第231話 早期警戒管制機ゲットだぜ!
《……では、そちらで捕虜を引き取るってこと?》
シルフ4の機体を魔術束縛で牽引しながら、アーテルとリュフトヒェンは自分たちの大辺境の領土へと戻っていった。
飛行している間にも鱗の直接通信を通してシャルロッテと会話してこれまでの事情を説明する。
自分たちの都市を爆撃した対象を捕虜にするというのは、彼女もいい顔をしていなかったが、天蓋結界で被害が出ていなかったのが幸いしたのだろう。
もし被害を出していて、捕虜をそちらに引き渡すというのなら、リンチどころの騒ぎではすむまい。
そうなれば、ただでさえ周辺の諸国から評判が悪いこの国の評価がさらに低下してしまう。
《うん、他の竜機の撃墜した場所は教えるからチェックよろしく。もしかしたら残骸とか残っているかもしれないし。》
向こうも思うところはあるだろうが、国王が真っ先に戦って都市を守るというのは、色々な雑多な種族の入り混じっている竜都やこの国をまとめ上げていることに大きく貢献していた。
しかも、今回は竜都ほぼ上空という事で地下シェルターから出てきた多くの人々が直接目にしていたしシャルロッテの使い魔がそれを実況生中継を行っていた。
これによって彼に対する信仰心はばっちり獲得できるはずである。
《まあいいけど……で、それどうするの?アンタのところで解析とかできないでしょ?》
《このままこの機体を流用してウチの戦力にする。早期警戒管制機とか必要だよなぁ。と常々から思ってたし。捕虜から使い方を教えてもらってからそっちで引き渡すのでもいい?ああ、もちろん危害は加えない方向で。》
早期警戒管制機とかよくわからない言葉に、シャルロッテは疑問符を浮かべながらそれに答える。
《……戦力?早期警戒管制機?まあ、よくわからないけど、そちらがそういうのなら従うしかないわね。で、誰が乗るの?それ。》
《セレスティーナに乗ってもらう予定。あの子も魔術師としては凄腕だから乗りこなせるでしょ。毎回戦いのたびに役に立てない、としょんぼりしているけど、これなら十分役に立てるし。》
危険な前線に立たせるのは気が引けるが、そもそも彼女自分から前線に出張ることが多いし、それならまだ比較的安全な早期警戒管制機に乗ってもらったほうがいいかぁ、というのがリュフトヒェンの考えである。
《うげっ、こんな悪趣味なものを戦力にする?妾さっさと叩き壊したいんじゃが……まあ仕方ないか……。それにしてもやっぱりお主も変人、いや変竜じゃなぁ。》
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