第102話

近くの守備隊の詰所で状況説明と証拠品の提示をした。非番なのに取り締まってくれてありがとうなんて感謝されたよ。


問題起こした3人はイベント期間中の島への入場を拒否するんだってさ。恫喝に婦女暴行、他人が所持する友魔への攻撃と後は余罪が沢山あったらしい。リスポーンした所で赤落ち処理されたらしいよ。馬鹿だよねぇ。バレなきゃいいとか思ってたんだろうか?


「どうしましたルドさん?」

「ん?いやなんでも無いよ。それより見えて来た。あれが『ドリアードの迷路』か。」


目の前に広がるのは生垣で出来た迷路。どうもこの迷路もドリアードと言う種族が恋人との逢瀬を邪魔されないために作ったっていう逸話があるんだとか。奥にはそのドリアードが隠したお宝が眠ってるらしいよ?


「さぁさぁ!ドリアード様の迷路に挑戦する方はこちらだよ!!奥のお宝はまだ誰も取って無いよ!!どんどん参加して頂戴!!」


迷路の入り口では恰幅の良いおばちゃんが呼びこみをしていた。


「2人と友魔1匹参加で。」

「あいよ!!制限時間は1時間だよ。時間になったら自動的に迷路の外に出されるからね。離れ離れになったら簡単には合流出来ないからはぐれない様に気を付けな!!嬢ちゃんも彼氏の腕離すんじゃないよ?」

「ふえっ!?いやそのぉ~、この人は別に彼氏って訳じゃ・・・・。」ゴニョゴニョ

「彼氏さんも嬢ちゃんを離すんじゃないよ?」

「ははは、迷ったら大変ですからね。ずっと手を繋いでおきますよ。」

「それなら安心だね!!行っておいで!!」


おばちゃんに送り出されて迷路に突入する俺達。いやぁこんなおばちゃん昔は良く居たんだよなぁ。


「あのおばちゃんにも困ったものだね。俺達を見てカップルだと思うなんてさ。」

「えぅあぅ・・・ぷしゅー。」

「大丈夫?」

「ららららいじょうぶでふ!!」

(・∀・)つ目 オチャノメ!


年頃の娘さんだとおばちゃんの冗談も真に受けちゃうか。あぁ言うのは軽く流すに限るんだけどね。


「あれはおばちゃんなりの冗談だから気にしなくていいよ。」

「そうなんですか?」

「そうなんだよ。揶揄って遊んでただけ。それより迷路クリアに向けて進むぞ!!」

「・・・・ちょっと残念です・・・・・。」ボソッ

「ん?どうした?」

「いえっ!!クリア目指して頑張りましょう!!」

(* ̄0 ̄)/ オゥッ!!


迷路は結構複雑で、しかも意地の悪い事に生垣の下に穴が開いていたり、一度通った場所を振り返ると隠れていた通路が見えたりと隠し通路まであったりする。俺達は案の定迷ってしまった。


「うーん、思ったより難しいな。」

「一度入り口まで戻ります?」

「戻り方も分かんないんだよなぁ。」

(。´・ω・)ん? (。 –‘ω-´) キラン☆ (*’▽’)→コッチ


「おっ?何か見つけたのか?」

(゚д゚)(。_。)ウン

「あと30分切りましたしとりあえず行ってみましょう。」

「そうだね。うっし、シア、案内頼んだ!!」

ミα(゚Д゚ )マカセロ!!


シアの誘導にしたがって迷路を進む。どうやって進路を決めているのかは分からないけどシアは迷いなく進んでいく。生垣の上を歩いた時はびっくりしたけどな!!


そして到着したのは済んだ水が湧き出す泉の在る場所だった。


「ここも凄い綺麗だなぁ。」

「花も咲いていて蝶も飛んでます。幻想的ですねぇ。」

(*’▽’)↓ココココ


うん?シアが指して居るのは湖の傍の花畑の中。俺達は花を潰さない様に慎重にその場所まで進んだ。


「あっ!!宝箱がありました!!」

「おう、これが景品か!!どれどれ中身はっと。」


宝箱を開けて中身を確認すると、そこには植物の種の様な物が入っていた。なんだこれ?


「リダさんは何か分かる?」

「いえっ、全然分かりません?」

「シアは?」

( ¯•ω•¯ ) ジトー ( ゚д゚)ハッ! (。・н・。)パクッ


「ちょっシア!?」

「シアちゃん!?」

(´~`)モグモグ(*’ω’*)ゴクンッ


「食べちゃった・・・・・。」

「シア!!体は大丈夫なのか!!」

(。-∀-)


「大丈夫っぽいな?」

「あれ?シアちゃんの体光ってません?」

「あれ?ほんとだ。」

°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°


「ぬおっまぶしっ!!」

「きゃっ!!」


シアの体がほんわりと淡い光に包まれたかと思ったら次の瞬間に光が溢れ出して俺達の視界を塞ぐ。いや本当に大丈夫なのシアちゃんや!?


