「魔物暴走の時に一定数クランは増えたけど、あまりクラン活動関係なかったもんなぁ。」

「ですです。全員で物語を導く形でしたから。」

「でも俺達でクラン作れるのか?4人しかいないぞ?」

「クラン設立には6人いれば良いんです。だから後2人、勧誘しに行きましょう!!今広場では勧誘合戦が起こってますよ!!」


ふむ、初心者捕まえて人数だけは揃えようって事か。うーん、でもあんまり乗り気になれないんだよなぁ・・・・。


「ちなみに、クラン対抗戦の優勝賞品は庭付き一戸建てのクランハウスですよ。調理場もお風呂も付いてます。生産活動するのに持ってこいの物件でしたよ?」

「よしすぐに申し込みに行くぞ!!」

「パパ待ってよー。」

「(;・д・)ノ 」

「ルドさん切り替え速すぎです!!」

「そんな家貰わなくても家にずっと居れば良いじゃないの!!もう!!」


師匠が後ろで何か言ってるが知らん!!俺は自分の城が欲しいんだよ!!道場じゃ好きに調理場改造出来ないし料理もしにくかったからな。理想のキッチンが俺を待っている!!


「それで、残りの2人はどうしますの?」

「うーん、そこら辺で拾えないかな?」

「そんな子猫じゃあるまいし・・・。」

「そんな簡単じゃないと思うよパパ?」

「(((uдu*)ゥンゥン」


クリン達にも連絡して2人と合流、とりあえず広場に向かっているんだが・・・・。うん、遠くからその喧騒は聞こえていたが何だこの地獄絵図。


「はぁ・・・はぁ・・・。ねぇ君、クランに入らない?一杯いい事在るよ?可愛い子も居るよ?」

「やだやだやだ!!入ってくれないとやだー!!」

「今ならクランに入ってくれると装備支給!!回復アイテム無料!!これはもう入るしか無いね!!」

「クランに興味のある方は居ませんかー!!今ならお友達1人紹介で1万マネさしあげまーす!!」

「君、クランに興味ないかい!!僕達と一緒に最強を目指そう!!」

「うちのクランはホワイトです!!自由時間の補償と給与支給!!ドロップアイテムの分配もあります!!」


広場に降り立つ、もしくは広場に来たクラン無所属の人にこんな風に声を掛ける旅人が沢山いた。クランに入った時のメリットを声高々似叫ぶ人や、ダダを捏ねる人、怪しい商売の様な事をする人まで様々だ。皆必死だなぁ。


「必死過ぎますわ・・・・。」

「はぐれない様に気を付けましょう。1人になったら連れてかれるかもしれません。」

「この中からクランに所属してくれる人を探すのは無理では?」

「だなぁ。カオスすぎる。」

「ちょっと怖いよパパ・・・。」

「(((((((( ;゚Д゚))))))))ガクガクブルブルガタガタブルブル」


全員の目がバッキバキな上に血走ってるから余計に怖さと必死さを醸し出してるなぁ。俺達?周りに転がってる死体(死んで無い)を見て勧誘は止まったよ。皆容赦無いんだから・・・・。


「これからどうします?」

「とりあえず広場から離れませんか?」

「賛成ですわ。ここに居たらまた鬱陶しいのが纏わりついて来ますもの。」

「そうだな、そうする・・・ん?」


巨人である俺の身長は他の人よりも頭5つ分くらい高い。だからこそ気が付いてしまった。ピンクの髪の女の子が黒づくめの旅人に抱えられ路地裏に連れて行かれる現場を、そしてそれを追い掛ける青い髪の女の子の姿にも。


「すまん、たぶん事件だ。」

「守備隊に連絡は?」

「頼む。誘拐で報告してくれ。」

「了解。」

「すぐに動きますか?」

「最悪GMコールすれば良いんだが・・・。あの様子を見るに初心者っぽいんだよなぁ。」

「スクショは撮りませんでしたの?」

「気が付いたら路地裏に入る所だったんだよ。あの一瞬じゃ撮れん。」

「ならすぐ行きましょう!!困ってる人は放っておけません!!」

「パパ行こう!!」

「(* ̄0 ̄)/ 」


俺達は黒づくめの旅人を追ってすぐに路地裏に入った。通報してる分遅れたが追いつけるかね?


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

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