第33話 オリンピックにおけるマスコミの在り方
連日、テレビも新聞もパリオリンピックの話題でもちきりだ。ただ、毎回気になるのがマスコミの在り方だ。
大会が始まる前から、兄弟でメダル、◯連覇、◯年ぶりの、とキャッチーな言葉と共に煽りまくり、ズバリ狙うメダルの色は⁈と金メダル宣言の強要をする。
美談とドラマティックな裏話が大好きなマスコミが、無理やり感動的な報道をするために躍起になる。
今回、柔道の阿部詩選手の2回戦敗退時の号泣を見た時、夫がボソッと「みっともない」と呟いた。なんて心ないことを言うんだと腹が立ったが、次の試合に出る選手たちが待つ姿が後ろに映ったのを見た時、確かに詩選手だけの舞台じゃない、とハッとした。
マスコミが、兄妹で金!兄妹で連覇!と大騒ぎしていなかったら、あれだけの観客の面前で泣き崩れることなく会場を去れたのではないか。
有名な選手やメダルが期待できそうな種目に余計なプレッシャーを増やし勝手に多大な期待をし、負けた選手の最初の言葉を「すみません」にさせていないか。
負けても誇らしげに「やり切れた」と笑顔を輝かせる選手の清々しさが正しいのに、報道の少ない競技への取材の熱の差は分かりやすく、大袈裟に感動したと言うわざとらしさが選手にも伝わっているのが見える失礼さよ。
それぞれの選手が地道な努力で掴んだ夢の舞台。選手たちの努力の集大成を放つ大舞台。それがオリンピックではなかろうか。
マスコミが報じる美談やドラマは、時に仇となり舞台を汚す。
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