第192話
「そう言えば残されていた文献に破壊神は帰って来るって書いてありましたが理由は解りますか?」
『弟に取り付いていた瘴気はまだこの世界に残ってますから。いつかその瘴気が肉を得て戻って来るのですよ。』
「湖の時みたいになるって事か?」
『そうですね。この世界の各地にまだ似たような物が残っていると思います。』
うへぇ~。あんなのがまだ残ってるのか。うん?もしかしてそれって他のストーリークエストのラスボスか?なんかそんな気がする。同じことを考えたのかノートが巨神様に質問をする。ストーリークエストは神話に関係あるのでは?じゃあ神様の事を調べよう!!って流れになってるからね今。
「世界に伝わっている神々についてはどうお考えですか?」
『あぁ、あの子達は私の子供です。』
「「子供!!」」
『えぇ、両親をマネして姉弟でちょちょいっと。』
「そんな簡単に・・・。」
「神様だから血縁とかは無視しても大丈夫だろうけど。まさかこの世界の神様の元が巨神と空の神だとは・・・・。」
『両親も元々兄妹みたいなものだと言ってましたから。案外瘴気も私達の力を辿って子供達の元に行ってるかもしれませんね。』
あぁ、確定情報っすね。これ各種族の崇める神様の所に瘴気ボスが居ますわ。他のストーリークエスト見つけた人頑張れ!!
「いやぁ、貴重な情報が聞けました!ありがとうございます!」
「それで?俺に関係がある事って何ですか?」
『あぁ、あなたにはこの体の元になった彼女を守って欲しいのです。』
「そりゃ守りますけど・・・・。何か在るんですか?」
『彼女は湖に触れたことで名実共に巨神の巫女となりました。つまり、いつかは巨神となる人です。瘴気はおそらく私の血を狙って来ますから襲われる確率は100%ですね。だから守って欲しいのですよ。あっ貴方にも後継者たる資格はありますよ?』
「おれ世界の管理とか創造は無理です。辞退します。」
巨神が復活するのか・・・・・。うん、つまりは空の神も復活するね。巨神戦争再び!!って感じかな?盛大なフラグが建ったなぁ。大丈夫?回収できる?阻止できないかなぁ。
『残念です。巨神2人の間にどんな子が出来るのか楽しみでしたのに。』
「いやそんな実験みたいに子供作るのは駄目と言うかなんと言うか。」
『あら?この子はそのつもりですよ?』
「勝手に人の内心ばらしちゃ駄目でしょうよ。」
『私これでも神ですから。読心は一般教養ですよ?』
「この人も変人なのか・・・。威厳さんカムバーック!!」
威厳さん{HAHAHAHAHAHA俺バカンス中だから無理!!}
はっ!!今何か濃ゆい顔の男が歯を光らせながら薄ぼんやりと空に浮かんでいる絵が見えた!!
「ルドさーん!!ちょっと手伝って欲しいんですけどー!!」
「ノート!!貴方もこちらを手伝って下さい!!」
「解りました館長!!」
「あいよー!!今行くー!!では巨神様、貴重なお話を聞かせて下さってありがとうございました。俺ちょっと行ってきます。」
『はい行ってらっしゃい。』
飛行船の建造ドッグに走っていく2人を見送りながら、巨神は微笑ましいものを見る様に笑みを浮かべる。
『時代は変わりました。旅人という外の世界の人達も居ます。だから浮鯨。あなたの望みを叶える事が出来るかもしれませんよ?』
かつて争い、命を奪った弟の願いが叶うかもしれない。その思いを胸に、作業を続ける人達の姿を見守り続ける巨神だった。
~・~・~・~・~・~・~・~
「完成!!」
「「「「「「「「お疲れさまっしたぁーーー!!」」」」」」」
リアルで3日程を掛けたルシファーの大改修が今終わった。いやぁ大変だったよ。装甲を厚くしたおかげで、出力が足らなくて飛べなかったり。かといってエンジンを強くすれば動力を伝えるパイプが耐えられなかったり。上昇した出力に推進器が暴発したりな!!
その都度素材を変えたり構造を変えたりと本当に大変だった!!製作チームの中にリアルでエンジニアしてる人が居て本当に助かったよ。まぁその人は「開発した技術が現実でも使える!!」何て言ってさっきリアルに戻って行ったけどもさ。もしかしてニュースとかになったりするかな?
「さて!!4番艦まで完成したからには俺達の目的は1つ!!それは何だ!!」
「「「「「「ドラゴン狩り!!」」」」」」」
「そうだ!!だが今すぐにとは行かない。なぜならば!!」
「「「「「「なぜならば?」」」」」」
「俺達がめっちゃ疲れているからだ!!ステータスよく見てみろ!!【過労死一歩手前】何て状態異常初めて見たぞ!!」
「「「「「「マジだ!!」」」」」」
「と言う事で今日の残り時間は休め!!ドラゴン攻略戦は日時が決まり次第連絡する!!以上だ!!」
ウケンの声掛けで皆が思い思いに解散していく。俺も例の状態異常になってるので今日は休むか。これって耐性取れないよな?取れたら社畜にしかならん気がするから取れない方が良いからな?頼むぞオリジンスキル。
「さてと、急に休みになったけどどうするかなぁ。」
クリンとルゼダはドラゴン攻略に必要そうな情報をメガネ達と集めに万魔図書に行った。休めっていうのになぁ。まぁ体を使わずに頭を使うから平気だ!なんて言ってたし。リアンが手伝いしてくれるから大丈夫だろ。
リダの方はというと、今もゴーレムダンジョンに潜ってる。市長たちとの飛行船建造が思いの他順調みたいで素材が足らないんだと。元々そっちに掛り切りだから状態異常になってない。そこら辺市長の奥さんはうるさいからね。十全なパフォーマンスを出すには十分な休養が必要!!なんて言う人だからさ。
シアは巨人族の村で御神木になりそうな木の選定と見守り。巨神の記憶が眠っていた湖の中からいくつか神器が出てきてね。その1つを巨人族の村に埋めてリスポーン地点にする予定だ。その為のお手伝いだな。
「うーむ、暇だ。」
「なら久しぶりに訓練に付き合え。」
「親父?なんでここに居るんだ?」
「何言ってんだお前。ここは俺の家だろうがよ。」
あらま。考え事しながら歩いてたら親父の雑貨屋に来てたみたいだ。いやでも守備隊の大隊長の親父がなんで店に?カマーンさんは?
「カマーンはあれだ。病院だ。付き添いにシルも一緒に付いてった。」
「体調でも崩したのか?」
「あー。まぁ似たような物だな。」
「ふむ?だから店に誰も居ないのか。」
カマーンさんが店番してる時ならこれでもかって繁盛している店が今は閑古鳥が鳴いている。いやぁ懐かしいなぁ。親父が店番するといつもこうなるんだよ。
「で?訓練って店空けて良いのかよ。」
「なぁに、今日はもう店仕舞いだ。構わねぇよ。ほれ手伝え。」
「へいへい。」
店の片付けをした後、俺と親父は店の裏の広場に出た。相変わらずここは守備隊の訓練場として使われている。
「どんだけ強くなったか見せてみろ。」
「攻撃出来ないんだから無理だろソレ。」
「防御の腕がどれだけ上がったか見てやるってんだよ。黙って受けろほれ。」ガイン
「そんな気軽に放つ威力じゃねぇだろそれ!!」
「なはははは!!つっ立ってるとサクッとやっちまうぞ!!」
「それ絶対殺すって字が入ってるよな!!」
しばらく親父の攻撃を受け続ける俺。親父の方も何やら楽しそうに俺に向かって攻撃してくる。
「大分成長したじゃないか!!」ガンッ
「レベルは一切上がって無いがな!!」ゴゴンッ
親父の拳の攻撃を盾で受ける。相変わらず意味わからん威力してんな!!
「身を守れるだけで上等だ!!」ガガンッ!
「そうしないとこの世界で生きて行けないからな!」ギギンッ!
攻撃力が無いから出来る事って言ったら守る事だけ。本当はそれだけでも生きて行けないはずだがどうにかこうにかここまで来れた。
「お前今楽しいか?」ガンッ!
「あぁ?楽しいに決まってんだろ!!」ギャリンッ!
仲間が出来たからな。仲間のおかげで一緒に冒険したり、笑い合ったり出来る。俺はこの世界に来て本当に楽しい思い出が沢山出来たよ。相変わらず攻撃力はくれないがな!!
「なら良い。」ドンッ
「どうしたんだよ親父?」カンッ
笑みを浮かべながら、何かを言おうかどうしようか迷っている様な親父。何だ?何か在るのか?攻撃の威力も下がってるし、最後には拳を下げたしな。
「あ~。こっぱずかしいんだが・・・。」
「何恥ずかしがってんだよ。」
「いやぁな?そのな?」
「なんだよ?」
良い年した親父が何を恥ずかしがってんだか。さっさと言っちまえ。
「お前に兄妹が増える。」
「シルの事じゃなくてか?」
「あぁ、カマーンがな。妊娠した。」
「良かったじゃないか親父!」
「それで何だがな・・・。」
凄く言い難そうに親父の奴が禿げた頭を掻く。そんでもって決心したのか俺の顔を見ながら次の言葉を告げた。
「お前にこの都市に残って欲しい。」
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
This work will be sent to you by kotosuke5, who is Japanese. Unauthorized reproduction prohibited
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます