第24話 舞踏会 お披露目

それから数週間後の事 お城での華やかな舞踏会の席

大きな扉を開ける前 中の舞踏会に入る前

怯えたような表情を見せるエリナ


「大丈夫ですか?」マチルダ伯爵「大丈夫か?」

「あ、は、はいマチルダ伯爵さま リュダス伯爵さま」


「いえ、これからはアランと呼んでください エリナ姫さま」

「俺はヘンリーですよ 姫」にやりと笑うヘンリー・リュダス伯爵


「お返事は?」二人が同時に聞く「はい」


「良く出来ました」エリナの額にキスをするアラン・マチルダ伯爵

「いいね」リュダス伯爵の方、こちらはエリナの頬にキスする


「‥行きますわよ」微笑するマルガテレーゼ姫



大きな扉が開き 舞踏会の人々の前に・・


人々がざわめく 「あ、あれはマルガテレーゼ姫ではないか?」

「車椅子での登場とは・・・」


「それにあの白いレースを頭から被った娘は一体?」「あら、姫にノベル伯爵じゃないの?」

「マチルダ伯爵、政務などは有能だが 父親が罪人、人前に出るとは恥知らずな」


マルガテレーゼ姫が手をあげると 

それを合図に演奏していた者達 音楽が止まり

人々が注目する


「皆さま ご機嫌よう 素敵な夜ですこと

冬至のこの夜に大事なお伝えしたい事があって参りましたの」マルガテレーゼ姫


「私は女王になるべく 身体の治療に専念してまいりましたが

身体の健康は悪くなるばかりです ですから 

見つかった私の双子の妹 エリナ姫に王座を譲り

私は摂政として尽くしたいと思いますわ」


ぱらり 頭から被って顔を隠していた白いレースを外すエリナ

人々が驚愕して大騒ぎになる。


「同じ顔!」「なんてそっくり!」


「皆さま まだ御話には続きがございますわ」マルガテレーゼ姫


「私の双子の妹エリナ姫と王家の血を引くマチルダ伯爵かリュダス伯爵は婚姻して

女王と王配いえ王となるのです 

式は18歳になる三年後です 盛大な式となるでしょう」


「さあ、ワルツを皆さま ふふっ」「ええ、どうぞ皆さま」

マルガテレーゼ姫と私、エリナがそう言った


人々の中から姫に近ずく一人の男

「マルガテレーゼ姫 どうゆう事ですか!」怒りで顔を赤くして男は言う


「ダステイス公爵 貴方の摂政の仕事ぶりには感謝しますわ

でも、これからは私が新たな摂政ですの」冷たく言い放つマルガレーテ姫


「そうですわ 今までご苦労さまですこと」少し震える声で私エリナも言い放った


「み、認めん 認めんぞ」ダステイス公爵は地団駄を踏みながら言う。

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