第19話
さて久しぶりの本格ログインだから今のステータスをスチェックしますか。
名前 ルド
種族 半巨人(セミジャイアント)
職業 双盾使い Lv1(0/100)
所属 冒険者ギルド(ランクF)
HP 400
MP 10
ATK 0
DEF 40(+200)
SPD 10
MGK 0
DEX 40
LUK 20
スキル
<双盾術Lv12>:職業スキル 双盾を使う為に必要なスキル。攻撃を防御した際に補正が掛かる。(DEF+120)
<体力自動回復LvMAX>:種族スキル ダメージを受けていない間HPが回復する。(毎秒HP×10%)
<状態異常耐性Lv8>:種族スキル 毒、麻痺、睡眠の状態異常に対する抵抗力が上がる。(DEF×80%を状態異常時間から引く。)
<魔法耐性Lv5>:職業スキル 魔法による攻撃のダメージを減らす。(MGK×50の値をダメージから引く 魔法攻撃-50)※MGKが0の場合は1として計算
<サイズ補正>:種族スキル 建物やダンジョンに入る際に身長を適正な物に変える。(自動補正)
<咆哮Lv5>:職業スキル 敵対者のヘイトを自分に向ける。(ヘイト値+50 範囲拡大10%)
<シールドバッシュLv10>:職業スキル 盾を敵に当てて攻撃する。(攻撃力はATK×スキルレベル)
<カウンターLv10>:職業スキル スキルを発動した後、相手の攻撃を盾で受けると相手にダメージを与える。(相手の攻撃力×自身のATK)
EXスキル
<守護者>:このスキルを持つ者がヘイトを稼ぐ行動をとると必ず敵はこちらを狙う。(ヘイト値+150%)(他へのヘイト値-50%)
<金剛体>:体を鋼の様に強化する。(基礎DEF×2倍)
装備品や所持金、称号なんかは変わってないので割愛。スキルレベルは10でマックスなのかと思ったら違ったんだねぇ。
あと咆哮。レべルが5になった所で範囲が広がった。広がった範囲は微々たるもんだけど巨人化すればその範囲は結構広くなる。
後は体力自動回復とか状態異常耐性とか魔法耐性なんてのも上がった。体力の回復は今や1秒間に40ですよ。10秒待てば全回復する。でレベルマックスになって解った事は種族スキルはMAX10までで職業はそれ以上あるって事だね。これはSNS情報でも上がってた。職業スキルはまだLvMAXにした人は居ないみたいだからどれだけ上がるか楽しみだ。
状態異常耐性は240×80%だから192秒引かれる事になる。3分半くらい、ほとんどの毒や麻痺なんかはすでに無効化出来てるのだよ。あっ猛毒や強麻痺さん達はお帰り下さい。死んでしまいます。
魔法耐性はなんでか上がった。もしかして森の入り口でスキル上げしてた時に見えない敵でも居たのかな?一瞬体力が減っていたような気がするけど・・・・。うーん解らん。
さてと、村の連中は無事避難出来てるのかな?イベントまでもう少し時間が在るから様子でも見に行きますか。
1時間後
「っんで誰も避難してねぇぇぇぇんだよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
はい今雑貨屋の中で盛大に叫んでおります。村にはプレイヤーの姿は誰一人としていなかった。まぁ街まで無料で行けるってんならそうするのは解る。だけども問題は誰一人として避難していなかったって事だ!!
ギルドのミーニャさんもカマーンさんも自警団の連中も村長も牧場のおじさんも住民全員が村に残ってた!!
