第398話 学年紛争勃発!? その2

「……」


「……」


 二村と松田は、そのまま俺の方に声を掛けてくると身構えるが、俺の方に近付くことは無くそれぞれの席に戻る?


(流石に、午後の授業が有る間は言って来ないか)

(だが、これで、開戦は避けられないな!)


 今の時間は休憩時間なので、スマートフォンを触ることが出来る。

 松田と二村程度なら、俺一人でも対処出来るかも知れないが、連合軍グループで来られると冗談抜きで、武蔵おれは“大和特攻”に成ってしまう!///


 俺は岡谷君にキャリメールを使って、支援要請をしてみる。

 俺一人で戦うより岡谷君がいれば、松田達も暴力を使うことが出来なく成る。


 岡谷君は現在自席に居るが、この短い休憩時間で外に出て話すのは厳しいし、教室内で話すのは松田達に聞かれるので、出来ればそうしたくは無い。

 俺は早速。岡谷君へ送るメッセージを打ち込み始める。


「岡谷君!」

「岡谷君の耳にも多分、入っていると思うけど、俺は特進の伊藤さんと付き合い始めたんだ」


「けど、それを二村が妬んで、二村が松田を使って、俺へ攻撃を仕掛けてきそうなんだ(>_<)」

「また、前回のように助けてくれないかな(^∧^)」


 俺は簡潔にメッセージを打ち込み、直ぐに岡谷君宛に送信をする。


「!」


「……」


 俺が岡谷君に送った直後。

 岡谷君のスマートフォンにメールが届いたらしく、岡谷君は少し驚いた後、不思議そうな表情をして、スマートフォンの画面を見始める。


「……」


 だが、俺からのメッセージを読んでいる岡谷君は、俺の方へ顔を振り向けようとはせず、澄ました表情でスマートフォンを見つめている?


「……」


 岡谷君は慣れた手つきでスマートフォンを触っている。

 俺宛への返信を打ち込んでいるのだろう。


 しばらくすると、俺のスマートフォンが着信バイブする。


『ブブッ!』


(行動が早いな。岡谷君!)


 俺は岡谷君からのメッセージを期待しながら、メールの返信を読み始めると……


『……らしいな』

『二村を捨てて、伊藤を取ったのは賢明だ!』

『三國の為にも成るよ』


『だが、それとこれは別だ』

『好きな女なら、体を張れよ』

『お前も……男だろ』


「……」


「……」


 俺は無言で、岡谷君の方へ顔を向けるが、岡谷君は素知らぬ顔をしている!

 岡谷君は俺からの支援要請を、断わったと言うより拒否した。


(二村と松田だけなら良いが、連合軍で来られたら俺はお終いだな…)

(ボコにされるだけならマシだけど、陰湿な嫌がらせをされ始めだしたら、俺の精神が持たないだろう)


 俺は亜紀ほど、心は強くない。

 はっきり言って、ガラスのハートで有る!?


(だが、亜紀に言った手前。多数の敵が襲来しても、俺は戦わなければ成らない!)

(でも、俺の場合は勇敢の死より、犬死にで終わりそうだが…///)


 ……


 ☆


 嵐の前の静けさと言うべきか、夕方のHRまでは、何時も通りの時間が流れて行った。


「で、有りますから、―――」


 現在は夕方のHRで有って、俺の担任が生徒達に向けて連絡事項を言っている。

 後……1~2分後に、放課後が始まり出す。


 それは同時に、戦いの”火蓋が切られる”意味も含まれていた。

 俺が今朝。上履きに悪戯されたことも担任は話しているが、俺の名前を敢えて出していないため、クラスメイトは『どうでも、いい話』表情で聞いていた。


「はい。では、これで終わります!」


 担任の言葉で夕方のHRは終わりを告げ、放課後が始まった。

 高岡や岡谷君が席を立つように、松田も席を直ぐに立ち上がり、俺の方へ表情を険しくさせながら近付いて来た!


 遂に、俺と松田軍の戦いが、始まろうとしていた……

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