第245話

仕事&育児関連のドタバタで更新遅れました。




風呂での事故?の後、昨夜はイルマと微妙な空気のままお互いの寝床で就寝。


そして翌日の朝こそ微妙な空気のままだったが、美味しい朝食を食べた後にはなんとかいつも通りの雰囲気に。


その後はまた雑談して昼食も腹一杯食べて、いざマリオン様の神殿へ。


「やっぱり立派だよなぁ。」 


2人で列に並びながら神殿を見上げる。


流石、商業の女神でもあるマリオン様の神殿。


「そういえば、イルマはこの神殿で祈ったりとかしたことあるの?商業学園の生徒だし。」


ううん。と首を振るイルマ。


「商業学園の生徒でも、神殿で祈りを捧げるような敬愛な信者は本当に極一部だよ。私は機会があれば一度行ってみようと思ったまま、今日を迎えたって感じかな。ラグナは?」


「この街に来て1回だけこの神殿には入ったよ。」


まぁ入っただけでお祈りとかはしてないんだけどね。


2人で話をしながら並んでいるとマリオン様の神殿のシスターがやってきた。


『こちらへ。どうぞお連れさまも。』


イルマは驚いた顔をしていたが、コクリと頷くと2人でシスターの後に付いていく。


神殿の裏口?に案内されてそのまま神殿内へ。


案内された部屋には、


「使徒様、お久しぶりにございます。」


深々とラグナにお辞儀をする、顔をベールで隠している女性がいた。


顔は見えないが、つい最近聞いたばかりの声の人物を間違えるわけがない。


神殿内で待ちかまえていたのは、まさかの……


「リ、むぐっ」


その名を口にしようとしたら、魔法的な何かで口を塞がれた。


『その名前は口にしちゃ駄目だぞ~!』


頭の中に声が聞こえた。


「ラグナ、この方は……?」


「えっと……」


なんて説明すれはいいんだ……


ラグナが困惑していると女性自ら自己紹介を始めた。


「私はマリオン様の巫女であるリオルと申します。」


「イ、イルマです。初めまして。あ、あの……巫女様に会えて本当に光栄です!」


「ありがとうございます。それで使徒様、本日はどのようなご用件で?もしかして私に会いに?」


「まさか。あなたが居るとは思ってもいませんでしたよ。今日は彼女がマリオン様にお礼を伝えに祈りたいと言うので、その付き添いをしているだけです。」


何故普通に賢者リオがここにいるのか、困惑するラグナ。


装置の中でしか彼女は生きられない筈なのでは……


「そうでしたか。その想いはきっとマリオン様へと届くことでしょう。では特別に祭壇の間へと案内致します。使徒様もどうぞこちらへ。」


巫女リオルの提案に素直に従うイルマ。


『素直に従っているって訳じゃなくて、あまりにも想定外の事ばかり続いているから思考が追い付いてないのかな。』


リオルと対面してからイルマはずっとガチガチに緊張している様子。


『まぁ……こんな状況なんて普通は有り得ないだろうからね……』


イルマがいる前ではリオに問いただす事も出来ないのでラグナも素直に2人について行く。


「どうぞこちらへ。祭壇の間となります。」


祭壇の間の扉がゆっくりと開かれる。


「わぁぁ。」


マリオン様の像と豪華な祭壇。


そして独特の雰囲気。


「では、マリオン様に祈りましょう。」


3人はマリオン様の像の前で膝をつくと、それぞれが祈り始める。


『あっ、この感じは……』


ラグナがゆっくりと目を開けると、そこは懐かしの空間。


「マリオン様……?」


ラグナの目の前には……


今までみたこともないような、疲れきった姿のマリオン様が。


「2人とも、久し振りですね。」


ラグナは2人という言葉に驚き後ろを振り向くと、そこにいたのは賢者リオだった。


「マリオン様、お久しぶりに御座います。」


「!?」


リオがマリオン様に対してもの凄く丁寧に接していることに、ラグナは驚いてしまった。


そんなラグナの視線にリオは気が付くと、


「その目は何さぁ。意外そうな顔をしちゃって。マリオン様には昔からお世話になっているんだよ?ちなみに私はこれでも昔はマリオン様の使徒と呼ばれていた時期だってあるんだ。敬うに決まっているじゃないか。」


「そうだったのですか!?って、遅くなりましたが、マリオン様お久しぶりです。」


「お元気そうで何よりです。」


明らかに以前とは違う雰囲気のマリオン様。


よく見ると目の下にはクマのような物がうっすらと見えていた。


『女神様にもクマって出来るのか……』


「ラグナ君、いくら女神でも休み無しでずっと働き続けたらクマくらいは出来ますからね?はぁ……これからもまだまだ動かなきゃいけないのに……商業関連の業務は溜まる一方……誰か手伝ってくれないかしら?」


チラチラと視線を感じるが、あえて気が付かないフリを。


「それにしても、私までここに召喚されるなんて……何かあったのですか?」


「ま、まぁ……詳しくは言えないのですが……リオ、ラグナ君。私を助けてくれませんか?」


まさかのマリオン様からの救援要請だった。

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