第26話
「つまり…お前の故郷にはこの手の男性が多いってことなのか?」
再確認したくて俺は、雑誌を広げながら言った。
「うん。そうだよ。この人…雑貨屋してるネートにそっくり」
この人は宿屋のレット、この人は薬屋のアルド…と次から次へとミレイは言ったのである。
「…イケメンばかりなんだな。ホント」
「イケメン…?」
「ああ。容姿が整っているヤツってことさ。まあ、中身が悪いと真のイケメンとは呼べないけどな…」
前世の世界でも容姿は整っているが、中身は最悪の男女って結構いたからな。
「そうなんだ。結局、中身…だよね。言われてみればそうだよね」
「そういうことだ。今日も冷めない内に食べないと不味くなるぞ。昼は簡単に済ますけど、いいかい?」
元々、俺は昼って余り食べないんだよな。
代わりに朝と夜はしっかりと食べるということにしているし。
「うん。いいよ。そういえば、魔物を生成するって言ってたけど…」
「ああ。何、スライムとかだから比較的に危ない魔物じゃないから」
とはいえ、スライムってさ?
結構、手強いモンスターとしてテーブルRPGでは描かれているんだよな。
懐かない処か陰湿にも度が超えていたし。
まあ、俺はテーブルRPGってのは、余りしたことがないし、実際の所は良く分からないんだけどね。
俺は、そういう手強いモンスターとして生成したくないんだよな。
国民的RPGみたいに人懐っこい感じのスライムを生成したいし。
「スライム…か。どんな魔物なのか気になる」
「…そうだな。俺も初めて生成するから気になるんだ」
昨日は、塩・砂糖・胡椒・醤油・味噌・酢といった調味料となるプラントの生成オンパレードだったからな。
結局、スライムの生成は出来なかった。
一番最初にスライムを生成したかったけど、何を間違えて調味料から生成を…?
まあ、仕方ないんだけど。
調味料が無ければ、美味しい料理なんて作れないし。
「プラントって…あの花々?」
朝食を終え、外で魔法の特訓しようとミレイは、城の外へと出るなり言った。
「ああ。驚かす程度しか出来ない花だけどな…」
「そうなんだ。こうして見ていると、あたしのいた所ってホントに色処か何も無かったんだな…」
「色が無い…?」
「うん。見て分かるでしょ?あたしの服。泥臭い色でしょ」
貴族の娘というよりも村娘に近い服しか持っていないのだから、仕方ないとミレイは溜め息を吐きながら言った。
「…言われてみればそうだな。後で出そうと思ったが、今の内に年相応のファッションを召喚魔法で出してやるとするか」
「い、いいの?あたしだって召喚魔法って出来るのに?」
「まだ、風魔法の初歩の初歩しか出来ないお前に召喚魔法は無理だろう。出来たとしてもせいぜい…羽ペンとかの小物程度を出すのが精一杯の筈だ」
何たって召喚魔法レベルは、Lv1しかないミレイにまだまだ無理はさせられないことから、俺はファンタジー系の異世界あるあるのワンピースを一通りと召喚魔法で出したのである。
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