第24話
翌朝、シリウスは朝から朝食の支度に追われていた。
「今日はだし巻きと豆腐の味噌汁にするか」
せっかくと味噌という名の調味料がやっと出来たわけだし?
そう、味噌を造る上でもう大変だったのだよ。
何たって以下の方法で書かれていたのだ。
≪ミソ・プラントに関する生成材料&生成方法≫
-生成材料-
・大豆(適量)
・赤の魔石(その辺に落ちているモノでOK)
・青の魔石(以下同文)
・緑の魔石(以下同文)
・黄の魔石(以下同文)
・マナ(適量)
-生成方法-
大豆を柔らかくなるまで蒸します。
蒸している間、赤・青・緑・黄の魔石をサラサラのサッサラサラ状に粉末にします。
柔らかくなった大豆を大鍋に移し、サラサラにした魔石の粉末を混ぜ、茶色になるまで練ります。
後は作りたい場所にばら撒き、魔力を注入するだけ。
「ってな感じだった。特に2と3は大変だった。塩以上にサラサラって…。で、茶色になるまで練るってもう…なかなか茶色にならないし、約3時間も練ってやっと茶色になったって感じだったな…。醤油は醤油で黒くなるまでって。黒の魔石じゃ駄目なのかよって思ったね…」
まあ、黒の魔石はね…。
調味料に向かない魔石だったから仕方ないんだけど。
だってさ?黒の魔石は…。
≪黒の魔石-解析-≫
・黒色の魔石。
・シルヴァンエルフの魔力で造ることが出来る、石。
・磨き上げることで、ダイヤモンドのような輝きを持つ稀少な石である。
「という感じだった。要は人工物?シルヴァンエルフの魔力ってのは気になるけど、どこかの国でエルフを…?いやいや、今はそんなことを考えるのはよそう」
俺は茶色になるまで練ったミソ・プラントだが、花は橙色という花びらを乾燥させていたことから、それを少しばかりと味見してみた。
「うむ…。コレはなかなか味の深い味噌だな。何だろう…懐かしい味というか。そうだ。コレは昔、亡くなった婆さんが造っていた味噌の味だ。余り子どもの頃、婆さんって好きじゃなかったけど…」
良くオカンとの言い合いは絶えなかったんだよな。
それを見て育ったからなのか、俺、余り婆さんは好きになれなかった。
それだけに限らず、俺にもとばっちりはいったし。
ホント、毎日のようにいい加減にしてくれと思う程の口論が絶えなかったなぁ…。
「っとと…朝食の支度だ。ミレイが起きて来る前に作らないとな…」
昨日の今日だからなのか、まだミレイは夢の中にどっぷりだ。
まあ、仕方ないんだけどね。
きっと、アレからまた、俺の用意した紙を見ながら魔法を使っていたのだろう。
魔法を使ってみたいという、好奇心は悪くないけどね。
どうレベルを上げさせればいいのかどうか…だな。
俺の生成するモンスターを相手にしながら、RPGみたいに地道にレベルを上げて貰うしかないのかなと俺は和食による朝食を作りながら思ったのである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます