『Another Life Online2』
リスタート!!
第236話
ALOの事件から1年が経った。リダ達とは他のゲームで一緒に遊んだり、リアルで会ったりと交流を続けている。
リダとはたまに二人っきりで出かける事もあった。どうもあの事件がトラウマで、人の多い所は1人では不安だからとボディガードとして頼りにされているみたいだ。食事のレシピや運動習慣にまで口を出されているが、ボディガードとしての力を付けて欲しいと言われてなぜかやっている。他の男にも早く慣れて欲しいが、俺の他にクリンぐらいしか慣れている人はいないので必然的に俺が付き合っている現状だ。
クリンとルゼダは今も仲睦まじく過ごしている。一度大喧嘩をして別れると大騒ぎになったが。クリンの甘い台詞で一発で仲直りして、両親公認の交際を続けている。まさにリア充だな、祝ってやった!!
俺はと言えば、出した書籍がそこそこの人気で生活に困らない収入が入って来た。ALOから公認もして貰い、あの事件の事も書いて良いと了承を得て続きを書く毎日だ。
ピロン♪
そんな日々の中、俺の情報端末に待望の知らせが届いた。それは、ALOの続編となるゲームの発売日決定と、専用ハードとゲームソフトを送るという通知だった。
「やっとか。1年だったら早い方かね?」
大体ゲームの続編と言えば3~4年待たされるものだ。それが1年で出るのだからセカンドライフ社はかなり頑張ったんだろう。
ALOの続きを今ここに。貴方の人生の物語をもう一度。
という謳い文句が端末に表示されている。他の情報としては一番にセキュリティの大幅強化により専用回線を用意、専用の端末からしか接続できない様にして外部接続を完全に遮断したと書いてある。セキュリティ強化の為に端末を介した外部とのメールのやり取りは出来なくなった様だ。ただ、端末に通知が来たかどうかを知らせる機能は残しているらしい。
ゲームの管理体制も管理AIを増設して2基体制にしているそうだ。うん、俺は小説の公認認定を貰いに行った時に聞いたけど、あの事件を起こしたAIをセカンドライフ社が引き取ったんだって。それって母神と父神だよな?今度は大丈夫なのかねぇ。
後は世界が広がった。今までもかなり広かった世界が、無限とも呼べる程に広がりずっと冒険していられるという。ALOで解放されていたマップは、全てが1つの大陸に収まり1つの国になって存在しているみたいだ。そうなった歴史を調べるかどうかも旅人の判断に任されてる。
そして大きく変わったのはレベルシステムの廃止だ。レベルとステータスが無くなり、どんなスキルを取るかでプレイスタイルを自由に選べるように変わった。スキルにもレベルが付いておらず、スキルとスキルの融合で強化していく形になるみたいだ。
友魔システムと結婚システムはそのまま、空中都市もプレイヤーがスタート地点として選べる場所になっていた。
他にも細かい修正や注意事項が増えていたけども、それはプレイしながら確認して行けば良いだろう。そんな事よりまたあの世界に行けると思うと今からワクワクしてしょうがない!!
俺はすぐに皆に連絡を取り遊ぶ日付を決める。もちろん遊ぶのは発売日当日、サービス開始直後だ!!それまで小説作業を終わらせて休みをもぎ取らねば!!うぉぉぉぉぉぉっ!!やるぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!
発売日当日
「お兄ちゃんはやくはやくー!!」
「待てって水穂、焦ったってまだ届いてないぞ!!」
真夏の日差しの中マンションの外の道路を仲の良さそうな兄妹が駆け抜けていく。
「夏休みだもんなぁ。それにあの子たちも交換を選んだのか。タフだねぇ。」
元気な子供達の声を聴いて俺はそう独り言を呟きながら。部屋で端末を使ってニュースを見ていた。
あの完全没入型MMORPG『Another Life Online』が『Another Life Online2』となって戻って来た!!
世界待望のフルダイブを可能としたVRMMOが超進化!!吹き荒れる嵐、舞い散る草花、流れ落ちる滝、溢れる血しぶきに滾る汗。もうほぼ現実という完成度を持った剣と魔法のファンタジー世界で『もう一つの人生』を又自由に冒険しよう!!
端末を読みながらも俺の顔は笑顔が止まらない。なぜなら『Another Life Online2』が今日届くからだ!!
今回の正式版もまずは国内先行発売から始まる。販売台数は5000万台。前回よりも多いけど、それでも購入を望む全ての人には行き渡らない。発売日に買えなかった、もしくは返金を望み交換しなかった人達の阿鼻叫喚な叫びが書きこまれるSNSをしり目に、俺は悠々とALO2をプレイするのだ!!
懲りずに転売して賠償を求められたというネットニュースを見ながら、俺はゲームの到着を部屋をウロウロしながら待つ。すると待望の時間が訪れた!!
ピンポーン!!
きたっ!! ドタドタドタッ!!
「相良急便でーす!!海堂さーん!!配達に伺いましたー!!」
「はーい!」
配達員から小さな荷物を受け取り部屋に戻る。以前よりも小さな箱に、本当にゲーム機が入っているのか?と心配になりながらも早速箱を開けた。そこには首に嵌める小さなチョーカーがぽつんと入っているだけだった。
「これが新しいALO2専用端末かぁ。だいぶ小さいな・・・・。えぇっと説明書はっと。」
『この度は弊社の『Another Life Online2』をご購入いただきありがとうございます!!』
前にも見たような文面から始まる説明書にはこれまた見たような注意が書かれていた。
健康被害を受けないよう1回のログイン時間は4時間まで(ゲーム内で24時間)と決まっています。ゲームの中の世界は現実の6倍の時間が流れていますのでご注意ください。
4時間を超えてのログインは出来ません。ログイン時間を超えそうな場合はアラートにてお知らせいたします。それでもログアウトされない場合は強制ログアウトとなります。ログアウトされた場合は最低でも1時間はログイン不可となります。
意識をゲームの中に全て移す為、現実で異常が起こっても咄嗟に察知できない事が考えらます。その為、ゲーム機による身体情報のモニターが行われています。体の異常を検知したら即座にログアウト処理がされる様になっています。
端末に異常がある場合は、その異常がサポートセンターに自動的に送信され、端末に連絡が入るようになっております。EEDが起動しないもしくはゲームが起動しない場合は端末を確認する事をお勧めします。
チョーカーにはあらかじめ端末情報を登録してありますので、メールが来た時に通知するかどうかの設定をお願いいたします。ゲーム内でメールの確認は出来ない仕様になっておりますが、通知だけなら届きます。
以上の事に十分注意して存分に『Another Life Online2』を楽しんでください!!
※ゲームについての詳しい説明はゲーム内ヘルプをご参照下さい。
と最後に締めくくられていた。俺は早速ゲームを起動する為に首にチョーカーを嵌めてベッドで横になる。戸締りなんかは事前に終わらして抜かりはない!
チョーカーの名称は変わらずEED(電子世界体験機器『Electronic world Experience Device』の頭文字を取っているらしい)と呼ぶそうだ。名称変更も考えられていたそうだけど、結局はそのままになった。
俺は早速ゲームを遊ぶためにチョーカーに付いているスイッチを入れる。前のEEDの様に体のスキャンは無いみたいだけど、それでもしばらく首からチキチキと音がしていた。
『これよりEEDを起動します。使用者の意識を電脳空間に送りますので、リラックスしてお待ちください。』
「うおっ!!喋った!!」
チョーカーから音声が流れだして驚いた。まぁ前の様にバイザーが無いからいつ始まるか分からないもんな。でも説明書に書いておいて欲しかった・・・。心臓がバクバク言ってるよ。
『EED状態チェック・・・・異常なし。使用者の状況・・・異常なし。電送開始。』
「おっ!おっ!!おぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?」
俺に視界はいつの間にか部屋の天井ではなく、多くの星が浮かぶ宇宙の様な場所を映していた。そしてその中を猛スピードで動き出す俺。こういうのってなんかワクワクしてくるよな!!
さぁ待ってろよALO2!!今から俺が遊びつくしてやるぜ!!
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
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