第14話
ギルドで報告した後、実はちょっとした事件があった。なんと俺はダンジョン発見時後をつけられていたらしい。
突然声を掛けてきたウサギスキーって名前の盗賊が、俺が兎に連れられてどこかに行くのを見て追っかけたんだと。そいつ名前の通り兎が好きすぎて、ラブラビに毎日会いにあの場所に行ってたらしい。そんで森に入る所を見つかったと。
でその事についての謝罪と情報をSNSに上げても良いか聞かれた。突然声を掛けられビックリして固まっている俺に対して頭を下げるウサギスキー。別に情報を独占するつもりも無かったから快くOK出したよ。ギルドにも報告してるしな。
でっ!そんな騒ぎも終わり、デスペナがまだ解けないからどうしようか考えてるとピンと来たね。この状態でスキルのレベル上げしたら効率良いんじゃないかってな!!
元々草原のスライムとかホーンラビットみたいな雑魚からダメージ喰らわなかった。でも今の状態ならダメージは入る。つまり体力自動回復のLv上げにもってこいなのでは!?
という事で年の為に親父の所で回復薬を買い込んでから草原に出る事にした。
「親父ぃ~回復薬くれー。無料で。」
「よしこの馬鹿野郎そこに直れ。たたっ切ってやる。」
「待て待て落ち着け!!ちゃんと買う!!ちゃんと買うからそのどっからだしたか分かんないバスターソード仕舞って!!」
「はぁ・・。で回復薬だって?何する気だ?」
親父が手に持ったバスターソードをカウンターの中に仕舞う。いや物理的に無理だろ!!どうやって仕舞った!?という俺の驚きはそのままに、いつものしかめっ面で理由を聞いて来た。
「ちょっとデスペナ貰ってさぁ。ステ戻るまでなかなか上げられないスキル上げやろうかと。」
「旅人は死なねぇから気楽でいいわな。ほれ、どれくらい必要なんだ?」
「とりあえず最下級を100本くれ。」
「あいよ、5000マネだ。」
「まからない?」
「これで最安値だ馬鹿野郎。」
最下級回復薬は50マネで回復量は値段と一緒で50。回復薬は150マネの150。強回復薬は250マネの250。解りやすくていいね。ちなみにこれ以上の回復薬もあるらしいけど村じゃ見た事ない。今回はお金も減っちゃったし最下級で何とかしよう。
そんなやり取りをしつつ回復薬を買った俺は早速草原フィールドに出る。今日の道場は終わっているので人がまばらに狩りをしている。
「さて早速。巨人化+咆哮『がぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!』」
人の居ない場所まで来た俺はそのままヘイトスキルでモンスを集める。集まって来たのはお馴染みスライムちゃん、他のモンスはどうやら引っ掛からなかったみたいだ。
スライムの攻撃!!体当たり!!
ルドの盾で受ける!!ルドにダメージ10!!
おっ思った通りダメージ通るな。どういう計算式なんだろう?
スライムの攻撃!!体当たり!!
ルドの盾で受ける!!ルドにダメージ10!!
スライムの攻撃!!体当たり!!
ルドの盾で受ける!!ルドにダメージ10!!
スライムの攻撃!!体当たり!!
ルドの盾で受ける!!ルドにダメージ10!!
スライムの攻撃!!体当たり!!
ルドの盾で受ける!!ルドにダメージ10!!
スライムの・・・
ルドの・・・
・・・・
・・・
・・
・
ちょっちょっちょっちょっと待った!!ダメージ結構いてぇ!!数集め過ぎた!!ATK無いんだから数の調整も出来ないし絶賛ピンチ!!いつも誰かに倒して貰ってから忘れてたよ!!
買い込んだ最下級回復薬も50個切っちまった!!だれかぁぁぁぁぁ!!ヘルプミーーーーー!!
「あのぅ申し訳ありませんわ。」
「ふわぁっ!!」
デジャブ!?
「道場をやっている方でわありませんか?今日は終わったと聞いていたのですが・・・・。」
「あっそうです。」
声を掛けてきたのは何やらエロティックな衣装に身を包んだ美女。胸元の開いたドレスを着こんでいてそこからは大きなものが零れ落ちそうになってるし、下半身何てスリットの入ったスカートにしていて生足がチラリと(ゴクリッ
「あっやっぱりそうなのですね。良かったですわ違う人だったらどうしようかと・・・。」
「あっ話は後で良いんでこいつ等倒してもらっていいですか?」
「あらっ、よろしいのですか?」
「スキル上げしようと思ったら思いの外集まってしまって。ぶっちゃけ助けて下さい。」
「ふふふ、そう言う事でしたら喜んで。」
何と優しい人だ。笑顔も超素敵!!惚れちゃいそう。ゲームの中だけどな!!
美女さんがおもむろに腰の後ろに手を回した。その時ちょっと前傾姿勢になったから谷間様がががががが!!眼福です!!
ピシンッ!!
目の保養をしていると何かを叩きつける音がしたと思ったらスライムの一匹がはじけ飛びポリゴンになって消えて行った。
「へっ?」
突然の事に目を丸くする俺。しかし驚愕はそれでは終わらなかった!!
「さぁ、悪い子にはお仕置きですわよ♡」
「へっ?」
彼女が持っている武器は鞭。結構長めの奴で、あれだ某インディーさんが使ってる形の真っ黒な物を持ってる。んでもう片方の手には火の付いた真っ赤な蝋燭を指に挟む形で3本持ってた。そしていつの間にか顔には蝶の様な仮面が・・・・。
「さぁ良い声でお泣きなさぁぁぁぁぁい!!お~~~~ほっほっほっほ!」
先程までのおっとりとした女性の姿は無くそこには女王様が居ました。はい、ノリノリで鞭を振り回しています。蝋燭から垂れる蝋をスライムに垂らしだした。それでもダメージ入るのね。びっくりだわぁ。(遠い目)
あっという間に数を減らしていくスライム。俺と言えばそばをビュンビュン飛び回る鞭にいつ当たるか気が気じゃなかった。下手をすれば巻き込まれて目覚めてしまう!!
でもこんな美女なら・・・・。いや俺はノーマルだ!!アブノーマルな世界には行きたくない!!
「おぉ~ほっほっほっほ!!ここかしら?ここが良いのかしら?さぁ豚の様に鳴きなさい!!」
ブヒィィィ、はっ!?危ない危ない思わず豚になりそうだった・・・。こりゃスライムが全滅するまで止まりそうにないな。女王様が満足されるまで壁役に徹しますかね。
「お恥ずかしい所をお見せしまして。どうも武器を持つと性格が変わってしまって・・・。」
「あっいえ。大丈夫です。」
それしか言えねぇよ。個人の趣味はそれぞれだし。ここはゲームだし。あっでもお礼はちゃんと言わないとな。
「ありがとうございました。おかげで助かりました。」
「いえいえ、こちらこそ良い経験値になりましたわ。」
「あの俺ルドと言います。お名前をお聞きしても?」
「あら失礼しましたわ。私クインと申します。」
名前も女王様から取ってるのね。徹底してらっしゃること。
「しかし、噂も馬鹿には出来ませんわね。本当にダメージが入れられないなんて。」
「あはははは、SNSを見られたんですね。こればっかりはランダムを選んだ自分を恨むしかありませんから。」
SNSや掲示板で俺の情報が拡散されている事は知ってる。イルセアさん達に教えて貰ったからね。レベルが上がらない全くの役立たずみたいに書かれているらしい。その影響か盾職全体も不要なんじゃって話に肥大化してるとか。なんでそんな話になるのかねぇ?
「それにその分ヘイト稼ぎとDEFには自信があります。」
「なるほどDEFがお高いんですのね。」
その時クインさんの目が獲物を狙うような目になった事は気にしない事にした。うん、叩きがいが在りそうとか思ってそうだねこの人。怖いわぁ・・・・。
「クインさんは道場を目当てにこちらに?」
「えぇ、私鞭を使っているのですがATKに振り過ぎましてDEFが低くて・・・。」
「それで誰かに盾役をやって貰おうと?」
「専属の下僕コホンッケホンッ、盾役を探しておりまして。丁度そこに道場をやっていると噂が流れて来て是非スカウトしようかと。」
おいおいこの人今下僕って言ったよ。俺は豚に成り下がった記憶はないぞ!!(数分前から目を逸らしながら。)
「そうですか。でも自分はレベルが上がらないのでご迷惑になります。誰か別の人を探してください。」
「あら残念。振られてしまいましたわ。では森に入れるレベルになるまで道場でお世話になる事にしますわ。」
「それは是非、お役に立てて下さい。次回は明日の夜になりますけど。」
「ふふふ、それは楽しみですわ。」
うん、その時にあわよくばなんて思わないで下さいね?いやPvPでも無ければプレイヤーにダメージは無いけど、間違って殴らないで下さいね?(ドキドキ)
その後、ログイン制限時間が迫っているという事でクインさんとはフレンド交換をして別れた。さてデスペナも消えたし今日はログアウトするか。
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
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