第434話 亜紀と楽しむ葉月祭 その2

 俺は9時45分に、学園近くのコンビニで亜紀と待ち合わせをしている。

 俺の服装はもちろん、制服姿で有る。


 実際は後夜祭以外なら、私服姿でも問題は無いと思うけど、そうすると立ち入られる場所が限られてしまうので、学園生なら制服の方が都合良い。

 天気の方も、雨の心配は無いし、寒波もまだ来ていない。


 ……


 時刻は9時40分……


 俺は亜紀との待ち合わせで有る、コンビニに到着する。

 予想通りの言葉も変だが、亜紀は既に到着していた。


「……」


 亜紀は澄ました表情で、俺を待っている……


(この辺は、やっぱり亜紀だな…)


 俺は心の中で感じながら、亜紀に和やかな表情で声を掛ける。


「おはよう!♪」

「亜紀!!」


「……!」

「おはよう、武蔵君!!」


 亜紀は俺の言葉で気付き、和やかな表情で朝の挨拶をしてくる。

 亜紀の姿ももちろん、制服姿で有る。


「時間前だけど……待った?」

「亜紀…?」


 俺は尋ねる表情で亜紀に聞くと、亜紀は穏やかな表情で話し始める。


「何時も通りだよ。武蔵君!」


 俺も時間に余裕を持っての行動をしているが、亜紀は俺の上を行く、時間に余裕を持った行動をしている。

 俺は5分前行動を意識するが、亜紀の場合は10分前行動で有る!


 そのため、俺より遅く亜紀が来たことは、まだ一度も無い。

 亜紀は本当、虹心以上にしっかりした人で有る。


「じゃあ、葉月祭に向かおうか!♪」

「武蔵君!!♪」


 亜紀は、嬉しそうな表情で俺に言う。

 俺も、嬉しそうな表情で亜紀に言い始める。


「うん。行こう!♪」

「亜紀!!」


 ……


「……」


「……」


 俺は亜紀と二人で、葉月祭の会場と成る学園に向かうが……普通の横並びで向かう。

 俺と亜紀は恋人関係なんだから、俺は内心、亜紀と手を繋ぎたいのだが、亜紀はそれを求めない・好まないので、恋人と言うより親友関係の延長線で有る。


 亜紀は俺のことが好きでは有るが、その関係はかなりドライの関係である。

 亜紀わく『馬鹿カップルをすると、周りから目を付けられるからね』と、澄ました表情で言われた。


 亜紀は自分がモテるのを自覚しているから、余計な面倒事には巻き込まれたくないし、俺も攻撃対象にされるのを理解しているから、ドライの関係を徹底させているらしい。


 屋外での会話も、必要最低限以外はしない。

 亜紀はナンパ防止のために、警戒行動を取っている。


 亜紀の表情も、笑顔を極端に見せないようにしている。

 本気でナンパをしてくる奴は、相手がカップルだろうがしてくるらしい!?


 現に今の段階でも、亜紀をチラホラと見る通行人がいる。

 周りの人が見ても、亜紀は超絶美少女なんだろう……


 ……


 葉月学園正門前……


『がや、がや、―――』


『がや、がや、―――』


 まだ時刻は10時前なので、葉月学園正門には虎ロープが張られており、一般来客者は入場出来ない状態で有った。

 正門直近には、生徒会の人達や生徒会を担当する教員達も居る。


「……」


『ザザッ…♪』


 生徒会の人達はトランシーバーを持っており、流石の運営責任者で有る。

 中々の連絡体制で有る。


 正門付近には人もかなり居て、葉月祭開催を待ち望んでいる人達がたくさん居る。

 この近隣に住んでいる人達や学園生の両親など、学園正門前は賑やかで有る。


 学園生は入れそうな感じで有るが、所属部やクラス・名前を言わないと入れない感じで有った。

 俺と亜紀はフライングをするつもりは無いので、時間まで大人しく待つ。


 時刻が、10時丁度と成った時。

 学園の校外スピーカーから、葉月祭開催のアナウンスが流れ始めた!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る