第305話 マイクロブラックホールキャノン。
《よし、ついに儂の本気を見せるときが来たようじゃな。周囲の結界展開と時空の位相をずらすのは任せたぞ。できるだけ周囲の被害を抑えたいからな。》
《はいはい。了解しました。面倒臭いですがやらないとガチ説教してきますからねこの女……。》
そうティフォーネは愚痴ると、キン、という次元を切り裂く音と共に、自分たちとサマエルを巻き込む巨大次元結界を作り出し、周囲を取り囲む。
時空断絶によって覆われたこの空間の内部なら、何が起こっても外には被害が及ばないだろう。さらに時空の位相自体をずらして、さらに現実空間に被害が出にくくさせる。
シェオールは、口を開いてドラゴンブレス発射態勢に入ると同時に、自分の手足の爪を地面にめり込ませて反動に備え、尻尾をピンと一直線に伸ばす。
それと同時に、シェオールの上空に魔力によって構築された円状の魔力力場加速器が展開される。その力場加速器内部で、瞬時に光速すらをも突破するほどの速度で陽子が急加速される。魔力による超電導と加速によって陽子と陽子同士を衝突させると、とある現象が発生する。
《シュヴァルツシルト面発生確認!重力の特異点制御確認!!
食らえ!これが全世界あらゆる神魔、主神クラスすらも消滅させる儂の絶技!
マイクロブラックホールキャノン、発射!!》
超小型魔力力場加速器から発生した”それ”を口に近くに転移させ、それをドラゴンブレスとして射出するシェオール。
超小型の漆黒の球体は凄まじい勢いでサマエルへと突き進んでいく。
ほぼ肉体の再生が終了したサマエルに漆黒の球体が命中すると、その球体に向かってサマエルの肉体がえぐり取られ、巻き込まれ、吸い上げられていく。
その圧倒的で強靭無比な破壊力、光すら飲み込むブラックホールの吸引力の威力に、さすがのサマエルすら叫び声をあげる。
せっかく再生したばかりの肉体の半分以上がマイクロブラックホールに吸い込まれ、削り取られて、消滅していくのには耐えきれなかったらしい。
『”#$%&$%9(){*}?}O>+>PO~&'$"!!!!』
肉体の半分を失ったサマエルは声にならない絶叫を上げた
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