「ますたー、もうだいじょうぶ。」

「へっ?だれの声?」

「しあだよー?」

「シアちゃん?」


眼を開けるとそこには、頭にシアを小さくしたような花を着けた緑の髪の女の子が立っていた。瞳の色も緑で葉っぱの服を着ている。


「シア・・・なのか?」

「そうだよ!!しあだよ!!ますたーわすれたの?しあかなしい・・・。」

「いやっ姿が変わってて驚いただけだよ。ほらおいで。」

「うん!!」


俺に抱き着いて来るシア。体もだいぶ小さくなって人間の4~5歳くらいのサイズになっている。


「シアちゃん可愛いです。」

「りだおねえちゃんどうしたの?」

「はうっ!?」

「リダさん!?」


突然胸を押さえて俯いたリダさん、一体何が在った!?


「大丈夫です。ちょっと尊み力にやられただけです・・・。」

「尊み力って何だよ・・・。それよりシア。ステータス見ていいか?」

「いいよー。」


腕の中で元気いっぱいに両手を上げるシア。うん、可愛いな。さてステータスはっと。


名前 シア

種族 レイシアドリアード

職業 暴食樹精霊 Lv1

所属 ルドの友魔


クイーンレイシアの幼体が精霊へと特殊進化した種族。暴食性はそのままに、魔法を扱えるようになった。


HP 10000

MP 80000


ATK 2000

DEF 1000

SPD 1000

MGK 8000

DEX 5000

MIND 4000

LUK 8000

スキル


EXスキル              

<精霊魔法(樹)>:ドリアードが使ったとされる魔法。

         樹精の寵愛:植物の成長を助ける。

         根源の槍:木の根を槍の様に突きだす。(ダメージ 1600)

         新緑の鎌鼬:刃の様に鋭い葉を生み出し、相手を切り刻む。(枚数800 ダメージ4000)

         枯れ枝の慈愛:自身のHPを相手に渡す事が出来る。(4000まで。)

         聳え立つ樹木:その場に樹を生み出し壁とする。(防御力1000 距離4000 生成数8000)

          


オリジンスキル

<暴食花の宴>:頭の花を大きく開き、捉えた物を捕食する。

    効果1:すべての生物を引き付ける臭いを出し、獲物を誘引する。(距離44000 誘引値14000)

    効果2:自在に蔓を生み出し、意のままに操る。(距離4000 本数8000)

    効果3:頭上にある花の大きさを自在に変更する。(最大500m)

    効果4:捕食した物の全てを取り込み、体力とMPを回復する。

    効果5:魔法を捕食可能となる。(威力8000以下の魔法に限る。)


オリジンスキル!?それにEXスキルもおかしい!!ってか圧倒的にシアちゃんの方が強くなっちゃったよ。トホホ。


「ますたーどうしたのぉ~?」

「シアは強くなったなぁ。」

「うん!!これでますたーいっぱいたすけるの!!」

「はうっ!!」


何この超絶いい子!!娘にしたい!!いやもう娘みたいなものだったか。これからは父親として娘を守らねば!!(使命感)


そういえばステータスで気になる所があるんだよな。誘引値って何だ?


「それはねぇ~。えっとねぇ~、よぶのにつかうの!!」

「そうかぁ~。ちゃんと説明出来てシアは偉いなぁ。」

「えへへ、うん!!」

「ルドさんルドさん、顔が完全にお父さんの顔になってますよ。」


家の娘が賢いから仕方ない!!と言う事でヘルプさん誘引値とは何ぞ?


ほむほむ、誘引値っていうのは抵抗判定に使う数値なのね?今まで表示されていなかったのを表示できるようにしたんだ。シアの場合はMGKとDEXの合計値が誘引値になるのか。抵抗ステータスとしてはMINDとLUKになると。MINDとLUKが14000超えてる人なんて・・・・・。あぁいたわ、それも今この場に。他にも結構いそうだな。


「あのね!!あのね!!まだれべるいちだからよわいの!!れべるあがったらつよくなるの!!」

「そうかそうか、だったら今度レベル上げもしようなぁ。」

「うん!!」

「その時は一緒に行きます!!」


リダさんも気合入ってるしすぐにレベル上がるだろう。さてこれでこの迷路はクリアだな。次は何処に行こうかね。


「ますたー、あのね、あのね、おねがいがあるの!!」

「うん?何だ?」


シアを地面に降ろすと何やらお願いがあるらしいシア。一体何だろ?


「ぱぱってよんでいい?」

「ごふぅっ!?」

「ルドさん!?なんで吹っ飛んだんですか!?あぁ顔が人にお見せ出来ない惨状に!?ちょっ誰か!!だれかーー!!」


シアちゃん、上目遣いでお願い何てしちゃいけません!!俺の心臓が持たないから!!尊いが俺を殺しに来るから!!あっぱぱって呼ぶのはいいよ?


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

This work will be sent to you by kotosuke5, who is Japanese. Unauthorized reproduction prohibited 


こういうお話ならすぐ思い浮かぶんですよねぇ。逆にシリアスにしようとすると難産になります。もしかしてほのぼの系を書いたほうが良いのでしょうか?ちょっと悩んでいる作者が居ますw

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