第37話
ステータスを開く前に自分の変更前のステータスのメモを取り出す。
ハヤト 男
レベル:1
固有スキル きゅう:LV5
ジョブ:闇魔導士
体力:1+100
魔力:1+100
敏捷:7+300
技量:1+100
魅力:0+100
名声:0+100
スキル・闇魔法:LV10・全能力アップ:LV10・スタミナ自動回復:LV10・短剣:LV10・投てき:LV10・罠感知:LV10・敵感知:LV10・偽装:LV10・呪い耐性:LV10・状態異常自動回復LV10
武器 白のダガー:50 ・防具 初心者卒業防具:30
その後に今のステータスを開く。
ハヤト 男
レベル:1
固有スキル きゅう:LV5
ジョブ:サムライ 【NEW!】
体力:1+100
魔力:1+100
敏捷:7+300
技量:1+100
魅力:0+100
名声:0+100
スキル・闇魔法:LV10・全能力アップ:LV10・全自動回復:LV10【NEW!】・罠感知:LV10・敵感知:LV10・偽装:LV10・呪い耐性:LV10・刀:LV10【NEW!】・斬月:LV10【NEW!】・ステップ:LV10【NEW!】
武器 黒の刀:150【NEW!】 ・防具 黒の衣:100【NEW!】
ジョブをサムライに変えた。
刀と刀のアーツスキルの斬月を取得。
更に近接用のステップで素早い動きを手に入れた。
武具も黒装備に変更し、攻撃力も防御力も上がった。
きゅうの能力アップは200ポイント全部を敏捷に振った。
これなら短剣&投てきの雑魚狩り能力をカバーしつつ刀で戦える。
接近戦しか出来ないなら速く動く作戦だ。
更にMP自動回復とHP自動回復、スタミナ自動回復、状態異常回復のスキルをフル取得した事でスキル統合され、全自動回復になった。
サムライスキルとどっちを取るか迷ったが、昨日死にかけた事もあり、回復に振った。
サムライスキルを全部取らなくても、刀と斬月のスキルがあれば昨日より楽にボスを倒せる、はず。
マイナスになった部分もある。
黒装備は能力値が高い分耐久力は控えめだ。
それに刀は耐久力が低いのだ。
「く、黒装備だね?」
「ああ、報酬を前払いで助けてもらってやっと強い武器が買えた」
「ぷふーーーー!」
カインが笑う。
カインを見ると俺よりグレードの高い装備を付けていた。
こいつ、少なくともダンジョンの6階までは進んでいる。
6階に行けば稼ぎが急に良くなるのだ。
10階まで行っているかもしれない。
「すぐ3階まで行きましょう」
兵士の声で皆足を速めて進む。
【ダンジョン1階】
「おりゃ!」
俺は素早く近づきラビットを刀で瞬殺する。
刀の動きを確かめておきたかったのだ。
「おお!やっぱり刀はいいな!」
「そ、そういえば君は、け、剣道をやっていたね」
「昔だけどな。刀は使いやすい」
「ざ、雑魚は任せるよ」
「そうか?俺が魔石を貰うぞ」
「ハヤト、みんな1階の魔石は欲しがらないと思うわ。上の階の魔物を倒した方が魔石が貯まるのよ」
クラスメートの女子が話した。
「皆俺より先にいるんだな」
「そんなことは無いわ。ハヤトのその動きはおかしいのよ。動きが良すぎるのよね」
アオイとカインが一斉に俺を見る。
2人から値踏みされるような威圧感を感じた。
気のせいかもしれないがな。
「死にかけたからかな?」
「え?」
今となっては中ボスは少し頑丈な雑魚と変わらない。
だが、序盤は死にかけた。
「俺一人でダンジョンに入ったんだ。それで、運悪くラビットに囲まれたり、中ボスラビットが仲間を呼んで集まってきたりして、何回か死にかけた。危ない目にあうと必死で考えるんだ。死なないようにどうすればいいかってな。それで答えが出た」
「答えって何?」
「やられる前に早く魔物を倒す。それが答えだ」
魔物を倒すのに手間取れば包囲される。
素早く魔物を倒し、常に1対1をキープすれば危険は少なくなる。
ゲームと一緒だった。
いや、ゲームより視野が狭い分ゲームより大事だ。
そのための刀装備と刀スキル、そして刀のアーツスキル、斬月だ。
このセットでボスも早く倒す。
この装備とスキルセットでボスを早く倒せるはずだ。
「俺先行して魔物を倒すぞ。練習したい」
俺は何度も魔物に斬りつけた。
刀はいい!
俺の得意な武器だ。
「ハヤトって、追放されたから強くなったのかな?」
「そうかも」
こうしてすぐ2階にたどり着く。
【ダンジョン2階】
「つ、次は、ぼ、僕が魔物を倒すよ。スケルトン!」
2体のスケルトンが姿を現す。
俺と同じ闇魔法スキルか!
2体のスケルトンはLV10の証拠だ。
まさかレベルリセットをしている!?
いや、そうとも言い切れない。
レベルをたくさん上げれば取れる。
スケルトンが魔物を倒し、トラップを踏み、皆の道を作っていく。
しかもあいつ素手か。
武器を出す必要すら無いのか。
武器が無くてもスケルトンは使えるが、スケルトンだけで十分と言っているようにも見える。
カインのスケルトンが強い!
スケルトンの強さはスケルトンLVと使用者の能力値に依存する。
スケルトンが簡単に魔物を倒し、トラップを踏んで起動させていく。
「魔石や、ドロップは、い、いらないから皆にあげるよ」
この魔石がゴミに見えるほど稼いでいる、か。
「ダンジョンの前では簡単に勇者アサヒを転がしてたし、スケルトンが強い。カインがこの中で1番強いのか?」
「そ、そうだね。僕が、つ、強いよ」
「3階もカインが居れば楽勝じゃないか?」
「カインの後について行けば楽ね」
「あせぶ、カインは強いのね」
クラスメートと俺はカインをおだてる。
カインの機嫌が悪くなると厄介だと思う。
俺の直感と同じで、皆も同じことを感じたようだ。
俺達の話を聞いたカインは鼻の穴を大きく広げて喜ぶ。
こうして俺達は魔石やドロップ品を拾いながら3階に移動した。
【ダンジョン3階】
3階には行ってすぐ、アサルトボアのボスが現れる。
ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!
「まずい!昨日と同じ仲間を呼ぶボスだ!皆で倒そう!」
「だ、大丈夫!ぼ、ぼくが!ぼくがやる!」
「いや、でも」
「ぼ、僕一人で!じゅ、十分だよおおお!」
カインは急に大声を出す。
カインが怖いのか皆黙る。
「わ、分かった。頼んだぞ」
カインはザコをスケルトンに任せてボスと対峙する。
ザコは放置か!?
カインは杖を出す。
今まで本気じゃなかったのが分かる。
「ふ、ファイア!ファイア!ファイア!ファイア!ファイア!ファイア!ファイア!ファイア!ファイア!」
魔法スキルの利点はクールタイムが無い事だ。
ただし発動まで時間がかかり隙が出来る。
カインは高速詠唱のスキルを取って魔法スキルを連発しているんだろう。
ボスが倒れてドロップ品と魔石をばら撒いた。
瞬殺か!
俺は複数パーティーと共に戦い、危ない目に会いながらボスを倒した。
雑魚が集まりきる前とはいえ、倒すのが早すぎる!!
カインはザコも魔法とスケルトンで処理し、こちらを向いた。
褒められるのを待っているようだ。
「凄いじゃないか!カインが一番強いのかもな」
「ぼ、僕は最強なんだ」
「あせ、カインに任せれば余裕みたいね」
「次もカインに頼んでいい?」
「ま、任せてよ、僕がいれば、あ、安心だよ」
カインは鼻の穴を広げて喜んだ。
ギャオオオオオオオオオ!!
「大変よ!アサルトボアのボスが、6体現れたわ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます