第12話 町ができた!そしてダンジョンはじめました!


 ダンジョンの事をギルドに話し、協力関係を築いて本格的に町づくりを開始してから月日が流れ、ついに町として運用出来るくらいにはなった。


「いや~ついにこのダンジョンも人が住んで町っぽくなってきたな!」


「うん。お店が出来て便利になった。ご飯屋さんはもっと増やしても良いと思う」


「確かに便利になったな。なんでもシーテンとラグーリアも景気が良いらしいじゃないか。これで地下のダンジョンも完成したら楽しくなりそうだな」


 あれからリリアとニーナとは、よく此処に遊びに来るくらいには仲良くなった。リリアが、このダンジョンの効果で周辺の街の経済も活性化していると言ってたらしい。

 地下のダンジョンは、地上エリアがある程度形になったら取り掛かる予定だ。


「そろそろ訓練エリアと素材エリアは解放して、どんなもんか試してみても良いかもな」


「そうだな。冒険者ギルドに話してみようか?町の運営の方は、商業ギルドがうまくやってくれるだろう」


 冒険者ギルド・商業ギルドも、此処で本格的に営業する事になった際に、経験が豊富で実際に視察に来たバッカスさんとクレアさんがギルドマスターを務める事になった。知っている人だから、こっちもやりやすくて有難い。


 食材・資材エリアは、商業ギルドがもうすでに運用していて、特に問題無いそうだ。

 このダンジョンは気候等も好きに設定出来るから、この国で手に入らない物が作れるのはかなり喜ばれている。

 どの素材をどの位供給するか等の話は、俺にはわからないからプロに任せる事にしている。


あと、今のダンジョンの案内板を町の入とと公園に設置しておいた。


それがこれだ。

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最上階 俺達の家

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6階 食材・資材エリア 

  (温暖・寒冷・熱帯・乾燥等の地域)

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5階 素材エリア(ドロップ)

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4階 訓練エリア(洞窟)

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3階 訓練エリア(森) 

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2階 訓練エリア(草原)

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1階 町 (各ギルド・各店・病院等)

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地下ダンジョン(予定)

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これはダンジョンを改装するたびに更新していく。



―――そして俺は、訓練エリアの解放の話をしに冒険者ギルドに足を運んだ。


「すみません。バッカスさんいますか?」


「あっ!町長さん!マスターならギルド長室に居るので、どうぞお入りください」


 この冒険者ギルドの受付の女の子【マリー】ちゃん(肩口までの長さの茶髪で、ウェーブした髪型をしたかわいい系の女の子だ。体系は細身の16歳)が言ったが、俺は一応このダンジョン町の町長という立場になっている。


 俺がこのダンジョンを造ったからとなっているが、実際は俺がククルとベアトリスも一緒に造ったと言って、めんどくさそうなのを押し付けようとしたが、2人がイヤだと言って押し付けあって…………俺が負けたからだ。



~~~~~~~~~~~~~~~~



 俺はギルド長室に着いた。こう言う時、どう言って部屋に入れば良いのか、いつまで経ってもよくわからなくて困る。


「失礼します。マギです」

「ダンジョンの訓練エリアについて話が有ってきました」


「おう!マギ!よく来たな!何の話だ?」


俺はバッカスさんに、そろそろ訓練エリアを試しに使ってみようと話した。


「うむ……そうだな。実際に使ってみねぇとわかんねぇ事もあるから、やってみた方が早ぇよなぁ?」


「はい。新人冒険者に仕事の依頼と言う事でお願いしようと思います」


「依頼にするのか?それは助かるが何でだ?」


「試しですし………あと新人へのお小遣いですね」


「ハッハッハッ!小遣いか!それはいいな!」


 そしてバッカスさんと具体的に話を進めた。指導する冒険者の人も、すでにこのダンジョンに住んでいるらしく、すぐにでもやれるらしい。


「それじゃあ、エリアを解放するのでよろしくお願いします」


「おう!任せろ!あとで報告すっから、ちっと待ってろ!」


「はい。では失礼します」


 あとはバッカスさんに任せよう。そろそろ昼だしメシ食ってから帰るか。




「あっ!お~い!マギ先輩!」


ギルドから出たところでニーナに声を掛けられた。誰かと一緒らしい。


「ニーナどうした?何か用か?」


「いや別に~目に入ったから声かけただけ~」


「………そうか」


―――なんもねぇのかい!


「―――そっちのは友達か?」


 セミロングの薄い色の金髪で、メガネをかけたおとなしそうな印象の女の子について聞いてみた。装備から魔法使いっぽい。


「はっはじめまして!ニーナとパーティを組んでる【メアリー】です!魔法使いです!お会いできて光栄です!」


 緊張した様子で自己紹介してくてれた。ニーナのパーティか、そういえば聞いたこと無かったかも。


「マギだ。よろしくな!せっかくだし、メシでも食いに行くか?おごってやるよ」


「マジで!?ラッキー!」

「あっありがとうございます。よろしくお願いします」


 ニーナとメアリーと一緒に昼飯を食べてる時に、何で此処に居るのか聞いたらメアリーにダンジョン町を案内したかったらしい。


 そしてメアリーは、ニーナが俺と知り合いという事に驚いていた。一応俺も、英雄の1人って事になってるからな。


―――それから俺達は他愛無い話をしながらメシを食ってわかれた。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 それからしばらくたって、冒険者ギルドから訓練エリアの報告が来たが、特に問題は無いからこのまま運用していくという事だ。


 商業ギルドから、食材・資材エリアの運用も軌道に乗ってきたとの報告が来ていたため、これで地上部分におけるダンジョンはだいたい形になったと思い、いよいよ地下ダンジョンに取り掛かろうかと思っている。


 俺達がギルドとやり取りをしている時に、実はククルがある発明をしている。以前に話していたが、遠くの人と話が出来るマジックアイテムがあれば便利だなぁと言っていたそれを、ククルが発明したのだ!

 

 どうやら【遠話機とおわき】と名付けたらしい。見た目は鏡の様な物で、そこに相手の顔が映り、顔をみながら話せるようになっている。


 どうやって使うのかと言うと、商業ギルドで新たに設立された遠話機課で自分の番号を作ってもらい、それを遠話機に設定する必要がある。その番号を話したい人に教えあって設定すればいい。

 番号の設定は遠話機の裏についてある、設定と書いてあるボタンと数字のボタンで簡単に出来るようになっている。




 それのおかげで、実際に会わなくてもギルドからダンジョンの件について報告する事が出来るようになったんだ。


 商業ギルドも遠話機の発明にはかなり嬉しそうにしていた。


 移動するだけで何日もかかっていたのが、まったく時間をかける事無く、誰とでもどこでも話し合いが出来るというのが素晴らしすぎる!とかなり興奮していた。


―――聞いて無いが、きっとかなりの金になったに違いない。自堕落さに磨きがかかっていたからな。



売れそうな商品を作って、新人冒険者の訓練の場所を造って、町をつくって、これから地下ダンジョンを造る。




最初はその場しのぎで考えた事だったけど、やってみたら結構楽しかった……取りあえず地上部だけだが、ダンジョンはじめました!































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勇者に寄生してました~反省していますので、ダンジョン造って国に貢献します~ コロコロハナビ @hanabi5656

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