第138話 お風呂にいこう2
ドワーフたちが村に作り上げた大浴場の着替え室に入った瞬間、セレスティーナは鬼気迫る勢いで小型化して抱きかかえていたリュフトヒェンに対して迫る。
「さあ!ご主人様!即座に!人型に!ハリーアップです!主に私のメンタル回復のために!」
そのセレスティーナの状況を見て、やっぱり早まったかなぁ、今からでもなしにならないかなぁ……と渋々ながらリュフトヒェンは魔術で人間形態へと変身する。
その身長も低い、可愛らしい自分より遥か年下の男の子形態になったリュフトヒェンを見て、セレスティーナは思わずハイテンションになって拳を空へと突き上げる。
「来ましたわー!!流石ご主人様!その清純さ、可憐さに勝てる者はおりません!ご主人様しか勝たん!です!」
何かさっきからパシャパシャパシャとめっちゃうるさいけど、もしかして映像保存魔術か何かでめっちゃ映像を保存しているんだろうか。
あまりの映像の取りっぷりに思わずドン引きしてしまうほどである。
だが、セレスティーナにとってはレア中のレアのこの絶好の機会。
滅多に訪れないこの機会を絶対に逃したくない、というのは分からなくもない。
(もっとも、リュフトヒェンが人型になりたくない大体の原因は彼女のせいなのではあるのだが)
「さぁて、それじゃ次はお姉ちゃんと一緒にお風呂に入りましょうね~♪
隅から隅まで全部洗ってあげますからね~♪
まずはお洋服を脱ぎ脱ぎしましょうか。」
手をわきわきさせながらこちらに迫ってくるセレスティーナ。
いややっぱりやべーわこの女、と思いながらも逆らっても仕方ないので、渋々とセレスティーナのされるがままに、魔力で編み上げた服を脱がされていくが、こっそりと腰にタオルだけは巻いてこれは死守!という態度を取るリュフトヒェン。
あまりやりすぎると拗ねて人型を解いてしまうと理解しているセレスティーナは、そのまま軽々と人型のリュフトヒェンを持ち上げて、自分のタオルの巻いた胸に抱きしめながら挟み込み、そのまま風呂場へと突撃していく。
「さあ行きますよご主人様♪二人きりでお姉ちゃんがじっくりと仲良くしましょうねぇ~♪ハァハァ。」
「やっぱりやべーよこの女!は、早まったー!だ、誰か助けてへるぷみー!!」
ショタ形態……もとい、人間形態になったリュフトヒェンはそのままセレスティーナによっておっぱいサンドイッチで挟み込まれたまま風呂場へと拉致されていったのだ。
転移石によって、アーテルの管理している天然温泉から直接湯を転移して運ばれてきた湯は、特に水を足したりしなくてもちょうどいい温度の湯が並々と大浴場の浴槽に湛えられている。
その湯にはかなりの量の魔力が含まれており、竜にとって肉体的な傷を癒すのにも、失った魔力を補填するのにも最適である。
それは人間でも影響を及ぼし、普通の人間は長時間入っていると魔力酔いを起こすが、亜人や魔術師たちにとっては、魔力補填に最適な温泉なのである。
「いいですかご主人様?私は何も年下趣味という訳ではありません。これは人間のご主人様があまりにも可愛らしいためについ暴走しているだけなのです。ご理解していただけましたか?」
自分たちで作った石鹸で体を泡立てて、リュフトヒェンの体をごしごしと洗いながらタオルで体を包んだセレスティーナは熱心に言葉を紡ぐ。
ホントか?単に趣味なだけちゃうか?どっちみち我危ないんちゃうんか?と思いながらも、リュフトヒェンは素直に体を洗われる。
ハァハァという息の荒さと、肉食獣のような爛々とした目の輝きをしている彼女は、いくら柔らかい胸をぎゅうぎゅうと背中に押し付けられていても恐ろしい、と感じざるを得なかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます