第426話 三國家でお家デート その4

「虹心ちゃん!」


「はい…。何ですか?」

「亜紀さん!♪」


 亜紀が和やかな表情で掛ける言葉に、笑顔に返事をする虹心。

 此処からが、亜紀が俺の家に遊びに来た目的で有った、虹心との会話の始まりで有る。


「今日……私が武蔵君の家に来たのは、武蔵君と遊ぶのも有るけど、虹心ちゃんとの会話が目的なのは、武蔵君から聞いているよね?」


「はい。兄ちゃんから、きちんと伺ってます!」

「亜紀さん!!」


 亜紀が和やかな表情で虹心に言うと、虹心は笑顔で亜紀に言葉を返す。

 俺の恋人でも、相手が先輩に当たる亜紀のため、虹心はきちんとした言葉遣いをしている。

 亜紀はその表情で、虹心に言葉を続ける。


「余り変なことを聞かないけど…、虹心ちゃんはお母さんが居ない時は、お母さん代わりをしているんだよね?♪」


「はい、そうですよ。亜紀さん」

「お母さんが不在の時は、私が母親の代役をしています!」


「虹心ちゃんも、色々と大変だね…!」

「まだ、中等部なのに学園生活や部活動…。更に家事まで担当して…!」


「えっと……まぁ。大変なのは事実ですが、私は家事が嫌いでは無いし、上の兄たちは私が居ないと、何も出来ませんから♪」


「!///」


(虹心の言う通りかも知れないが、亜紀の前で変なことを言うなよ///)

(これ以上俺の印象が悪くなると……亜紀は、俺を振るのかな!?///)


 俺は、虹心の言葉を聞いて動揺を見せる!///

 亜紀も、虹心のことを凄く賛美している。


 今更。俺が駄目人間なのを知っても、亜紀は幻滅をしないだろう!?


「……虹心ちゃんを見ていると、本当にそう感じてしまうわ!///」

「上のお兄さんには、まだ逢ったことは無いけど、武蔵君だけを見ていると……溜め息を吐きたくなる時も有るから…」


 亜紀は困った微笑み表情で、虹心に話している!

 本当に亜紀は、虹心が主目的で、俺と付き合っているのか!?


「もぐ、もぐ、―――♪」


 桃香ちゃんは俺たちの会話を聞きながら、お菓子を和やかな表情で食べている。

 先ほどから、必要最低限の言葉以外は喋らない桃香ちゃん。


 恐らくだが桃香ちゃんは、俺の家に遊びに来たかったのでは無く、只単にお姉ちゃんあきの側に居たかったのだろう。

 虹心は和やかな表情で、亜紀に話し始める。


「けど、亜紀さん!」

「兄ちゃんは、凄く優しい人ですよ!!」


「私(妹)思いだし、私の言うことは何でも聞いてくれる!」

「今は頼りないところも有りますが、近いうちの上の兄のように、立派な人に成りますよ♪」


「立派な人ね~~。虹心ちゃん…!」

「私も、そう信じたいけど…、今の武蔵君を見ているとね~~(汗)」


 虹心は兄で有る、俺を持ち上げてくれるが、亜紀はそれを素直に受け止めず『ジト目』表情で虹心に言っている。

 俺は確かに亜紀と比べれば、勉強や体力(?)も弱いが……やめよう。俺が空しくなって来た!///(泣)


「けど、亜紀さん♪」

「そんな兄ちゃんでも、亜紀さんに気に入る部分が有るから、亜紀さんは兄ちゃんと恋人関係なんですよね!♪」


 虹心は嬉しそうな表情で、亜紀に話し掛ける。

 すると亜紀は、急に恥ずかしそうな表情に成って、虹心に話し始める。


「……武蔵君は、確かに優しい!///」

「武蔵君は自分が弱い人だと自覚しているから、相手を思いやったり、気遣うことが出来る」

「私は……其処が一番。武蔵君の良いところで有る///」


「けど……もう少し、男らしさも欲しいところ///」


 最後の文章は目を背ける表情で、亜紀は虹心に話している!

 俺に、男らしさを求められてもな~~///


 けど、俺が男らしかったら、亜紀は俺を意識していないだろう?

 虹心は困った笑顔で、亜紀に話し始めた……

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