第220話
『ん~?なんか驚くことなんて言ったぁ?』
リオはラグナが驚いた顔をしていたので疑問に思ってしまった。
「最初から驚きっぱなしですよ。守護の女神サイオン様ってどんな方なんですか?」
『あ~、そういう事かぁ。もうサイオン様が姿を現さなくなってから数百年は経過してるからねぇ。ん~。サイオン様かぁ。一言で言うとまさに女神様!って感じかなぁ。』
「女神様??」
リオの返答にラグナは困惑する。
『そそ。まさに女神様って言葉がぴったりなお方なんだよ~。』
リオの返答にいまいちピンとこないラグナ。
「守護の女神様なのだから女神様では……?」
『それはそうなんだけどさぁ~。いつか会うことが出来れば判るよ。女神様って私が言った意味が。それに比べるとマリオン様って女神様達の中では特に話しやすいお方だからね~。』
またリオから気になる言葉が。
女神様達。
「リオさんはサイオン様とマリオン様以外の女神様にも会った事があるのですか?」
『あるよ~。魔法神様とか、精霊神様とか、鍛冶神もかなぁ~。』
やはり現代に比べて過去は女神様や神様達が気軽に降臨していたらしい。
『そりゃそうだよ~。自分達が許されている権限ギリギリまで使わないと魔王によってこの星が奪われてしまうからね~。女神様や神様達も私達を守るのに必死だったのさぁ。』
その話を聞いてやはり疑問に思う。
「魔王って何なんですか??なんで女神様や神様達は手を出せないのですか??」
直接魔王を裁いてくれれば平和なのに。
『魔王という存在かぁ。いろいろ説はあるんだけどねぇ。この星に生きる生き物の負の感情が集まって産まれた邪神の子どもと言われたり、他の世界からの侵略者だとも言われたり……結局の所はよくわからん。って感じかなぁ。以前女神様達に直接聞いたんだけどさぁ。どうやら話したくても話せないって感じだったよ~。それと同じように女神様や神様は直接魔王を裁く事が出来ないんだって~。』
女神様や神様達はやはり何かしらのルールに縛られているから、好き勝手には出来ないのだろう。
『そういえば……あと数年で魔王が復活するって報告があったんだけど、何か聞いてる~?』
リオから急にそう言われたラグナは顔色が悪くなる。
フィリスに話したことが、もしかしたら広まってしまったのだろうかと……
そんな事になっていたら彼女達の身に危険が迫って
いる……
『ん~?どしたの?エチゴヤから連絡が来たんだけど違うの?』
エチゴヤから連絡と聞いてホッとしたラグナ。
「何でもありません。エチゴヤからなら良かったです。」
『んで実際の所どうなのよ?復活するの?』
リオにならば大丈夫だろうと判断したラグナは伝えることに。
『正確な日時はわかりませんけど、僕が15歳になる年。つまり後4年前後で魔王が出現するとは聞いています。』
はぁぁぁぁと長いため息を吐くリオ。
『ま~じ~かぁぁぁ。流石に今回はダメかも知れないなぁ。あの時も魔王という驚異があったから多種多様な種族が一丸となって戦うことが出来たけど、今回は無理だろうなぁぁぁ。』
何度もまじかぁぁと唸っていた。
「流石に今回も魔王という脅威が現れたら纏まることが出来るんじゃないですか??」
そこまでバカでは無いと思いたい。
『あ~、無理無理!今回はどうにもならないよ~。救済国家 ミラージュvs深緑の森 アルテリオン&鍛冶の国 ガッデスで数十年近く戦争中だもん。』
再び知らなかった情報に唖然とするラグナ。
「えっ?戦争中?」
『そそ。戦争中。日野っちが懸念していた通りに救済国家ミラージュは人族至上主義を掲げて、エルフとドワーフに戦争を仕掛けたんだもの。』
戦争がおこなわれているなんて聞いたことが無かった。
『そりゃそうだよ~。ヒノハバラなんてデカい国ならば戦争を仕掛けには行くけど、仕掛けられるなんて無いからね~。それにミラージュは捕らえた異種族をヒノハバラのクソ貴族共に売却して利益を生み出して戦費の一部を賄っているんだから。』
さっきから次々と爆弾が放り込まれてすでに思考が停止しそうだった。
『そんな状態なんだもん。今回ばかりは纏まるのは厳しいと思うんだ~。それにヒノハバラでも最近政争があったでしょ?あれでがらりと役人が入れ替わったからね。どう動くのか判らなくなってきたよ。だから余計に厳しいと思うんだよね。』
ラグナもリオからの話を聞いて確信する。
『これ……詰んでね……?』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます