第244話 反乱
『どけーッ!!起動するぞ!!』
竜機に乗り込んだ彼らは、竜機を操り隔壁が降ろされたハンガーを破壊し、外へと出ようとする。
ある程度は目的は達成した兵士派だったが、それでも完全に防ぎきることはできなかった。
乗り込む前なら何とかできたが、もはや竜機に乗り込んでしまった状況では兵士派にできることは数は少ない。
兵士派を蹴散らしながら、基地の外に出る竜機たち。それはあちこちの基地でも同じだ。
そんな彼らの元に、竜機派の上層部から指令が入る。
『我らの目的はただ一つ!この国を支配し、我ら軍部がこの帝国を救済する!
進め!立ちふさがる全ての物を粉砕し、竜機の恐怖を思い知らしめるのだ!!』
『『『了解ッ!!』』』
ほとんどの竜機のパイロットはその上層部の命令に迷いなく返答した。
軍隊にとって上層部からの命令は絶対。それに逆らうことなど許されない。
だが、その命令に疑問を持つパイロットも僅かながら存在していた。
『ち、ちょっと待って下さい!それって民衆も彼らの住む街も全て踏みにじれ、という事ですか!?』
『我らの邪魔をするものたちは全て敵だ!例外はない!民衆だろうが兵士派だろうが邪魔するのなら全て踏みつぶせ!以上だ。』
その上層部の命令に、その少数のパイロットたちは一斉に不愉快そうに言葉を放った。
『冗談じゃない!外敵ならともかく、民衆を踏みつぶしていいなんて軍機にはどこにも書いてないぞ!!』
『自国民を平気で踏みつぶす命令に従うのが俺たちの役目か!?民を、市民を、国を守護するのが俺たちの役目なんじゃないのか!クソッ!やっていられるか!
俺は市民と兵士派につくぞ!!』
首都近辺の基地から姿を現した《ノーム・ニクス》号に乗ったパイロットはそう吐き捨てると、自ら市民たちの方へと向かっていった。それを見て、その基地の竜機派の基地司令は慌ててその彼に向って通信を試みる。
『止まれ!命令に従わぬ兵士は死刑だぞ!上層部の命令に従え!!』
『うるせぇ黙れ!やれるものならやってみろ!俺たちを竜機から引きずり出せる物ならな!!』
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