第9話
再度の休憩を経てログイーン!!スライム集めはあの魔女さんがとりなしてくれて穏便に済んだ。逆にまたお願いしたいと言われてこれから出勤です。
門の外に出るとすでに何人かのプレイヤーが魔女さんと一緒に待っていた。
「どうもルドさん、お待ちしておりました。」
「お待たせしましたイルセアさん。」
魔女さんの名前はイルセアさん、装備している帽子は個人コードが一桁の人達だけに配布されたレア装備らしい。彼女はその装備に合う様に魔法使いを選んだのだとか。
「では早速やりますね。あっ今回は全力でやりますのでちょっと離れてください。」
「はい?全力ですか?どのくらい離れれば・・・。」
「あっ3メートルくらいで大丈夫だと思います。はい、そのくらいで。では行きますよ。<サイズ補正>解除!!かぁ~らぁ~のぉ~<咆哮>『GUAAAAAAAAAAAAAAA!!』」
今まで他の人の迷惑になるかなぁって思ってサイズは通常人間サイズでずっと動いてました。でも俺の種族はセミジャイアント。本当なら半巨人なんだよねぇ。
体が大きくなったことでヘイトスキルの咆哮もその威力を十全に発揮してくれる。初期草原フィールドのほとんどのモンスを集める事に成功した!!
「<サイズ補正>発動っと。それじゃあ順番に飛ばしていきますねぇ。」
「あっはい。」
魔女さんが返事をしてくれたけれども他の人は唖然とした表情から戻って来てないな。そんなに珍しかった?
「あのぅルドさん?」
「あっメガネさん、お久しぶりです。」
モンスの攻撃を受けながらまだ意識が戻って来ていない人達を見ていると、その中にお世話になったメガネさんが居て声を掛けてきた。
「大変失礼だと思うのですが種族を教えて頂いても?」
「えっ?種族ですか?」
「あっもちろん情報の対価はお支払いしますし話したくなければ無理にお聞きしません。現在種族は人種と獣人種と森人種しか確認されておりませんのでルドさんの種族は何かなぁと気になって・・・。」
「えっ?そんなに少ないんですか?他にも天種とか魔種とか樹人種とか居ませんでした?」
「「「「「「「えっ!?」」」」」」
俺の情報に驚く周囲に人達。あれぇ?キャラクリの時に種族の所にあったはずなんだけどなぁ?
「ほっ他には何か知っていますか!?」
「種類が多すぎて全部は覚えていませんが・・・・。機人種とか種子種とか魚人種なんてのも居ましたよ?種族の所にありませんでした?」
「見た覚えは無いですね・・・。」
あら?これ何かの特典だったのかな?
「あっそれで俺の種族でしたね。俺の種族はセミジャイアントです。半巨人ですね。」
「「「「「半巨人っ!?」」」」」」
その後モンスを弾き飛ばしながら傍に来たメガネさんの質問に答えるという珍妙な場面が作り出された。
覚えている限りの種族の種類と俺の種族の特性を話終えるとメガネさんもスライム道場と、他のモンスターも居るのにいつの間にか皆にそう呼ばれていた試みに参加してレベルを上げて帰って行った。
そして手元には1万マネ。内訳は情報量9000マネ+参加費1000マネですな。いやぁ、参加費を取らないと駄目だと言われたから10マネで良いよと言ったんだけど100人も来ているとは思わなかった。
そのお陰でフィールドに居るモンスはリポップする端から全滅、俺と一緒の初期村を選んだ人達は軒並み参加してレベルを上げ森に入って行った。
一部森でもやってくれないかと話が合ったけどその前に草原フィールドの奥、森の入り口付近でやる事が決定。俺が状態異常耐性を上げたいって言ったのが原因だけどね。
あっ道場が突然終わる事もあると通達してもらった。公式SNSにイルセアさんが書き込んでくれるって。スキルレベルがカンストしちゃうと上げる必要無くなるからね。Lvは一個も上がらないんだけどな!!
シールドバッシュとカウンターのレベルも5まで上がり、双盾術も10まで上がったからね。イルセアさんとの話し合いの結果、ゲーム内時間で午前中はスライム道場。午後は蛇道場にする事が決まったよ。なんか遠くからスライム道場目当てに人が来るらしい。
スライム道場の方が落ち着いたら蛇道場を主体にして最後は森でっていう話だったけど・・・・。耐えらえるかなぁ?
