掘り返せダンジョン!!えっ?誰?
第126話
ログインでござる!!さぁて、今日は何しようかなぁ。師匠が又投獄されて技の修行は出来ないし。レベルも上がらないから戦闘も意味ないし。ATK取得に向けて動こうにも一向に手掛かりは無いし。何か意味ありげな軍服軍団の情報も今の所無いしなぁ。親父の所にも今行き辛いし・・・・。
「たまにはのんびりするか?」
でもなぁ、もうすぐ“あれ”があるしなぁ。でもなぁ、用意するとなるとなぁ。うーん・・・・・。
「あっルドさーん!!」
「おん?おぉクリンか、お疲れさん。」
広場のベンチに座って今日の活動を考えてたらクリンが声を掛けてきた。
「今日って時間空いていますか?」
「おぉ丁度暇してた所だ。どうした?」
「このクエスト受けたんですが一緒にやってくれません?」
「どれどれ?」
クエスト ダンジョンを掘り返せ
都市が開拓村であった時代に崩壊したダンジョンを再利用しようと市長が掘り返す事を計画した。諸君等は崩壊したダンジョンを掘り返し、ダンジョンを利用可能な状態にする事が目的となる。
※1階層が完全に崩壊している為、内部で魔物の異常発生が起こっている可能性在り。
「あー、あのダンジョンか。そう言えば埋まったままだったな。えっ?ってかあれ掘り返せんの?」
「開拓村時代だと無理だったそうですが、今なら人手も多いですしゴーレムもありますから不可能じゃないそうですよ。確か発見者はルドさんでしたよね?」
「おう、その後赤落ちに崩されて利用できなくなってたんだよ。あそこ鉱石もあったし結構使えそうだったんだけどなぁ。」
「そうそれです!!鉱石資源を獲得する為に掘り返したいそうですよ。」
まぁ都市が大きくなったってぇのに鍛冶屋はいねぇからなここ。鉱石を輸入するくらいなら他所で商品仕入れてきた方が簡単だし。でも市長はそれじゃまずいと考えた訳か、まぁここまで大きくなったら自分の都市で武器製造や修理はしたいわな。
「周りに鉱脈になりそうな所は無くて、最後に残ったのがあそこらしいです。」
「ならさっさと掘り返すか。便利になったらここに住む人の助けになるしな。」
「転移ポータルがあるとはいえ、やっぱり時間が掛かって不便でしたからねぇ。」
と言う事で、クリンの誘いで俺はダンジョンの掘り返しに参加する事にした。“あれ”を準備するのに丁度いいしな。ちゃんと鉱石があればいいけども・・・・。
現場にたどり着くと、多くの旅人や住民がピッケルや猫車なんかを持って集まっていた。現場監督は・・・ゲンさんがやるのか。
「おーし、お前等!!良く集まってくれた!!これからこの崩れたダンジョンを掘り返すぞ!!1階層は丸々潰れてるらしいが2階層はどうなってるか不明だ!!戦える奴は先頭に立ってどんどん掘り進めて行ってくれ!!とりあえずは1階層の広間まで掘り進めれば今日の作業は終わりだ!!頼むぞ!!」
ゲンさんの掛け声で集まった人が採掘作業を始める。俺も巨人化して盾を使って穴を掘り始める。ショベルカーになった気分。
「やっぱりルドが居ると早いなぁ。」
『おっゲンさん。進捗どう?』
「お前さんのおかげで予定より早く進みそうだぞ。」
『中に入ったら効率は落ちるから多分トントンじゃないか?』
「その図体じゃ入れないからなぁ。それでも入り口付近を掘り返す分の余裕は出るさ。その調子で頼むぞ。」
『あいよ。』
今の所魔物の気配も感じないしどんどん掘り返していこう。そう言えばダンジョンって自分で復活したりしないのかね?