「まぁまぁ落ち着けや。」
まさかと思って店に入ってすぐ、いつもみたいに「よう。」なんて片腕上げて挨拶してきた親父を見て我慢できずに叫んでしまった。
「落ち着けるわけねぇだろうが!!親父も馬車持ってんだろうがよ!!さっさと避難しろよ!!夕方にはモンスが押し寄せてくるんだぞ!!」
「まぁそれも運命っつう事だわな。」
狼狽える俺に対して親父は飄々としている。
「いや逃げれるんなら逃げろや!!さっさとほらっ今すぐにハリー!!」
「受け入れて貰える場所がねぇんだよ。」
「へっ?」
どこか諦めている様な親父の言葉に驚いて固まる俺。
「いいか?この世界ではたまに魔物の大量発生が起こる。そこまでは知ってるな?」
「おっおう。ギルドで聞いた。」
「でだ。国もその時の為に食料やら避難生活用のテントやら様々な物資を用意しているわけだが、今回は旅人の受け入れにその備蓄を少なくない数使っちまった。だからこそ街で受け入れられる数に限りが出来てな。受け入れ出来ないんだと。」
あっけらかんと言う親父に俺の顔は渋くなっていく。
「それって俺達の所為って事か?」
「うーん、どっちかってぇと神様の所為だな。なんせお前らが来るって急に言い出した上に村まで作れってんだからな。だからまぁ、気にすんな。」
「気にするっつうの・・・。」
「まぁまぁ、これでも飲め。」
暗い表情をする俺にいつもの湯飲みでお茶を出す親父。
「・・・・どうにもならないのか?」
「旅人が残ってくれてりゃ何とかなったんだろうな。もう少し村が発展してれば堀や塀を作る計画も上がってた。だが間に合わなかったなぁ。」
「どうしてそんなに落ち着いてんだよ。」
「この村に居る連中は死ぬことを覚悟してここに居るからな。ミーニャも自警団の連中もカマーンもまぁ村の全員だ。だから、お前の所為じゃねぇよ。」
畜生!!もっと村発展クエストやってれば!!そしたら村の防衛施設に届いたかも知れないのに!!スキル上げのついでに少しでもやってれば・・・。そうすれば村が助かった可能性も・・・・
村で過ごした時間が走馬灯のように頭を過ぎ去っていく。ギルドでのバカ騒ぎや村長さんとの理想の嫁談義、ミーニャさんの笑顔と親父とのくだらない茶飲み話、住民の皆の笑顔・・・・・。
「さてと、俺の最後の仕事はお前さんを街まで送り出す事だ。あの馬車はその為に残しておいたもんだな。」
雑貨屋の裏手には小さな馬車が停まってた。それはもちろん住民が逃げる為の馬車だと思っていたんだけど・・・。あれは俺の為の馬車だったのか・・・。
「受け取れねぇよ。それなら親父達も一緒に・・・。」
「旅人だったらあまり食料も必要無いし寝る場所も最低限でいい。だが俺達はそうは行かねぇ。だから・・・・残るしかねぇんだよ。まっ地下室は間に合ったからな。そこで魔物が過ぎ去るのを大人しく待つさ。」
「でも・・・。」
地下室ぐらいでしのげるのであれば住民の避難なんて話にはならない・・・。十中八区自分達は死ぬと確信しているのだろう。それでも何とか俺を送り出そうとしてくれているのが分かる。親父はぎこちない笑顔を浮かべながら言う。
「まぁなんだ。正直お前さんが来てから親父親父と呼ばれて、俺にもガキが居ればこんな感じかと色々と楽しませてもらった。だから・・・・だからこそだ。息子には生きていて欲しいっていうのが親心だ。」
俺もいつの間にか親父の事を田舎の父親と重ねて見ていたよ。偏屈で、融通が利かなくて、おまけに超が付くほどの頑固者。それでも優しかった親父に・・・。
「ほれっ時間があんまりねぇぞ。さっさと行け。これは選別だ。」
俺にアイテムの入った袋を渡し馬車の前まで連れてくる親父。俺は馬車に乗らずその場で立ち尽くしていた。そんな俺の肩に親父が手を乗せる。
「街に行っても元気でな。俺達の事忘れんじゃねぇぞ?そうしてくれりゃ、俺達が生きていた意味も在るってもんだ。」
いつの間にか、村に残っていた住民の皆が俺を見送りに来てくれていた。自警団の連中が知らせてくれたんだろう。皆・・・・笑顔だ・・・・。
俺は・・・俺は!!
「俺、親父の名前も知らねぇ。」
覚悟を決めろ!!
「おう言ってないからな。」
「この村にも世話になった。」
俺はこの村の人達が好きだ!!NPCとか関係なく旅人の為に力を合わせて村を作ってくれた皆には感謝している!!
「まぁお前ぐらいなもんだ。この村で長い事生活してたのはな。他の連中者さっさと村を出てったからな。」
「そんでもって俺は旅人だ。死ぬことはねぇ。」
「おう、そうだな。」
でも住民の皆は死ぬ。死んでしまえば2度と会えない!!たかがゲームだ、だけどこの村で暮らした時間は楽しかった!この世界は唯のゲームの世界じゃない!!
強く拳を握り顔を上げた俺を見て、親父が訝し気な表情になって行く。ふふふ、俺があんたの息子だとしたら、息子としては親父に生きていて欲しいってもんだろうよ?
「俺はタンク。つまり盾職だ。」
「おっおう。武器が持てない事を悩んでたな?それがどうした?」
「盾職ってのは味方を守る盾だ。命を守る為の壁だ。」
「・・・・。お前さん、何する気だ?」
そうだ、俺は背中に命を背負う職業なんだ!!レベルが低いから何だ!!ステータスが低いからなんだ!!味方を守る為の盾職だろ!!だからこそ!!俺は!!
「だったら俺がこの村の盾になってやる!!」
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
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