第313話 ライトニング・プラズマ

 ライトニングプラズマ。

 空帝ティフォーネが放つ雷撃の鉄槌。数億度のプラズマカノンは、大気を焼き尽くしながらもサマエルに直撃し、その肉塊を焼き尽くし、吹き飛ばし、消滅していく。

 周囲にできるだけ被害が出ないように、サマエルとティフォーネの間に磁力線による通路を作り出し、外部にプラズマが漏れ出さないようにする磁場封じ込めを行い、その通路を通して、そこに超高熱のプラズマカノンを叩き込む。


 太陽の表面でさえも凡そ一億度。それと同等の熱量と威力を食らって無事ですむ存在はいない。眩い灼熱のプラズマカノンはサマエルの肉体に命中し、それをことごとく焼き尽くし、殲滅し、消滅させる。

それは、地上に太陽が降臨したも同然だった。


『が……あああああ!!私の肉体がぁあああ!!』


 エイシェトの上半身の下部、球状のおぞましい肉塊がプラズマによって、およそ半分が吹き飛ばされている。

 当然、数億度の熱量を間近で食らって無事でいられるはずもない。エイシェトの胴体部も超高熱で炭化しているが、その焼き付くされた細胞は再び再生を始める。

 サマエルの竜の首も同様だ。何本かは消滅したが、まだ残りはエイシェトに噛みついて攻撃を仕掛けている。あれではまた復活するだけの話だ。


《チッ、狙いが逸れましたか。それでは続いて第二射行きますか。》


『な……あ……!き、貴様、やめ……!!』


『かまわん!何発でも打ち込んで我を消滅させろ!!永遠の平穏のためなら安いものだ!やれ!エイシェトよ!我が身を好き勝手にしようとした罪、我をこんな世界に引き落とした罪、自らの事しか考えず、我を苦しめた罪により、ここに汝に対して離婚を宣言する!異論は許さん!!』


『……!!』


そのサマエルの言葉と同時に、再度のライトニング・プラズマがエイシェトとサマエルに叩き込まれ、二人の肉体を焼き付くした。

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