不香の花の花言葉

マッコ

第1話~ハーデンベルギア~

12月も下旬に入り、今年の雪は例年よりも早く降り始めクリスマス前だというのにもう積もっていた。

学生はあと数回学校に行けば待ちに待った冬休み。

周りが浮き足立つ中、あまり気乗りしない学生がここに…


「なぁ、冬休みどれくらい課題でるかな。

今年で高校生活最後の冬休みだっていうのに課題に追われて何も出来なかったじゃシャレにならねーよ。」

「計画的にとか出来ないよね~」


そう話すのは高校最後の冬休みを迎える梅澤裕希と椿亮。

二人は中学からの同級生で仲の良い親友だ。

朝の満員電車から降り、駅から学校まで徒歩5分。

その道のりでは学生ならではの内容の薄い話をよくしている。

今日の話題は冬休みの過ごし方と課題への対策だった。


「クリスマスや年末年始が含まれる冬休み。そんな休みを無駄にしないためにもここは課題同盟を結ぶしかないな」


悪巧みをするかのように小声でニヤッとしながら亮が祐希に提案してきた。

祐希はそんな亮の誘いに対し、やれやれという表情と仕草をして見せた。


「高校最後の冬休みくらい自力でなんとかしなよ。今までもずっと助けてはいたけどさ、今回は一人でなんとか最後までやり遂げなよ」


亮は中学時代から周りの友達に手伝ってもらい、いつもなんとかギリギリに終わらせていた。

祐希も決して計画的にやるタイプではないが、それでも一人の力で課題は全て終わらせていたので亮の今回の計画には反対した。


「そんなつれないこと言うなよな。

オレはサッカーの練習、祐希はバイトで二人とも大変なんだからここは手を取り合って仲良く…」


なかなか折れない祐希に亮が懇願し続けているうちに学校に到着。

二人は違うクラスだが、教室に入る直前までずっと亮は祐希にお願いしていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

不香の花の花言葉 マッコ @makko_book

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