それぞれの修行編

第282話

ロッグイーーーーーン!!さぁ今回こそは流派スキルを覚ええるぞ!!


「ルド様、シチートさんの道場の準備が整いました。すぐに向かわれても大丈夫でございます。」

「ファランさんか、連絡ありがとうな。早速行ってみるよ。」

「レッツゴー!!」

「(* ̄0 ̄)/ オゥッ!!」


部屋から出た所でファランさんから道場の準備が終ったと連絡を受け取った。早く流派スキルを覚えてイベントに備えたかったから丁度いい。早速向かうとするか。


マップに表示されている道場に到着すると、その様相は前に見た時と大分様変わりしていた。


金で彩られた門は木材で作られた趣のある茶色い門に変わり。建物の周りは白い漆喰の壁で覆われていた。掲げられていた流派の看板は今は無く、ただそこには2つの盾の紋章が掲げられているだけだ。


門を潜り中に入ると、まず目に飛び込んで来たのは広い庭だった。庭は転倒しても大丈夫な様にか背の低い雑草が植えられていて、まるで芝生のようになっている。その奥には平屋の一軒家が建っていて、その横には一軒家よりも広い土地を使って大きな道場が建てられていた。うん、これ建物から何から全部変わってるぞ?これが10万マネで出来たの?嘘でしょ?リフォームってレベルじゃないぞ?


「パパ?入らないの?」

「(´・ω・`)?」

「えっ!?あっそうだな、師匠は道場の方かな?」


余りの変わりように驚いているとシア達が中に入らないのかと服を引っ張った。ぼうっとしてる場合じゃないな。よく見ると道場の窓が開いている。その中で動く人影が見えるからそこに師匠は居るんだろう。まずはそっちに行ってみるか。


「師匠来たぞー。」

「シチート姉さんシアも来たよー。」

「ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ」

「いらっしゃーい。」


俺が道場の扉を開けると、そこには箒を持って床掃除をしている師匠の姿が。割烹着とかどこから持って来たんですかね?ぴっちりした服とは違ってこうなんというか母性と言うか、落ち着いた雰囲気と言うか・・・・。うん、こっちの方が好きだなぁ。本人には言わんけど。


「もうちょっとまって頂戴ね。掃除終わらせちゃうから。」

「掃除なら手伝うぞ師匠。そんでもって早く流派を教えてくれ。」

「ふふふ、そんなに焦らないの。ちゃんとじっくり教えてあげるから♡」

「はいはい、さっさと掃除を終わらせるぞ。」

「あん♡ルドきゅんのケチ♡」

「・・・・アイギス。今のはアウト?セーフ?」

「(-ω-;) ⊂(^ω^)⊃ 」


掃除を手伝う為に道場に上がったら、いつの間にか俺の胸にしな垂れ掛かって胸を指で突く師匠。大罪スキルと元徳スキルの影響で体力削られてるはずなのにこの人は変わらんなぁ。


まぁそんな師匠は放っておいて流派スキルを早く覚えたかった俺はさっさと掃除を始めた。なんか後ろでシアとアイギスがやり取りをしていたが何を話し合ってたんだろうか?


「うっし終わり!!さぁ修行してくれ師匠!!」

「もう、せっかちさんなんだからぁ。まぁ仕方ないわね。じゃあまずやって貰いたいことが在ります。」

「なんだ?なんでもやるぞ?」

「安全の為に布団を敷いてくれる?」

「ほい敷いたぞ。」

「クッション性が在るかどうか確かめる為に横になって。」

「こうか?」

「そしたら、いったっだっきまーーーーーーす!!」

「はいアウトー。パパも素直に言う事聞いてたら駄目だよ?」

「( ・_<)┏━ バキューン」

「ぐべぇっ!?」


気持ちが逸り過ぎて師匠の言う事を全部鵜呑みにしちゃってたわ。布団を敷く所からおかしいなぁ?とは思ってたんだぞ?ほんとだぞ?でもそれで流派スキルが覚えられるならって感じでな?はい、ごめんなさい。以後気を付けます。アイギスもありがとな。飛び掛かって来た師匠を止めてくれて。


「いててて、まぁこれは冗談よ。師弟のちょっとしたスキンシップよ。」

「言い訳にしては苦しいと思うよシチート姉さん?」

「それで?本当の修行はどうしたら良いんだ師匠?」

「はい、では発表します!!まずルドきゅんにはぁ~?」

「俺には?」

「私からの攻撃を受け続けて貰いまーす。」


うん?それって俺がずっとやって来たことだぞ?それを今更やれって事か?なんの為に?