「ここのダンジョンではしないそうですよ?」
『おろっ?そうなのかクリン。』
掘り返した土砂を取りに来たクリンが俺の疑問に答えてくれた。
「どうも1階層を爆破された時にダンジョンは階層を切り離したそうです。」
『そんな事出来んの?』
「みたいですよ?自己防衛機能の1つだとか。崩落の修復に大量のエネルギーを必要とするみたいで、出来立てのダンジョンではエネルギー不足で不可能だったというのが冒険者ギルドの見解ですよ。知りませんでした?」
『知らなかったなぁ。』
爆破されて鉱石採掘出来なくなって関心無くなったからなぁ。
『じゃあ今回掘り返しても鉱石取れないんじゃないか?』
「それがダンジョンの反応が強くなってるらしいんですよねぇ。」
リク市長の奥さんになった帝国の皇女ルリさんの話によると、死んだと思っていたダンジョンが実は生きていて力を溜めていたらしい。都市開発の一環で付近の魔力反応を調べていたら発覚したんだってさ。で、今回のクエストは鉱石獲得も目標の1つだけれど別の目的としてダンジョンから魔物暴走が起こらないかの調査も含んでいるらしいよ。
『よくそんな話聞けたなぁ。』
「クエスト受けるときに説明してくれました。」
クエストにも書かれているくらいだし、多分襲撃が在るんだろうなぁ。
「入り口付近はこれで十分だ!!次は中を掘り進めてくれ!!」
『あいよ。』
「小さくなるんですか?」
『最大身長じゃ入れないからな。5mくらいになるよ。』
「それでも十分大きいですけどね。」
魔物の気配を感じ取りながらどんどん採掘を進める。掘り返したところからはちょこちょこ鉱石が取れたりして皆大張り切りだ。やっぱり目に見える成果があるのは良いね。
結構大きな岩が落ちて来ていたりして、掘り返しは大変だった。魔法使いが土魔法を使って洞窟を補強&邪魔な岩を粉砕してくれていたから時間は掛からなかったけどね。
ガンガン掘り進めて行ったもんだからあっという間に広場の在った場所にたどり着いた。(マップで確認済み)
『確か2階層への階段がこの奥だったか。』
「そうです。その前にこの場所を広げて拠点にするそうですよ。」
「お前等!!ここの整備始めんぞ!!」
と言う事で次は拠点となる広場の整備だ。ついでに魔法使いが岩や土を使って建物を作ったりしている。本格的にダンジョンを運用し始めたら、ダンジョン街になりそうだなここ。
ダンジョンがこの場所を切り離してくれたおかげでだいぶ広く掘り出す事が出来たよ。
「うし、今日はここまでだお疲れさん!!工事再開は6日後だ!!」
旅人の力も大いに使って工事してるからね。日程もこちらに合わせてくれてるんだよ。いやぁすぐにでも掘り返したいだろうに申し訳ないな。
ガリッゴリッガリッゴリッ
「おん?なぁクリン、なんか音聞こえないか?」
「えっ?・・・・・・。あっ本当だ。何かを噛み砕くような音が・・・・。」
ぞわっ!!
「巨人化!!」『ゲンさん達逃げろ!!旅人は戦闘配置!!』
壁の奥から魔物が無数にこちらに向かって来ているのを感じる。やばいやばいやばい!!尋常じゃない数だ!!
『ゲンさん都市に戻って応援連れて来てくれ!!この人数じゃまずい!!』
「解った!!ここは旅人さん達に任せて住民は戻るぞ!!急げ!!」
残った旅人は30人程。洞窟っていう閉鎖空間だから多分抑えられるが、殲滅は無理だ!!頼むぞゲンさん!!
ガリッピシッベキッバゴンッ、ガラガラガラ・・・・。
俺達が整備した広間に壁を齧っていた魔物が姿を見せる。銀色に輝く甲殻を持ち、その甲殻は見る角度によって色を変える。中には金色に輝く甲殻を持つ者まで居る。
「なんでここにミスリルアントが居るんだよ!!」
「あれはジュエルアントの変異種じゃなかったのか!!」
「種族名がミスリルアントになってます!!あの金色のはアダマンアントですよ!!」
『無理に前に出るなよ!!引き付けるからそっちを攻撃してくれ!!行くぞ!!』
次々と壁の奥から現れる蟻相手の持久戦が始まった。
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
This work will be sent to you by kotosuke5, who is Japanese. Unauthorized reproduction prohibited
2022/5/26 お待たせしました!!133話まで一気に上げますよ!!内容がちょっと薄いかもしれませんが、必要な伏線張る為にも、そして読んでいる人がだれないように短めにするとこうなっちゃいました。一番の原因は私の文章力不足ですがね(´・ω・`)
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