第262話 久しぶりのママン登場。
一方、何とか魔導帝国の戦いを終えたリュフトヒェンたちは、魔導帝国への支援を約束すると、そのまま大辺境の自分たちの領土へと飛行して帰還していた。
食料支援などは行うが、何でもかんでもこちらに頼ってもらっては困る。
自国のことは自国で行え、という判断である。
リュフトヒェン領に戻った彼らは、人化したり小型化したりして、竜神殿へと戻ってきていた。
人間体になったアーテルが首をゴキゴキと鳴らしながら疲れたように呟く。
「はー疲れた。国が儲かるのはいいが、妾に儲けが還元されるまで気の長い話じゃのぅ。」
『でも、久しぶりに思いっきり暴れられてすっきりしたんでしょう?』
「うむ!超すっきりした!!やっぱり小難しい領地運営やら何やらで頭を悩ませるよりも、何も考えずに暴れまわる方がすっきりするのぅ。これこそが竜じゃ!」
竜機をフルボッコにしたのと、久しぶりに暴れまわったので彼女の機嫌は非常に良い。やはりこうして暴れまわるのが彼女にとってのストレス解消になるのだろう。
そんな中で竜神殿に足を踏み入れると、そこには一人の銀髪のロングヘアーが特徴的な全体的に純白のイメージを帯びた一人の絶世の美女の竜人が立っていた。
ほかの竜人に比べて、遥かに巨大な角や翼、そして尻尾などを見ればそれが他の種族との血が混じった混血ではなく、純粋な巨大な力を秘めた竜が変化しているのが見る人が見れば理解できる。それを見て、リュフトヒェンは本能的に悟る。
「久しぶりですね。元気にしていましたか?我が息子。」
『マ……ママン!ママ――ン!!』
ぴょいーんと四肢を伸ばしてティフォーネへと飛びついていくリュフトヒェンだったが、ティフォーネはひょいっと横に避ける。
そして、そのまま小型化したリュフトヒェンはぶへっ、と変な音を立てながら後ろの柱へとべしゃっとダイレクトアタックすることになった。
ずるずると柱から落ちてくるリュフトヒェンを見ながら、ティフォーネは呆れた声を上げる。
「全くもう。それでは私が離れて自立させた甲斐がないじゃないですか。
貴方はもう一人立ちしたんだから、私に甘えてはいけません。
甘えるなら、そこの人間辺りに甘えなさい。」
『う、うう……。甘えるんじゃなくて久しぶりに会ったんだからハグぐらいしてもよくない?ウチのママン、相変わらず厳しい……。』
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