第16話 王宮 瓜二つの王女

「もう朝なのね」まだ若い少女の独り言

「起きなきゃ あ」ふらついて 柔らかなベットに倒れ込む バフン

彼女の顔はエリナと瓜二つ


「マルガテレーゼ姫様 王女様」ノックと共に入って来る女官たち

「‥‥」「お加減は如何でしょうか?」


「いつもの通りよ はあ」深くため息

「窓を開けて頂戴」「はい、姫様」


「消化の良い滋養食と薬湯 お薬でございます」

「‥あまり入らないけど 少し頂くわ」

やっとの思いで食事と苦い薬湯を飲み込む王女マルガテレーゼ


「では 失礼いたします」「……」青い顔でただ黙っている王女マルガテレーゼ



パタン ドアが閉まる


「今日はマチルダ伯爵とリュダス伯爵は来るかしら?」


「きっと私は長くないわね」窓から見える空を見上げて王女はそう呟く。



部屋から出た女官の一人がにやりと笑う


「食事や薬湯に混ぜたヒ素と他の毒 もうすぐか・・くくっ案外としぶといわね」

「数か月前 大病を患、 その時から始めているけど」

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