第76話

逃げて行った白衣の人がどれくらいで戻って来るか分からないから急いで人質を助けないと。


「でも開け方が分かりませんね。」

「どうすっかねぇ。攻撃して割っちゃう?」

「あっそれなら僕がどうにかします。」

「また便利ツールかい?」

「はいっ!!これです!!」テッテテテテー♪


いやだからその音とポーズは必要なのかい?でクリンが取り出したのは目のマークが入った板?


「『古代の石板』です!!これ昔あった超古代文明の遺産っていう設定何ですよ?」

「それでどうするんだ?」

「これを!!こうです!!」


クリンが石板を機械に押し当てる。すると石板が押し付けられた場所から青い光が放たれ、機械が止まった。


プシュッ!!


「あっ開きましたね。」

「それハッキングツールなの?」

「僕も良く分かりません。機械的な物に使うと動きを止めたり、動かしたり出来るんです。」

「他にも色々持ってそうね君。」

「クリンが後持っているのは機械の虫と弓矢、パチンコぐらいですよ。その石板と合わせて村のクエストで偶然拾ったんです。」


運営(AIの方か?)が面白がって渡したんかね?


「とりあえず救出は終わった。さっさと脱出するぞ!!」

ドガーンッ!!『逃がしませんよ!!』

「あちゃー、もう来ちゃった。」


守衛室の壁を壊しながら出てきたのは、4本の足と4本の腕を持つ蜘蛛みたいなゴーレムだった。お腹の部分が何やら金色に光っている以外は鉄で出来た蜘蛛だ。さっきの研究員は蜘蛛の頭に乗ってる。その赤い鉢巻何処から出した?


「あれが中枢ですかね?」

「あれなら移動もらくちんだし、逃げるにも良いな。」

「そんな大事な物を持って来てくれるなんて、なんて優しい人なんでしょう。」

「優しいのかなぁ?」

「えぇい!!何をのんきに話している!!これはこう使うのだ!!来ーい!!ゴォレーム!!」ぱちんっ


白衣の人がなんか指を鳴らしたら地面が揺れ出したんですけど!?


「とりあえずシア!!この人達を運んでくれ!!急いで砦から脱出するぞ!!」

( ̄▽ ̄)ゞラジャ


崩れ始めた砦の中を必死に走る俺達。助けた人はシアが器用に守ってくれてるから心配はない。そして砦の外に出た瞬間、崩れていく瓦礫の中から大きな人影が立ち上がった。


『ルドさん!!何が在ったんですか!!』

「人質は救出完了、けど首謀者が奥の手出して来た!でかいゴーレムだ!!シア!!その人達を安全な所に!!」

(`・ω・´)ゞ


「武術大会の時より大きいですねぇ。」

「20mくらいでしょうか?」

「ガ〇ダムみたい。」


クリン君その言葉はNGだ!!確かに角は付いてるし、目は二つだけど他は甲冑風だから!!


『ふはははは!!これで貴様等を踏みつぶしてやる!!』

「モッフルさんや、他の人達はどう?」

『他の場所ではゴーレムが止まったみたいです。今そちらに向かってます。』

「恐らくあの巨体の制御に力を全て回してるんでしょうね。」

「って事は僕達は、他のPTが合流するまであれの相手をしないと駄目って事ですか?」

「そうなるだろうな。」


さてさてどれくらいの強さなんじゃろうね?


『まずは小手調べだ!!『アイアンフィンガー』!!』

「かっこつけてるけど唯の殴打だろソレ!!巨人化!!ふんぬ!!」


ガゴンッ!!


いってぇぇぇぇぇぇ!!


「ちょっルドさん!?」

「回復飛ばします!!バフも行きますよ!!『慈愛の光』『防御力増加』」


唯の拳で体力半分持ってかれたんですが!?


『もう一度行くぞ!!』

「こんの!!」


ガインッ!!


「ナイス受け流しです!!パリィって奴ですね。」

「ぶっつけ本番だけどうまく行って良かったよ!!」


相手の攻撃を逸らすように盾をぶち当てると受けるダメージも減った。バフも合わさって何とか維持できる状態だけどキッツいぞこれ!!


『どんどん行くぞ!!オラララララララララ!!』

「ふんふんふんふんふんふんふんふんふんふん!!」


ガンッガンッガンッガンッガンッガインッ!!ゴインッ!!


くっそ!!100%成功しないからたまに良いの貰っちゃう!!その都度ルゼダが回復してくれるけどMPにも限度があるしなぁ・・・。


「私たちの事も!!」

「忘れないで下さい!!」


リダさんとクリンが巨大ゴーレムの足元に攻撃する。まぁ他の場所だと届かんだろうからね。


「そいやっ!!」

「えいっ!!」


ゴインッ!!バキッ!!


「いったぁぁぁぁぁぁ、すっごく固いですこいつ!!」

「剣折れちゃった・・・・・。」

「リダさんバフ送ります!!『攻撃力増加』『精神力増加』。クリンは戻って来なさい!!予備の剣出して早く!!」


いかんね。そもそも俺達のレベルが低いから火力が全然足らん!!皆―早く来てくれー!!


『次はこれだ!!『バーニングフィストー』!!』

「あっちぃぃぃぃぃぃっ!!」


ぬはぁっ!?弾いてるのに熱さでダメージが!!これって魔法的攻撃じゃないの!?HPが又半分になっとる!!


「お待たせしました!!『アイスランス』!!」

「やりがいありそうだな!!『岩砕拳』」

「ここに来てなんて非常識な敵なんだ。『飛翔斬』」

「ふぅ、追いついたでまーす。」

「うっはぁ~。でっけぇなぁ。」

『そのまま戦闘を続けて下さい!!弱点をこちらで探します!!』

『ふんっ。いくら有象無象が集まった所でこのシャインゴーレムに敵うわけがない!』


あっそいつそんな名前なんだ。


『くらえっ!!ストーングラベル!!』

「あててててててっ!?」


ちょっと頭から石礫が飛んでくるんですけど!?


「きゃっ!?」

「うわっ!!」


むっ、いかん。これランダムターゲットか。ヘイトスキルが無効化されてる。


「『城壁』!!皆壁の後ろに!!」

「分かりました!!」

「くっそ!!攻撃出来ねぇ!!」

「私の華麗な剣技がお披露目できません。」


よしよし、全員壁の後ろに隠れたね。


「ルドさん、これからどうします?」

「ルゼダはMP大丈夫そう?回復どれくらい行ける?」

「まだ半分も使ってません。何か妙案が?」

「俺が全員のダメージ引き受けるから、回復とHP増加のバフだけお願い。HPが増えれば自動回復の効力も上がるし、何とか耐えれると思う。」

「その間に全員で攻撃するというわけですね。」

「そう言う事、弱点が分かれば良いんだけど・・・。」

「あっそれなんですけど、これそうじゃありません?」


おんっ?クリン?なんか遠い目をしているけどどこ見てるの?


「あっ虫の魔道具!!」

「さっき飛ばして偵察してみたんだ。あいつの背中にさっきの蜘蛛の足が見えるんですよ。」

「どういう事?」

「あれじゃないですか?背中からあの鎧にドッキングしてる感じで。足は邪魔だから変形して外に出してるとか。」

「頭から突っ込んで足だけ出してる状態か。」

「つまり一番破壊したい中枢が背中に在ると。」

「そう言う事ですね。」


ふむ、なら転倒させる事が出来たら何とかなるか?


「イルセアさん、あいつの足を止める事って出来ます?」

「少しの間なら出来ると思うわ。」

「あいつの膝裏を攻撃して膝着けさせることが出来る人―!!」

「誰に物言ってやがる!!俺達がやってやる!!」

「私達もやりますよ!!」

「私の火力を舐めるなよ!!」


たぶん高火力で一気にやらないと倒れないだろうからこの3PTがやる気になってくれてよかったよ。


「それじゃあ残った人達であいつの背中に攻撃で。」

「でかい一発をお見舞いするでまーす!!」

「楽しそうだな!!任せろ!!」

「あっ中に居る人は捕獲でお願いします。向こうの情報を少しでも知りたいんでね。」

「引きずり出してやりましょう!!」


さて、作戦も決まったしあの迷惑な巨人を退治するとしますかね。


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

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2022/5/2 魔法名を一部変更 ミドルヒール→慈愛の光 

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