「それではルドさん、今日もありがとうございました。」
「はい、では又明日。」
道場はゲーム内時間で夕方5時におしまい。そっからは自由時間だ。まるで仕事しているみたいだなぁ・・・。
あっイルセアさん達とは昨日フレンド交換しております。一緒に狩りは出来ないけど手伝えることは手伝ってくれるって。気にしないでとは言っておいた。
俺はそのまま村の雑貨屋に足を運んだ。
「おっす親父居るかぁ~?」
「居るに決まってんだろうが!!俺が居なかったら誰が店やるんだよ!!」
ちょくちょく顔を出していたらこの親父とは気軽に話せるようになってた。呼び方も気が付いたら親父って呼んでたなぁ。結構気さくないい親父なんだよ?名前は知らんけど。
「なぁ~。そろそろ鍛冶屋誘致してくれよぉ~。呼べるんだろぉ~。」
「前にも言っただろうが!!この村に鍛冶屋呼ぶなら村をもっとでかくしなけりゃ無理だ!!それには亜空の旅人の協力が必要だが旅人連中はすぐに別の街に行っちまうからな、諦めるこった。」
「だったら別の街に俺を連れってってくれよー。なぁ~なぁ~。」
「駄々こねるガキじゃねぇんだから・・・・。やめろ!!纏わりつくな気色わりぃ!!」
村が実は発展するって情報はメガネにもイルセアさんにも流してる。でもゲームやる連中ってのは自分が一番になりたい連中ばかり。つまりどんどん攻略範囲を広めるほうに目が行きがちで村の発展を考える人は少ない。
しかも村を発展させるにはリアル1ヵ月とか掛かるそうな。ゲーム内時間で半年、長くて1年だよ?誰がやりたい?
まぁそんな中村が発展しないとにっちもさっちもいかない俺は手伝える物だけをちょくちょく受けるつもりだ。
「で何しに来た?買い物か?」
「んっ?冷やかし。」
「出てけ馬鹿野郎!!」
「いやいや冗談だって。それで相談してた盾は入手出来そう?」
そうなのだ、鍛冶屋が呼べなくて改造が無理なら他所から買って来て貰えばいいのだ!!という事でATKが付いた盾を親父に発注してみた。
「やっぱり無理だな。今は何処もかしこも旅人の対応で手一杯で特注は受け付けてねぇとよ。それに鍛冶屋ってのはプライドがたけぇ。特注したけりゃ自分で来いとさ。」
「Oh‥‥。」
やっぱり無理だったかぁぁぁぁ・・・・。
まぁ知ってたけどね。だからこそ村の発展クエストに活路を見出すのだ!!雑貨屋の親父の元気な姿も見れたし早速ギルドに行ってクエスト受けますか。
「じゃあな親父、酒飲み過ぎて早死にするなよ!!」
「酒なんてこの村じゃ微々たる量しかねぇよ!!」
雑貨屋を後にした俺はそのままギルドに足を運んだ。
「あっミーニャさん、こんちわ。」
「いらっしゃいませルドさん。今日はどのようなご用件で?」
「村発展クエストを受けたいのですが。あっ雑貨屋の親父から聞きました。」
「はい発展クエストですね。少々お待ちください。」
村発展クエスト 土木工事の手伝いを受注しました。
村発展クエスト 柵の修理を受注しました。
村発展クエスト 木材採取を受注しました。
「現在受けられるのはこれくらいですね。」
「ありがとうミーニャさん。」
ギルド唯一の受付嬢ミーニャさんから、村の発展に必要なクエストを受注出来た。猫耳美少女なら人気があったんだろうけど、2足歩行する美猫であらせられるミーニャさんにはコアなファンしかいない。ほら俺の後ろに手をワキワキさせてる変態が・・・・・。あっ警備兵に連れてかれた。お勤めご苦労様でーす!!
「それじゃあ早速行ってきますね。」
「あっ木材採取だけは気を付けてくださいね。森の傍まで行きますので魔物が当然出ますから。ルドさん攻撃出来ないんですからすぐに逃げてください。」
「ははは、解りました。そうします。」
くぅっ!!心配そうな顔をしてくれるミーニャさん可愛い!!前に語尾にニャは付けないんですかと聞いたら真っ赤な顔で赤ちゃん言葉は使いませんと怒られたけどな!!語尾にニャを付けるのは子供か成人して間もない人だけらしいぞ?
えぇいそんな事はどうでもいい!!輝かしい未来の為に働くぞー!!
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
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