「あっ今ルドきゅんいつもやってるのに何で今更?って思ったでしょ?ブッブー!!残念でしたぁ~。いつもと違う方法で攻撃を受けて貰いまーす!!」


いつもと違う方法?変化を付けるとしたらパリィとかシールドバッシュか?それぐらいなら・・・・ALO2になってやってないなそう言えば。


「パリィもシールドバッシュもやって貰うけど、今回はそうじゃないのよ。ルドきゅんには生命力、HPが減る感覚を覚えて欲しいの。」


HPが減る感覚?そんなのはHP表示を見れば・・・・・。師匠の行ってる事はどうやらそう言う事じゃないらしいな。


「旅人が特別な方法で自分の生命力を管理しているのは知ってるわ。でも私が言ってるのは“その体の”生命力が減る感覚を覚えて欲しいのよ。」

「つまり?」

「死ぬ直前まで追い込むから覚悟してね♡」


そこから先は地獄だった。もうね、これ何て拷問?って内容の修行だった。それは盾を捨てて、生身で一切の防御行動をとらずに攻撃を受けるという物。ねっ?拷問でしょ?


「ほーらほらほらほら!!防御姿勢を取っちゃ駄目よーー!」

「ぐっ!?」


爪による攻撃。

<爪使い><爪撃><悪魔の肉体><魔眼>発動。

クリティカルヒット!!首に致命ダメージ!!ダメージ3倍!!

ダメージ60ポイント 状態異常(麻痺)の付与。


ルドの防御

ルドは防御を放棄した。

ダメージ60ポイント


爪による攻撃。

<爪使い><爪撃><悪魔の肉体><魔眼>発動。

クリティカルヒット!!首に致命ダメージ!!ダメージ3倍!!

ダメージ60ポイント 状態異常(麻痺)の付与。


ルドの防御

ルドは防御を放棄した。

ダメージ60ポイント


爪による攻撃。

<爪使い><爪撃><悪魔の肉体><魔眼>発動。

クリティカルヒット!!首に致命ダメージ!!ダメージ3倍!!

ダメージ60ポイント 状態異常(麻痺)の付与。


ルドの防御

ルドは防御を放棄した。

ダメージ60ポイント


シチートの攻撃

爪による攻撃。

<真空刃>のスキル発動。

ルドにダメージ10ポイント。


ルドの防御

ルドは防御を放棄した。

ダメージ10ポイント


俺のHPはアクセサリーを外せば今200在る。師匠の攻撃3回と手加減の1撃でHPが10残る計算だ。そしてHPが10になると自己回復でHPが満タンになるまで休憩する。


少しでも防御姿勢を取ろうとすると万想の鎧が勝手に発動したり、純潔が発動する為にHP管理が大変だ。攻撃を受ける時は体に力を入れずに全て受け入れないといけない。これもまた大変なんだよ・・・。


「減った体力が戻る感覚を覚えるの。体の中で増えていく物を感じ取って!!」

「・・・・・・。」


師匠にそう言われて体の中で増える物を感じ取ろうとするけど・・・・。なんも解らん!!そもそもHPってなんだ?ゲームで良く使われてる値だけどスタミナの体力とは別だし、無くなると死ぬって事は生命力?生命力を感じ取るって何だ?普通に生活している人には生命力を感じ取るなんて至難の業だぞ!?


「残念時間切れ。体力が満タンになったみたいだからもう一回攻撃するわね?」

「・・・・お願いします。」

「安心して、動けなくなったら責任もって看病してあげるから♡」

「その時はシア。頼んだぞ?」

「うん!!アイギスと協力してパパを霊廟迄運ぶね!!」

「( ´∀`)bグッ!」

「そんなぁ~・・・・。」


師匠に俺の体を任せたら何されるか分かったもんじゃないからな。ここはシア達に任せるのが得策だ。動けなくなるって何と思った諸君!!EEDの異常検知システムに引っ掛かって強制ログアウトになる危険性がこの修行には在るんだよ。


一方的に殴られて、調整されているとはいえきちんと痛みを感じるこのゲームで長い事攻撃に晒されると精神に異常が発生する可能性があるからな。強制ログアウト後の体の処遇を話している訳だ。


しかしこんな修行ALOの時には無かったよな?新しい技も教えるって言ってたしその事に関係在るのか?


「さぁどんどん行くわよぉ~♡」

「よし来い!!」


あー、これはしばらくリダ達とは冒険できない奴だな。この間に3人にもそれぞれ好きな事をしていてもらおう。俺の修行が終ったら後でスキル獲得を手伝うとするかな。


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

This work will be sent to you by kotosuke5, who is Japanese. Unauthorized reproduction prohibited 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る