第4話 ブラックな店の屋根裏部屋
シュシュ ちくちく・・・針を動かして手縫いで服を縫う
この洋装店で仕事を始めて数か月後
どうにか一人前の針子としてそれなりの技量は得た
だけど・・
朝から夜中までの仕事 お休みはひと月に2,3度だけの半日
屋根裏部屋で集団での寝起きに 仕事をしながらの食事
食事は野菜入りのスープと固いパン たまに果実 お風呂は地下室の大きな桶
掃除、洗濯は当番制
・・・ブラックだわ ブラック過ぎるかも
冷風、温風のそれなり程度の機械
「寒くなってきたわね」 「はい、そうですね」
少し年上の同じ針子の仲間 ネイセお姉さん
「私は今度 田舎に帰る予定だけど 必ず帰るようにと書類にサインさせられたわ」
「・・・・病気になって 死んだ子は街はずれの墓場にポイ」「・・・・・・」
「夏の暑さもつらいですね」「夏場と冬場に病気になる子が多いから」
「病気になった子は地下室に移されて 医者も呼ばれず 食事と薬だけ」
「あと・・この店の主人に乱暴されて 自殺した子も・・」
「・・あんたも可愛いから気をつけてね」「あ、はい」
「最近は学園の制服の仕事が多いけど 今度は学園のパーテイ用の服の注文も来るわ」
「パーテイの服は貴族の子女の服だから 豪華で素敵よ」「・・・・・」
「内乱で一時 この国は混乱状態だったけれど 今は治安も落ち着いて
逃げた貴族たちも ほとんど戻ってきたわね」
・・・貴族 本来なら私も 低い身分でも貴族なのに
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